マリブのブログ

ニ匹ののら猫と一緒に随時三匹の飼い主を募集中の元帰国子女。。オススメの映画やドラマの感想を徒然に紹介しています。

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洋画

映画『クワイエット・プレイス』の私的な感想―音のない世界での新感覚SFスリラー―

A Quiet Place/2018(アメリカ)/95分 /リアルな質感が揃った究極のサバイバル /円あって試写会で見せてもらったのだが、中々に斬新で秀逸なスリラー。 タイトルの“クワイエット・プレイス”を直訳すると“静かな場所”となるのだけれども、95分間殆ど音の…

映画『黒い箱のアリス』の私的な感想― 3本のシリンダーから得た能力―(ネタバレあり)

Black Hollow Cage/2017(スペイン)/106分 /黒い箱の謎 /ここまで静かなサスペンス映画も珍しい。 カメラワークは恐ろしくゆったりとしていて、シンメトリックな構図や情緒的な風景描写は、疲れきった夜に観るにはあまりに危険すぎる。 劇中の音楽や効…

映画『タリーと私の秘密の時間』の私的な感想― 女の現実から目を背ける男へ―

Tully/2018(アメリカ)/95分 / 女の現実から目を背けてきた男たちへ・・ /男はこの手の邦題をつけられると何だか無性にこっぱずかしくなってくる。 “タリーと私”までならなんとか・・ でも“秘密”というワードが添えられた瞬間から、その映画に甘い飽和…

映画『屋敷女』の私的な感想―タブーを犯し続ける禁断描写―

À l'intérieur/2007(フランス) /スリラー映画を越えた鮮血のフレンチホラー /この映画だけは出産を控えた女性は絶対見ない様にして下さい。 ゆったりとして情緒的な映像美の裏に流れる陰鬱な不協和音は、妊婦の持つ不安をストレートに刺激していきます。…

映画『ピエロがお前を嘲笑う』の私的な感想―4つの角砂糖の友情―

Who Am I - Kein System ist sicher/2015(ドイツ) / ニューウェーブなサスペンス /トリッキーでスタイリッシュなドイツ生まれの極上サスペンスです。 邦題の語源は、劇中の天才ハッカー役の主人公ベンヤミンが仲間に付けたグループ名称“Clowns Laughing…

映画『ベルリン・シンドローム』の私的な感想―崩壊した壁に囚われ続ける男―

Berlin Syndrome/2017(オーストラリア) / 絶叫クウィーン・テリーサ・パーマーの新境地 /監禁モノの映画にしては何だかあまりに切なすぎてちょっと泣けてきます。 『ウォーム・ボディーズ』からのゾンビにも愛される可愛らしさからか、テリーサ・パーマ…

映画『太陽の帝国』の私的な感想―少年が夢を馳せた戦争―

Empire of the Sun/1987(アメリカ) / 喪失した少年の心 /長崎の原爆の日に哀悼の意を込めて。 私的な戦争映画のオールタイムベストです。 それまでヒットメーカーだったスピルバーグのターニングポイントとなったこの映画は、同年公開された『ラストエ…

映画『ウインド・リバー』の私的な感想―インディアン社会からの悲鳴―

Wind River/2017(アメリカ) / 静かに訴え続ける民族差別 /キャスリン・ビグローが『デトロイト』で暴いた黒人差別の実態を“動”とするならば、正にその対となるのがこの作品。 ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』で脚本家を務めていたテイラー・…

映画『ア・ゴースト・ストーリー』の私的な紹介―V・ウルフが描いた魂の世界―

A Ghost Story/2017(アメリカ) / 珠玉のゴーストファンタジードラマ /タイトルから想像するとホラー映画の様ですが、その期待をいい意味で全く裏切る作品です。 人の魂を描いた映画としては『21グラム』にも近いテーマですが、この作品で描かれている…

映画『ノクターナル・アニマルズ』の私的な感想―捨てられた男の真意―(ネタバレあり)

Nocturnal Animals/2016(アメリカ) / 映像トリックに隠された真実 /ちょっと胸が苦しくなる映画です。 観た方の感想が真っ二つに分かれるこのミステリーは、デザイナー上がりのトム・フォードらしく作中の随所にアーティスティックな画が散りばめられて…

映画『モンスターズ/地球外生命体』の私的な感想―SF世界の舞台裏で彷徨う人間たち―

Monsters/2010(イギリス) /エイリアンの襲来後の世界を舞台にしたこの作品の根幹は完全なロードムービー。 ふたりの男女が汚染地帯と化したメキシコからアメリカの国境を越えるまでを描いていますが、邦題の地球外生命体は殆どはっきりと現れてきません。…

映画『ロスト・バケーション』の私的な感想―復活した現代版『ジョーズ』―

The Shallows/2016(アメリカ) / 絶景の海とサメの恐怖とのコントラスト 夏×海×映画と言えば定番なのがサメ。 その中でもこの映画は『ジョーズ』からの恐怖と『オープンウォーター』からの孤独感をしっかり継承し、随分丁寧に練り上げられたシチュエーシ…

映画『ザ・フォッグ』の私的な感想―100年前の亡霊伝説を描くクラシックホラー―

The Fog/1980(アメリカ) / 見えない恐怖を最大限に生かしたカーペンターが放つもう一つの名作ホラー 前回の、最恐ゾンビ&オカルトホラー映画10選には入れていませんでしたが、 「『ザ・フォッグ』を名作ホラーに入れないなんてありえない!」 と言う厳…

映画『15時17分、パリ行き』の私的な感想―イーストウッドの更なる試み―(ネタバレあり)

THE 15:17 TO PARIS/2017(アメリカ) /イーストウッドの更なる試み 斬新な試みの中にもどこか懐かしさを感じさせる作品でした。 誇張された演出もなく殆どドキュメントの様に、2015年にフランスで実際に起きたタリス銃乱射事件の舞台裏を、あろうことか、…

映画『デトロイト』の私的な感想―アメリカの深い闇、真実を追う記録映画―

Detroit/2017(アメリカ) 『タイタニック』や『アバター』等で知られる巨匠・ジェームス・キャメロンの前妻にして、80年代にはGAPの広告塔まで務めた高身長のアメリカを代表する女流監督と言えばこの作品を手掛けたキャスリン・ビグロー。 余りにエネルギ…

映画『プライベート・ライアン』の私的な感想―極限状態から見出す本当の愛国心―

Saving Private Ryan/1998(アメリカ) ・・この時期になると、毎年この映画の事を思い出します。 王道中の王道戦争映画ですが、一度は誰もが見るべき戦争の現実。 アメリカエンターテインメント・ウィークリー誌が、史上最も愛国的なアメリカ映画ベスト1…

映画『レッド・スパロー』の私的な感想―艶やかなジェニファー・ローレンスの才能―

Red Sparrow/2018(アメリカ) / ジェニファー・ローレンスの究極の俳優魂 ジェニファー・ローレンスってこんなに潔い芝居をする女優に成長してたんですね。 快活そうに見えてどこか幼気な雰囲気が魅力的だった彼女が、大人の女優として開花したその俳優魂…

映画『アイデンティティー』の私的な感想―振り止まない雨の日の夜の出来事―

Identity/2003(アメリカ) /多彩な俳優陣が集結したクローズドサークルミステリー 雨の日の夜に見るサスペンスと言えば、まず初めに思い浮かぶのがこの作品。 閉じ込められたモーテルで一晩中止まない激しい雨がとても印象的です。 叙述トリックが散りば…

映画『スリービルボード』の私的な感想―アメリカの縮図と免罪符―(ネタバレあり)

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri/2017(アメリカ)/ 絵に描いたような典型的なアメリカ映画です。 第90回アカデミー賞で6部門で7つにノミネートされ、主演のフランシス・マクドーマンドと助演のサム・ロックウェルがそれぞれ最優秀賞を受賞した…

映画『ビューティフル・デイ』の私的な感想―ダークサイドを彷徨う男の結末―

You Were Never Really Here/2018(イギリス・フランス・アメリカ) /・・腹を据えて観ないとちょっとシンドイ映画かもしれません。。 90分という割り合い短い映画でしたが、どうも3時間くらいの体感速度を感じてしまうのは、劇中永遠に続きそうな孤独感。…

映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の私的な感想―グラムロックに彩られたLGBTの人生譚―

Hedwig and the Angry Inch/2001(アメリカ) /痛々しく、そして優しい作品です。 オフ・ブロードウェイでスマッシュヒットを飛ばしたミュージカルを映画化したこの作品は、自身もゲイである事を公言しているジョン・キャメロン・ミッチェルが監督、脚本更…

映画『カーゴ』の私的な感想―7分間のショートフィルムから生まれたヒューマンゾンビドラマ―

CARGO/2018(オーストラリア) /『ウォーキング・デッド』の世界では描けなかったゾンビアポカリプスな世界でのもう一つのヒューマンドラマです。 2013年、この映画の元となったオーストラリアで作られたショートフィルムは、Youtubeにアップされると同時…

映画『300〈スリーハンドレッド〉』の私的な感想―ギリシア彫刻の様な鍛え抜かれた肉体美―

300/2006(アメリカ) /アーティスティックな創作歴史ファンタジー巨編 珠にはこの手の映画で気分転換が必要です。。 アクション系ゲームが苦手な自分としては、コントローラーを持たずともPS4ばりの爽快な戦闘シーンをたっぷりと見せつけてくれるこの手の…

映画『エル ELLE』の私的な感想―空っぽの女の美しさ―

Elle/2016(フランス、ベルギー、ドイツ) /ポール・バーホーベンの最高傑作である事は間違いない作品です。 『氷の微笑』 や『ショーガール』のようなもの凄く劣悪なエロティック映画を撮ってしまうわりには、『ロボコップ』や『トータル・リコール』等、…

映画『メメント』の私的な感想―記憶のない男の記録―

Memento/2000(アメリカ) /いつの間にかMARBEL系のブロックバスター映画監督になり果ててしまったクリストファー・ノーランですが、私的には彼はこの作品でその才能の全てを出し切ってしまったと思っていますw 彼の弟、ジョナサン・ノーランが書いた短編…

映画『LIFE!』の私的な感想―人生の見方を変える旅に出よう!―

The Secret Life of Walter Mitty/2013(アメリカ) /妄想癖が強い人にはピッタリの気分転換が出来る映画です。 「映画」で「映画」を見るような不思議な感覚。。 ・・朝の満員電車の中で、通勤途中の横断歩道で、あの映画のワンシーンを夢想したことはあ…

映画『ペンタゴン・ペーパーズ』の私的な感想―ウォーターゲート事件へと繋がる国家の陰謀―

The Post/2017(アメリカ) /スピルバーグwithトム・ハンクスってもう何度目でしたっけ? 『プライベート・ライアン』は面白かったんですけど、それ以外はどうもあまりピンときません。 脚本は『スポットライト 世紀のスクープ』のジョシュ・シンガーらし…

映画『女神の見えざる手』の私的な感想―ロビイストの孤独と正義―

Miss Sloane/2016(アメリカ/フランス) /物語の最後で作品の印象が全く異なっていく珍しい映画です。 古典的なアメリカンサクセスストーリーと、叙情悲劇。 作品は終盤になるまでシニカルでウィットに富んだ会話劇の応酬なので、英語になれていない方は…

映画『メッセージ』の私的な感想―ノンゼロサムの未来―

Arrival/2016(アメリカ) /宇宙映画の概念を覆す秀作 いつか誰かに伝えたかった名作です。 この映画だけは、一人ではなく誰かと見るコトをオススメします。 宇宙モノの映画ですけど主軸は殆ど哲学。 というより、感覚的にはむしろ文学に近いような気もし…

映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』の私的な感想

Darkest Hour/2017(イギリス) /重厚で質感の高い映画でした。 『シェイプ・オブ・ウォーター』にまだ手が出せていない自分にとっては、この映画に前回のアカデミー賞を全て与えたい気がします。 だってゲイリー・オールドマンですから。 公言しますが、…

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