マリブのブログ

ニ匹ののら猫と一緒に随時三匹の飼い主を募集中の元帰国子女。。オススメの映画やドラマの感想を徒然に紹介しています。

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映画『屋敷女』の私的な感想―タブーを犯し続ける禁断描写―

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À l'intérieur/2007(フランス)
監督:アレクサンドル・バスティロ、ジュリアン・モーリー
出演:アリソン・パラディ、ベアトリス・ダル

 スリラー映画を越えた鮮血のフレンチホラー

この映画だけは出産を控えた女性は絶対見ない様にして下さい。

ゆったりとして情緒的な映像美の裏に流れる陰鬱な不協和音は、妊婦の持つ不安をストレートに刺激していきます。

 

『インサイド』というタイトルで2016年にハリウッドで公開されたリメイク版もありますが、そのカオスは段違い。

登場人物たちの殺戮描写はあまりにエグ過ぎて、スリラー映画とするにはちょっと強烈。

ラストの衝撃映像をボカシなしで見られる完全ノーカット版は2018年8月現在、セルDVDでのみでしか観賞出来ないという曰くつきの作品です。

照明や特殊メイクに至るまで、人の恐怖心を極限まで追求した徹底ぶりは、近年のフレンチホラーの中でも群を抜く秀作と言えるでしょう。

 

・・『ベティ・ブルー』で鮮烈なデビューを果たしたすきっ歯美女ことベアトリス・ダルの魅力はもはや顔面凶器としか思えませんが・・・

 

 

 

―――自分の運転する車の事故で夫を亡くしたサラは、出産を間近に控えた身重の身。
事故から4ヵ月。。
クリスマスイブの日になんとか無事に退院した彼女は、塞ぎ込んだまま家へと戻る。
やがて家に訪ねてくる見知らぬ黒ずくめの女に、ドア越しにサラは電話を貸してほしいと告げられるが・・ 

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 タブーを犯し続ける禁断描写

羊水の中の胎児のCG映像から始まる時点で、この作品の残虐性は既に織り込み済み。

ハサミや編み物用の棒針等、日常にありふれている筈の小道具が、鋭利な凶器となって限界まで丸みを帯びた妊婦の腹の上をなぞるだけでもう・・

 

ロングショットを多用し、フランス映画らしい情緒的な風景の中に人物の位置関係を立体的に見せている演出も中々に優秀ですが、ミステリー的な要素を鑑みて「主人公の女を狙う黒ずくめの女は誰なのか?」と詮索するよりも、「自分がもし妊婦だったら・・」という視点で見る方が臨場感が増すのかも。

狂人の女にあっという間にバタバタと惨殺されていく男たちには、もはや整合性などありません。

 

この作品が追求したのは圧倒的な痛さ

 

日本の三池崇史作品に強くインスパイアを受けている様で、『オーディション』等で使用された痛覚に響く音響効果にもかなりのこだわりが伺え、二人の監督の尖った感性が究極のゴア描写を躊躇なく見せてくれます。

クリスマスイブの惨劇に、キリストの生誕を想起させる禁じ手まで使ってきたトコロにはちょっとびっくりしましたが、これも新進気鋭の若手監督だからこそ成せる技でしょう。

 

ちなみに、劇中で使用された血糊は当初300ℓを想定していた様ですが、実際には600ℓも使用されたとのコト。

これを日本のサスペンスドラマあたりで例えるなら、、

通常の流血シーン等で殺される俳優に使用される血糊は多くても1回で500mℓ程度。

ここから逆算すると、この映画の異質な惨劇ぶりが想像出来るでしょうか?

82分と若干短めな尺の中で永遠と繰り返される鮮血祭りは、貧血気味の人だと直ぐに卒倒してしまいそうなスプラッター映画なので、くれぐれも注意してご鑑賞下さい。
 

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