マリブのブログ

ニ匹ののら猫と一緒に随時三匹の飼い主を募集中の元帰国子女。。オススメの映画やドラマの感想を徒然に紹介しています。

      
  •   

洋画

映画『アイリッシュマン』の私的な感想―ギャングスターのリアルな不条理の世界―

The Irishman/2019(アメリカ)/209分 /アイロニカルなジョーク / マーベル映画を侮蔑した発言で批判を浴びた、マーティン・スコセッシの気持ちはよく分かる。 カラフルでスタイリッシュに彩られた刺激的なスクリーンの中では、彼らが映画に残したかった…

映画『フラクチャード』の私的な感想―砕かれた男の見る白昼夢―

Fractured/2019(アメリカ)/99分 /砕け散った男 思い込みの激しいオトコが、夜中にひっそり膝を抱え怯えて見るには十分の映画。 自分もその術中にまんまとハマり、気がつけば、ため息が漏れまくっていた。。 世界のホラー映画の巨匠13人なんかにちゃっか…

映画『真実』の私的な感想―見えないものを撮る是枝流のもう一つの真実―

La vérité/2019(フランス/日本)/108分 /是枝裕和の海外デビュー作 ・・すっかり海外市場に目を向けだした是枝監督は、もう、邦画業界に未練はないのかもしれない。。 香港映画『十年』の日本版リメイクをプロデュースし、何かと海外志向が強くなってき…

映画『タクシードライバー』の私的な感想―ジョーカーとトラヴィスの悲観論の違い―(ネタバレあり)

Taxi Driver/1976(アメリカ)/114分 /孤独な男のナルシズム 最近、孤独な男のナルシズムを描く映画が、ちょっと増えてきた気がしてる。 ようやく、世間がメンタル弱い系男子を追い込む恐ろしさに気づき始めたって事? 近代アメコミサイコパスの頂点に君…

映画『テイク・シェルター』の私的な感想―やってくる嵐の中の悪夢―(ネタバレあり)

Take Shelter/2011(アメリカ)/121分 /嵐という比喩 嵐になるとこの映画の事をふと思い出す。 若干29歳にして映画監督デビューを果たしてから僅か4年後、こんなにも深い映画を撮ってしまったジェフ・ニコルズ監督には、尊敬の念しかない。 『マン・オブ…

映画『ジョーカー』の私的な感想―アーサーは何故悪意に染まった銃を手にしたのか?―(ネタバレあり)

oker/2019(アメリカ)/122分 /悪の理由を追求する 「人をちゃんと笑わせられないヤツは、人をちゃんと泣かす事も出来ない」 大昔に、某キチ〇イ監督に言われたそんな台詞が、頭の中に木霊する。。 マーベルやコメディ映画を全く見ない自分にとっては、ト…

映画『アド・アストラ』の私的な感想―ブラピが宇宙の彼方で取り戻すもの―(ネタバレあり)

Ad Astra/2019(アメリカ、ブラジル)/124分 /深層世界を掘り下げる宇宙映画 冒頭に登場する痩せた男を、ブラット・ピットと認識する迄に大分時間がかかった。 『ファイト・クラブ』や『セブン』あたり隆々しい顔つきが、未だに脳裏に焼き付いてしまって…

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の私的な感想―歴史を塗り替えるタランティーノの流儀―(ネタバレあり)

Once Upon a Time in Hollywood/2019(イギリス、アメリカ)/161分 /歴史に消えた悲劇への鎮魂歌 /遊びの過ぎるタランティーノ映画はあんまり得意じゃない。 けれど、彼ほど映画界をまるごと愛してやまない熱狂的なオタクも、そうはいない。。 ブラピに…

映画『ゴーストランドの惨劇』の私的な感想―ハリウッドの惨劇を憂う皮肉な挑戦―(ネタバレあり)

Ghostland/Incident in a Ghostland/2019(カナダ、フランス)/91分 /強い既視感 /短いながらも、随所に強い既視感を感じるスリラーだった。 W主演のエミリア・ジョーンズは“ハリポタ”の頃のエマ・ワトソンそっくりだし、その母親役の歌手・ミレーヌ・…

映画『存在のない子供たち』の私的な感想―現実のシリア難民が最期に零す笑顔―

Capharnaum/2011(レバノン)/125分 /シリア内戦下の難民の実態 /大昔、女性に言われた台詞がある。 「人は、誰かに愛されたいから、誰かを必死に愛するのよ」 久しぶりの映画館で観たこの映画の間、そんな言葉が終始、頭の中を駆け巡っていた。

映画『マーターズ』の私的な感想―アンナの台詞に隠された本当の恐怖―(ネタバレあり)

Martyrs/2008(フランス/カナダ)/100分 /私的なベストスリラー映画 /この映画だけは胸糞なんて言葉じゃ、語りつくせない。 けれど大抵のレビューサイトでは、この映画の核心がイマイチ理解できてないような気がして。。 私的にはNo.1スリラー映画と呼…

映画『ハウス・ジャック・ビルド』の私的な感想―シリアルキラーが築く家族の風景―(ネタバレあり)

The House That Jack Built/2019(デンマーク、フランス、ドイツ、スウェーデン)/155分 /マザーグースの童謡 /何時の頃からか、ユマ・サーマンにはどうしても嫌悪感を感じてしまう。 ・・それが、屈折した自分の留学経験からの、強い白人コンプレックス…

映画『ウィッチ』の私的な感想―魔女の誕生秘話を紐解くシュールな異色ホラー―

The Witch / The VVitch: A New-England Folktale/2016(アメリカ)/93分 /魔女の誕生秘話 /“魔女狩り”と聴くと皆さんは何を思い浮かべるだろうか? ジャンヌ・ダルクの最期?グリム童話の世界? 中世ヨーロッパでは実際に盛んに行われてきたこの異端審…

映画『イット・カムズ・アット・ナイト』の私的な感想―赤い扉を開ける者―(ネタバレあり)

It Comes at Night/2017(アメリカ)/91分 /ホラーの定義 /ホラー映画の定義には色々ある。 物質的や感覚的な恐さを感じられるもの、或いは見る側が心理的な恐怖を感じられるもの。 自分のブログでは、規格外なグロ描写でもない限り、あえて悪魔やゾンビ…

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の私的な感想―渡辺謙から教わった事、神・ゴジラの誕生―(ネタバレあり)

Godzilla: King of the Monsters/2019(アメリカ)/132分 /芹沢教授の台詞 /ゴジラに政治を持ち込むとちょっとややこしくなる。 無口でコワモテ、それでいて何とも形容しづらいあの咆哮を聴くだけで、日本人がこの映画に秘めてきた哀愁のようなものを感…

映画『オーヴァーロード』の私的な感想―J・J・エイブラムスプロデュースの新境地―

Overlord/2019(アメリカ)/110分 /J.Jエイブラムスの新境地 /J・J・エイブラムスは期待を裏切らない。 本来ならそんな出だしで絶賛したいのだけど、彼にはちょっとした過失がある。 敬愛するドラマ『LOST』の製作総指揮から脚本、監督、音楽まで熟して…

映画『孤独なふりした世界で』の私的な感想―世紀末に本当の愛はあるのか?―

I Think We're Alone Now/2019(アメリカ)/93分 /孤独を愛する者 /『GOT』のティリオン役でも有名になったピーター・ディンクレイジは、何よりもその小さな背中から嫌みのない強烈な男の哀愁を感じさせてくれる。 それが『ハンドメイズ・テイルズ』でデ…

映画『魂のゆくえ』の私的な感想―宗教に縛られる者が見失っていく事―(ネタバレあり)

First Reformed/2019(アメリカ)/113分 /宗教に捕らわれる者の悩み /この映画のテーマでもある問題をちょっと昔に突きつけられた事がある。 幼少期よりアメリカの片田舎で、敬虔なバプテスト(キリスト教プロテスタントの一教派)の家庭にどっぷり浸っ…

映画『ザ・バニシング-消失-』の私的な感想―二つの金の卵が暗示するもの―(ネタバレあり)

SPOORLOOS/1988(オランダ/フランス)/106分/ /反社会性パーソナリティー障害を持つ男の真理 /子供の頃、ブランコを漕いでいる友人が、その手を放してしまう妄想を抱いた事はないだろうか? 半円を描く弧が次第に深くなっていき、彼らの目線の位置に大…

映画『ラストデイズ』の私的な感想―カート・コバーンが背負い続けた痛み―

Last Days/2005(アメリカ)/97分/ /グランジロックの原点 /心の奥底に潜めた怒りを綺麗に発散するのは結構難しい。 それが末期状態に陥った天才ミュージシャンの性なら尚更。。 カンヌでグランプリを獲得した『エレファント』に代表されるように、殺風…

映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』の私的な感想―ゾンビパロディに潜めた少年心―

Shaun of the Dead/2004(イギリス)/99分 /ゾンビ映画の王道セオリーを・・ /パロディ映画だが、なんだか愛おしくなる映画だ。 とりあえず、ゾンビ映画初心者には正にうってつけの愛情たっぷりな作品。 安いヒューマニズム?過酷なサバイバル生活? そ…

映画『運び屋』の私的な感想―老いを受け入れたイーストウッドが最期に辿り着いたもの―

The Mule/2018(アメリカ)/116分 /クリント・イーストウッドの告解 /破天荒に生きてきた人間ほど、その人生の最期を上手く締めくくろうとする。 それが贖罪の意識からくる懺悔なのは明白だが、とうとう往年の名優にして偉大な監督としての功績も上げて…

映画『ウトヤ島、7月22日』の私的な感想―史上最大の殺戮劇をワンカットで撮る意味―

Utøya 22. juli/2018(ノルウェー)/90分 /テロ事件を映像化する難しさ /この手の映画を観るには相当の気合がいる。 現に自分も一人では勇気が出せず、連れに付き合ってもらって観賞した。 77人の犠牲者と300人以上の負傷者を出したこの歴史上類を見ない…

映画『フェイク』の私的な感想―実話を元にしたオールドファッションタイプの男達の絆―

Donnie Brasco/1997(アメリカ)/126分 /どこにでもいる家庭的なイタリアンマフィア /・・映画紹介も1年を超えてきたので、これまで恐れ多過ぎて感想さえ手が出せなかった、アル・パチーノ映画をそろそろ。。 愚行を繰り返すがあまり、とうとうディズニ…

映画『セレニティー』の私的な感想―平穏の海のルールを破る者―(ネタバレあり)

Serenity/2019(アメリカ)/90分/90分 /現実では体験できないコト / ・・最近、面白い映画といい映画の違いがイマイチよく分からなくなってきた。 大勢の観客を納得させられれば面白い? 平和や人類愛なんかを訴えていればいい映画? 作り手側としては…

映画『海底47m』の私的な感想―禁断症状に陥った姉妹を襲うサメより怖いもの―

47 Meters Down/2017(イギリス)/90分 /減圧症と窒素酔いの恐怖 /ディープダイビングでは、1分間に18Mを越えないように浮上していかないといけないというルールがある。 これはダイビング経験者にとって生死を分けるポイントであり、麻痺や呼吸困難、場…

映画『ギルティ』の私的な感想―邪悪な蛇を認めた心に宿るもの―(ネタバレあり)

Den skyldige/The Guilty/2018(デンマーク)/88分 /ワンシチュエーションスリラーで見せる人の業 /ワンシチュエーションスリラー映画としては久々の大傑作。 人の持つ善意の裏で蠢く業をくっきりと浮かび上がらせてくる。 『フォーンブース』等に代表…

映画『インポッシブル』の私的な感想―津波に飲まれた楽園で込み上げる情動―

Lo Imposible/2012(スペイン)/113分 /大地震の前兆 /”スーパームーン”と聴くと、どうしても大地震を連想してしまう。 直接の因果関係は立証されていないにせよ、強まった月の引力は活断層になんらかの変化を与えてきそうだ。 この映画の元となる2004年…

映画『デイ・アフター・トゥモロー』の私的な感想―現実に近づく地球氷河期―(ネタバレあり)

The Day After Tomorrow/2004(アメリカ)/124分 /王道のディザスタームービー /ゾンビモノ映画に次いで自分が欠かさず毎年チェックしているのは、実は災害をテーマにしたディザスタームービー。 近年ではその陳腐なドラマ性のおかげですっかり見る気が…

映画『ファースト・マン』の私的な感想―アームストロング船長の空白の時間―

First Man/2018(アメリカ)/141分 /人類で初めて月に降り立った男 /“宇宙飛行士”という肩書には、無条件で惹かれてしまう。 それは夢想家の自分にとっての見果てぬ夢であり、永遠の憧れ。 宇宙モノ映画はそれだけで意識を幻想空間に飛ばしてくれるが、…

sponsored link