マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

映画『ラストレター』の私的な感想―未咲と鏡史郎はなぜ別れたのか?―(ネタバレあり)

Last Letter/2020(日本)/121分 /答辞に込められた思い / 久しぶりに観た岩井俊二の新作は、正直ちょっとしんどかった。 それは、夢を見続けていた十代の頃に憧れた、紗のかかった映像がすっかり薄くなり、俳優達の止めどない直球の台詞が、劇中に溢れ…

映画『ヴァンパイア』の私的な感想―愛しくも切ない岩井童話の世界―

Vampire/2011(日本/アメリカ/カナダ)/119分 /岩井俊二初の海外長編映画 / 抽象的な表現の多い岩井映画を、苦手な人は少なくない。 けれど、目に見えるものが全てとは限らない世の中では、どうしても、感覚だけは研ぎ澄ませておきたくなってしまう。…

映画『花とアリス』の私的な感想―揺れる女心とビタースイートな思い出―

HANA&ALICE/2004(日本)/135分 /等身大目線の温もり / 岩井俊二の映画は、大抵どれも優しい音色がする。 その中でも、この映画の温もりは未だに冷めやらない。 彼の映画は、殆どと言ってしまっていいほど、説明がない。 駅のホームに佇む少女達の白い息…

映画『パラサイト 半地下の家族』の私的な感想―貧乏の臭いと寿石(スソク)に込められた人の品格―(ネタバレあり)

기생충/2019(韓国)/132分 /ジャンルに縛られない映画 / こんな事を言うと大分誤解を受けてしまうだろうけど、劇中に登場する女達には酷く共感出来てしまう。 ミステリアスな男に、女は何時の世も後ろ髪を引かれるものだし、それが全米中を震撼させたシ…

マリブの選ぶ2019年に観た映画のマイベストと2020年上半期期待の新作映画

2019年のマリブの本当のオススメ映画厳選10選 /・・サボり癖の出始めたブログを、性懲りもなく書き続ける今日この頃。。 「来年本厄だから、きちんとどっか連れてけ!」 とはっぱをかけてくる連れにケツを叩かれ、大晦日ギリギリ迄、自宅と会社の両方で放置…

映画『テッド・バンディ』の私的な感想―史上最悪の殺人鬼を愛した3人の女―

Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile/2019(アメリカ)/109分 /殺人鬼を愛した二人の女 / こんな事を言うと大分誤解を受けてしまうだろうけど、劇中に登場する女達には酷く共感出来てしまう。 ミステリアスな男に、女は何時の世も後ろ髪を引かれ…

映画『マリッジ・ストーリー』の私的な感想―冷静と情熱の間で立ち戻る女の分岐点―

Marriage Story/2019(アメリカ)/136分 /女の分岐点 / この映画を独りで見てしまった事を、後になって酷く後悔した。 “映画は誰かと一緒に見たい!”なんて世迷言は疾うに捨てたつもりだったけど、やっぱり女の分岐点を具に捉えたこの映画は、女性側の視…

映画『アイリッシュマン』の私的な感想―ギャングスターのリアルな不条理の世界―

The Irishman/2019(アメリカ)/209分 /アイロニカルなジョーク / マーベル映画を侮蔑した発言で批判を浴びた、マーティン・スコセッシの気持ちはよく分かる。 カラフルでスタイリッシュに彩られた刺激的なスクリーンの中では、彼らが映画に残したかった…

『ウォーキングデッド』シーズン10第8話の私的な感想―バージルの言葉―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode8/2019~(アメリカ) /リックの面影 /ようやくシーズン10前半最終話となりました。 ・・正直、冷めきったキモチから、中々立ち直れませんが。。 自分が「善人である事を疑うと全てが崩れる」と言う初回エピのアーロン…

『ウォーキングデッド』シーズン10第7話の私的な感想―ダンテの正体―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode7/2019~(アメリカ) /内向き志向の構図 /まどろっこしい映画感想記事ばかり書き過ぎて、とうとう連れに“ユージーン”と呼ばれるよーになった私、どうもマリブです。 ・・正直、『ウォーキング・デッド』見るのに時間割…

映画『ひとよ』の私的な感想―親から子へ受け継がれる因果の法則―

Hitoyo/2019(日本)/123分 /舞台から生まれた儚い親子の戯曲 / “親の因果が子に報う”なんて負の連鎖を象徴することわざがあっても、そこに希望を抱かせてくれるコトバは、どうしても思い当たらない。。 それは、元々仏教国な日本そのもののカルマ(業)…

『ウォーキングデッド』シーズン10第6話の私的な感想―ユージーンの無線の相手―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode6/2019~(アメリカ) /ニーガンの理想と現実 /・・覚醒したニーガンの影響で、歯止めの効かなかった視聴者数の低下も、ここにきて少しだけ持ち直してきたみたい。。 とは言え、局側が打ち切りを視野に入れてきそうな30…

『ウォーキングデッド』シーズン10第5話の私的な感想―覚醒するニーガンのその長い一日―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode5/2019~(アメリカ) /『TWD』から卒業した俳優 /最近すっかり、愚痴を書く場に落ちぶれてしまった『TWD』の感想ですが、前回のエピソードの監督は、ニーガンによるリック達の最初の犠牲者、エイブラハム事マイケル・…

映画『フラクチャード』の私的な感想―砕かれた男の見る白昼夢―

Fractured/2019(アメリカ)/99分 /砕け散った男 思い込みの激しいオトコが、夜中にひっそり膝を抱え怯えて見るには十分の映画。 自分もその術中にまんまとハマり、気がつけば、ため息が漏れまくっていた。。 世界のホラー映画の巨匠13人なんかにちゃっか…

映画『最初の晩餐』の私的な感想―もう一つの家族の風景―(ネタバレあり)

The First Supper/2019(日本)/127分 /家族の風景 / 来年の映画賞を総ナメにする熱量はおろか、邦画業界に新風を巻き起こす程の、ぬくもりを感じられる映画だった。

『ウォーキングデッド』シーズン10第4話の私的な感想―ニーガンの正義―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode4/2019~(アメリカ) /新しいアポカリプスドラマ /・・先日『TWD』の最新シーズンを、酔った勢いで激しく勧めてしまった生粋の映画屋の先輩に、 「クソつまんねぇ。。」 と、直球のお叱りのコトバを頂きました。。。 …

『ウォーキングデッド』シーズン10第3話の私的な感想―ヘンリーの亡霊―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode3/2019~(アメリカ) /マイノリティーの美学 /・・テンションがあまり上がらないな。。 ヤサグレTWD評論家Gさん曰く、前回のベータのマスクの正体は、彼がバンドマンだった頃の友人だったらしく、屈強な彼も実はゲイ設…

映画『真実』の私的な感想―見えないものを撮る是枝流のもう一つの真実―

La vérité/2019(フランス/日本)/108分 /是枝裕和の海外デビュー作 ・・すっかり海外市場に目を向けだした是枝監督は、もう、邦画業界に未練はないのかもしれない。。 香港映画『十年』の日本版リメイクをプロデュースし、何かと海外志向が強くなってき…

映画『楽園』の私的な感想―実話に基く日本の闇、現代に蘇る津山事件の真の恐怖―

Rakuen/2019(日本)/129分 /観念的に感じる恐怖 主観のない映画は胸に響かない。 それは傍観者の観客との距離感が、どうしても縮まってこないから。。 言い換えれば、ビジネス脳的な俯瞰で世界を見渡すと、世の中の危険性はだいぶ薄まるが、その分、相手…

『ウォーキングデッド』シーズン10第2話の私的な感想―アルファとベータの絆―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode2/2019~(アメリカ) /迷走する『TWD』 /とうとう、ファーストシーズンの初回視聴者数をも下回り、全シーズンを通じてのワースト記録となる400万人をもきった『TWD』。。 流石に、不満を零している場合じゃない程、…

映画『タクシードライバー』の私的な感想―ジョーカーとトラヴィスの悲観論の違い―(ネタバレあり)

Taxi Driver/1976(アメリカ)/114分 /孤独な男のナルシズム 最近、孤独な男のナルシズムを描く映画が、ちょっと増えてきた気がしてる。 ようやく、世間がメンタル弱い系男子を追い込む恐ろしさに気づき始めたって事? 近代アメコミサイコパスの頂点に君…

映画『テイク・シェルター』の私的な感想―やってくる嵐の中の悪夢―(ネタバレあり)

Take Shelter/2011(アメリカ)/121分 /嵐という比喩 嵐になるとこの映画の事をふと思い出す。 若干29歳にして映画監督デビューを果たしてから僅か4年後、こんなにも深い映画を撮ってしまったジェフ・ニコルズ監督には、尊敬の念しかない。 『マン・オブ…

『ウォーキングデッド』シーズン10第1話の私的な感想―キャロルの消せない憎しみ―(ネタバレあり)

The Walking Dead Season10 Episode1/2019~(アメリカ) /フィアーの惨劇。。 /2020年春配信予定の、アポカリプスから10年後の世界を描く『ウォーキング・デッド』スピンオフ第三弾(名称未定)に今から心をときめかせつつも、最近、濃い映画ばかり見過…

映画『嘆きのピエタ』の私的な感想―聖母マリアの憎しみから生まれるもの―

피에타/2012(韓国)/104分 /底辺で喘ぐ者 貧乏に理由なんてない。 冒頭からいきなりそんな事を言ってしまうと、なんだか身も蓋もないけど、この映画を見る時は、それぐらいの心構えが必要。 。 日韓関係が露骨に悪化する中で、今更こんな映画に手を出す…

映画『ジョーカー』の私的な感想―アーサーは何故悪意に染まった銃を手にしたのか?―(ネタバレあり)

oker/2019(アメリカ)/122分 /悪の理由を追求する 「人をちゃんと笑わせられないヤツは、人をちゃんと泣かす事も出来ない」 大昔に、某キチ〇イ監督に言われたそんな台詞が、頭の中に木霊する。。 マーベルやコメディ映画を全く見ない自分にとっては、ト…

映画『ホテル・ムンバイ』の私的な感想―神無き街を救う神―

Hotel Mumbai/2019(オーストラリア/インド/アメリカ)/123分 /アラブとインド人の違い なんだか『バイオハザード』の様な、サブタイを勝手に付けてみたけど。。 緊張感を高ぶらせる演出が頗るうまい。 ホテルに集まったブルジョア階級の外国人たちのそ…

映画『十年』の私的な感想―香港デモから見る近未来のディストピア―(ネタバレあり)

TEN YEARS/2015(香港)/104分 /香港の真意 最近、遠い昔の記憶を掘り起こす為にも、巷で評判の中田敦彦のYouTube大学を見始めた。 やっぱり、あっちゃんは相変わらずかっこいーw これまで表層的だった歴史や政治、或いは宗教の知識なんかまでまとめて、…

映画『アド・アストラ』の私的な感想―ブラピが宇宙の彼方で取り戻すもの―(ネタバレあり)

Ad Astra/2019(アメリカ、ブラジル)/124分 /深層世界を掘り下げる宇宙映画 冒頭に登場する痩せた男を、ブラット・ピットと認識する迄に大分時間がかかった。 『ファイト・クラブ』や『セブン』あたり隆々しい顔つきが、未だに脳裏に焼き付いてしまって…

映画化にピッタリな歴史の闇に消えた6人の知られざる逸話

いつか映画化してほしい6つの謎に包まれたエピソード /⑥ジョン・アダムズ/1767~1829(イギリス) 反乱兵から南国の楽園を作り上げた男 ⑤ローラ・アルバート/1965~(アメリカ) 世界を欺いた天才作家の真実 ④ベル・ガネス/1859~?(ノルウェー) 元祖…

Netflix『13の理由』シーズン3第13話の私的な感想―ブライスのテープ―(ネタバレあり)

13 Reasons Why Season3 Episode13/2019~(アメリカ) /シリアスな学園ドラマ /とうとう大詰めを迎えた『13の理由』、皆さん的にはどうでしたか? いじめ問題から、レイプ、自殺、銃規制、青少年法、更には若者に蔓延するドラッグの実態から不法移民問題…

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