ドラマ
MOTHER/2020(日本)/126分 /共感性ゼロのドラマ /大森立嗣という監督の事をもっと知りたくなった。 彼はこの映画で、どんなメッセージを伝えたかったのだろう? スクリーンの中でもんどりうつ様に試行錯誤する主演の彼女はおろか、この映画に出演してい…
湯を沸かすほどの熱い愛/2016(日本)/126分 / 熱い愛を持った女の生き様 / 死ぬ前に、子供に伝えられるコトってなんだろう? “愛”は言葉にすればするほど、軽くなる。 それなら人情とか教養とか、目に見えなくても、その子が自分で将来を切り開ける為に…
Y tu mamá también/2001(メキシコ)/105分 /嘘で固めた心 昔の若者は、みんなズルかった。 恋愛に、友情に、両親への感謝のキモチさえも。 漠然と焦る心をひた隠しにし、どうでもいい小さな嘘をつきまくって、張り詰めた自分の気持ちをそっと塗り固める。
스톱/2015(韓国)/82分 /忘れる事 / 忘却にバイアスを傾けないと、やってられない事はごまんとある。 世界中を、目に見えない不安に陥れる新型コロナの恐怖でもそうだ。 あらゆる手段を尽くしても、その閉塞感を拭い去れなくなった時に、人はその話題を…
기생충/2019(韓国)/132分 /ジャンルに縛られない映画 / メイヤーの法則というものがある。 これは、“事態を複雑にするのは単純だが、単純にするのは複雑な作業である”という一種の哲学だ。 映画もこの法則の類に漏れず、監督の伝えたい事を単純化する…
The Irishman/2019(アメリカ)/209分 /アイロニカルなジョーク / マーベル映画を侮蔑した発言で批判を浴びた、マーティン・スコセッシの気持ちはよく分かる。 カラフルでスタイリッシュに彩られた刺激的なスクリーンの中では、彼らが映画に残したかった…
Hitoyo/2019(日本)/123分 /舞台から生まれた儚い親子の戯曲 / “親の因果が子に報う”なんて負の連鎖を象徴することわざがあっても、そこに希望を抱かせてくれるコトバは、どうしても思い当たらない。。 それは、元々仏教国な日本そのもののカルマ(業)…
The First Supper/2019(日本)/127分 /家族の風景 / 来年の映画賞を総ナメにする熱量はおろか、邦画業界に新風を巻き起こす程の、ぬくもりを感じられる映画だった。
La vérité/2019(フランス/日本)/108分 /是枝裕和の海外デビュー作 ・・すっかり海外市場に目を向けだした是枝監督は、もう、邦画業界に未練はないのかもしれない。。 香港映画『十年』の日本版リメイクをプロデュースし、何かと海外志向が強くなってき…
Taxi Driver/1976(アメリカ)/114分 /孤独な男のナルシズム 最近、孤独な男のナルシズムを描く映画が、ちょっと増えてきた気がしてる。 ようやく、世間がメンタル弱い系男子を追い込む恐ろしさに気づき始めたって事? 近代アメコミサイコパスの頂点に君…
Take Shelter/2011(アメリカ)/121分 /嵐という比喩 嵐になるとこの映画の事をふと思い出す。 若干29歳にして映画監督デビューを果たしてから僅か4年後、こんなにも深い映画を撮ってしまったジェフ・ニコルズ監督には、尊敬の念しかない。 『マン・オブ…
피에타/2012(韓国)/104分 /底辺で喘ぐ者 貧乏に理由なんてない。 冒頭からいきなりそんな事を言ってしまうと、なんだか身も蓋もないけど、この映画を見る時は、それぐらいの心構えが必要。 。 日韓関係が露骨に悪化する中で、今更こんな映画に手を出す…
Ad Astra/2019(アメリカ、ブラジル)/124分 /深層世界を掘り下げる宇宙映画 冒頭に登場する痩せた男を、ブラット・ピットと認識する迄に大分時間がかかった。 『ファイト・クラブ』や『セブン』あたり隆々しい顔つきが、未だに脳裏に焼き付いてしまって…
Once Upon a Time in Hollywood/2019(イギリス、アメリカ)/161分 /歴史に消えた悲劇への鎮魂歌 /遊びの過ぎるタランティーノ映画はあんまり得意じゃない。 けれど、彼ほど映画界をまるごと愛してやまない熱狂的なオタクも、そうはいない。。 ブラピに…
THE NAKED DIRECTOR Season1/2019~(日本) /時代に埋もれたアンチヒーロー /民法ドラマがつまらなくなって久しい。 そんな中、自社製作、自社配給の強みを持つNetflixがまたやってくれた。 BPOやネット住民の声に怯え、著しく衰退の一途を辿る民法ドラ…
STATION/1981(日本)/132分 /演歌に込められてきた日本人の哀愁 /余韻のないものは映画とは言えない。 そんなものを始めに教えてくれたのは、降旗康男という監督だった。 ヒトラーが総統になり、ボニー&クライドが射殺された年に長野の松本市で生まれ…
Last Days/2005(アメリカ)/97分/ /グランジロックの原点 /心の奥底に潜めた怒りを綺麗に発散するのは結構難しい。 それが末期状態に陥った天才ミュージシャンの性なら尚更。。 カンヌでグランプリを獲得した『エレファント』に代表されるように、殺風…
岬の兄妹/2018(日本)/89分 /役者魂と映画愛 /変わり映えのないポリコレ感満載の『グリーン・ブック』のエンドロールが流れるや否や席を立ち、“映画の日”にどうしてももう一本観ておきたかったのがこの作品。 演技バカ松浦裕也の久しぶりの新作とあれば…
Lo Imposible/2012(スペイン)/113分 /大地震の前兆 /”スーパームーン”と聴くと、どうしても大地震を連想してしまう。 直接の因果関係は立証されていないにせよ、強まった月の引力は活断層になんらかの変化を与えてきそうだ。 この映画の元となる2004年…
愛の渦/2014(日本)/123分 /曝け出した性欲 /・・あまりにも情けない新井浩文の逮捕に動揺が隠し切れないでいる今日この頃。。 彼ほどピュアな悪役を見事に演じきれる俳優は日本にはそうはいない。 そんな彼が慙愧に耐え、何時か必ず芸能界に復帰してく…
Burning/2018(韓国)/148分 /韓国人の感情 /エンドロールが流れた瞬間、唸ってしまった作品はかなり久しぶりだ。 村上春樹の世界にどっぷりハマっていたあの頃を、懐かしく思い出す。。 低迷を続ける『ウォーキング・デッド』から、結果だいぶ上手く卒…
WRECKERS/2014(イギリス)/85分 /理想的な家庭を夢見る妻の横顔 /この映画をじっくり観ていくと、クレア・フォイの表現力豊かな顔芸の多さに驚かされる。 Netflixオリジナルドラマの『ザ・クラウン』でゴールデングローブ賞を受賞してからはその頭角を…
Roma/2018(メキシコ・アメリカ)/135分 /逞しく生きる女の生き様 /・・年の瀬くらいはもう少し夢のある映画を観たかったのだけれど、またしても逞しい女の生き様をまざまざと見せつけられてしまった。。 脚本、監督、撮影、編集まで熟すこの映画のアル…
Tokyo Godfathers/2003(日本)/90分 /イブの夜にかけられる魔法 /クリスマス・イヴの夜ぐらいは、ちょっと幸せになれるアニメを。。 米国の大手映画ファンサイトTaste of Cinemaで小津映画や黒澤作品に並んで、東京を舞台にした16本の名作映画にも選ば…
Bohemian Rhapsody/2018(アメリカ)/135分 /グラムロック界を駆け抜けた伝説の男 /音楽に秘める可能性が、この作品にはすべて集約されている。 それは情動であり、希望であり、信念であり、愛情。 近頃の日本ではだいぶ首を傾げられてしまいそうな、そ…
Z for Zachariah/2015(アメリカ、スイス、アイスランド、ニュージーランド)/98分 / 日本人のバイブル /結論から言うと宗教を題材にした映画は結構面白い。 『Mother!』や『コクソン』等の映画でキリスト教を大分批評してきた自分が言うのもなんだが、…
도희야/2016(日本)/119分 /韓国社会の田舎の現実 /韓国映画の単純なストーリー展開には、あまり理解できない描写が結構ある。 主人公は何かしらの因果を抱え、人は直ぐに裏切り、何よりもあっという間に人が殺されていく。 そんな歴然とした勧善懲悪の…
Sameblod/2016(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)/108分/ 赤色の象徴 /それにしても僻地に住む民族の衣装はどうして赤色が特徴的なのだろう? イヌイットまでいってしまうとその仕様は毛皮だが、モンゴル系・チベット系・ツングース系等の民族衣…
愛しのアイリーン/2018(日本)/137分/ 吉田恵輔監督作品の飛躍 /原作のあの難しいテーマをよくこの130分に纏めてみせたのかと感心させられてしまう。 どうやら映画版『ヒメアノ~ル』で見せた吉田監督の才能は本物のようだ。 照明技師上がりの異例のキ…
唐山大地震/2010(中国)/135分/ /震災が起きた時に自分たちに出来るコト /2018年9月6日午前3時8分に発生した北海道胆振東部地震に対し、自分に何か出来ないかいろいろ考えてみたが、映像業界に生まれ育った自分に結局今出来る事は映画を通じてそれ…