マリブのブログ

ニ匹ののら猫と一緒に随時三匹の飼い主を募集中の元帰国子女。。オススメの映画やドラマの感想を徒然に紹介しています。

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上映中作品

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の私的な感想―歴史を塗り替えるタランティーノの流儀―(ネタバレあり)

Once Upon a Time in Hollywood/2019(イギリス、アメリカ)/161分 /歴史に消えた悲劇への鎮魂歌 /遊びの過ぎるタランティーノ映画はあんまり得意じゃない。 けれど、彼ほど映画界をまるごと愛してやまない熱狂的なオタクも、そうはいない。。 ブラピに…

映画『野火』の私的な感想―人間の極地が生み出す地獄絵図。薄れゆく戦争の記憶―

Fires on the Plain/2015(日本)/87分 /戦争映画に求めるもの /終戦から74年の月日が経った。 けれど、この苛烈な戦争映画を見ようとする日本人は滅多にいない。 そんな自分も、この映画に手を出すまでには随分と長い時間がかかってしまった。 あまりに…

映画『ゴーストランドの惨劇』の私的な感想―ハリウッドの惨劇を憂う皮肉な挑戦―(ネタバレあり)

Ghostland/Incident in a Ghostland/2019(カナダ、フランス)/91分 /強い既視感 /短いながらも、随所に強い既視感を感じるスリラーだった。 W主演のエミリア・ジョーンズは“ハリポタ”の頃のエマ・ワトソンそっくりだし、その母親役の歌手・ミレーヌ・…

映画『アルキメデスの大戦』の私的な感想―菅田将暉の躍動感。戦争が生む集団心理の悲劇―

The Great War of Archimedes/2019(日本)/130分 /戦争映画のメインテーマ /戦争映画にアクションシーンはつきものだが、この映画はちょっと違う。 冒頭でいきなり沈没する戦艦大和のVFX以外に、山崎映画独特の迫力の戦闘シーンは殆どなく、彼の作品…

映画『存在のない子供たち』の私的な感想―現実のシリア難民が最期に零す笑顔―

Capharnaum/2011(レバノン)/125分 /シリア内戦下の難民の実態 /大昔、女性に言われた台詞がある。 「人は、誰かに愛されたいから、誰かを必死に愛するのよ」 久しぶりの映画館で観たこの映画の間、そんな言葉が終始、頭の中を駆け巡っていた。

映画『新聞記者』の私的な感想―地上波では放送できない日本の不都合な真実―

Journalist/2019(日本)/113分 /全国公開に漕ぎつけたポリティカル映画 /日本人はとにかく政治に疎い。 そんな中、ローバジェットな皮肉めいた作品ではなく、全国公開でこの手のどストレートなポリティカル映画がようやく日本でも日の目を見れた事は、…

映画『ハウス・ジャック・ビルド』の私的な感想―シリアルキラーが築く家族の風景―(ネタバレあり)

The House That Jack Built/2019(デンマーク、フランス、ドイツ、スウェーデン)/155分 /マザーグースの童謡 /何時の頃からか、ユマ・サーマンにはどうしても嫌悪感を感じてしまう。 ・・それが、屈折した自分の留学経験からの、強い白人コンプレックス…

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の私的な感想―渡辺謙から教わった事、神・ゴジラの誕生―(ネタバレあり)

Godzilla: King of the Monsters/2019(アメリカ)/132分 /芹沢教授の台詞 /ゴジラに政治を持ち込むとちょっとややこしくなる。 無口でコワモテ、それでいて何とも形容しづらいあの咆哮を聴くだけで、日本人がこの映画に秘めてきた哀愁のようなものを感…

映画『オーヴァーロード』の私的な感想―J・J・エイブラムスプロデュースの新境地―

Overlord/2019(アメリカ)/110分 /J.Jエイブラムスの新境地 /J・J・エイブラムスは期待を裏切らない。 本来ならそんな出だしで絶賛したいのだけど、彼にはちょっとした過失がある。 敬愛するドラマ『LOST』の製作総指揮から脚本、監督、音楽まで熟して…

映画『孤独なふりした世界で』の私的な感想―世紀末に本当の愛はあるのか?―

I Think We're Alone Now/2019(アメリカ)/93分 /孤独を愛する者 /『GOT』のティリオン役でも有名になったピーター・ディンクレイジは、何よりもその小さな背中から嫌みのない強烈な男の哀愁を感じさせてくれる。 それが『ハンドメイズ・テイルズ』でデ…

映画『魂のゆくえ』の私的な感想―宗教に縛られる者が見失っていく事―(ネタバレあり)

First Reformed/2019(アメリカ)/113分 /宗教に捕らわれる者の悩み /この映画のテーマでもある問題をちょっと昔に突きつけられた事がある。 幼少期よりアメリカの片田舎で、敬虔なバプテスト(キリスト教プロテスタントの一教派)の家庭にどっぷり浸っ…

映画『ザ・バニシング-消失-』の私的な感想―二つの金の卵が暗示するもの―(ネタバレあり)

SPOORLOOS/1988(オランダ/フランス)/106分/ /反社会性パーソナリティー障害を持つ男の真理 /子供の頃、ブランコを漕いでいる友人が、その手を放してしまう妄想を抱いた事はないだろうか? 半円を描く弧が次第に深くなっていき、彼らの目線の位置に大…

映画『ウトヤ島、7月22日』の私的な感想―史上最大の殺戮劇をワンカットで撮る意味―

Utøya 22. juli/2018(ノルウェー)/90分 /テロ事件を映像化する難しさ /この手の映画を観るには相当の気合がいる。 現に自分も一人では勇気が出せず、連れに付き合ってもらって観賞した。 77人の犠牲者と300人以上の負傷者を出したこの歴史上類を見ない…

映画『岬の兄妹』の私的な感想―タブーの限界にまで挑戦した役者魂と映画愛―

岬の兄妹/2018(日本)/89分 /役者魂と映画愛 /変わり映えのないポリコレ感満載の『グリーン・ブック』のエンドロールが流れるや否や席を立ち、“映画の日”にどうしてももう一本観ておきたかったのがこの作品。 演技バカ松浦裕也の久しぶりの新作とあれば…

映画『ギルティ』の私的な感想―想像力はどこまでが善で悪なのか?―

Den skyldige/The Guilty/2018(デンマーク)/88分 /ワンシチュエーションスリラーで見せる人の業 /ワンシチュエーションスリラー映画としては久々の大傑作。 人の持つ善意の裏で蠢く業をくっきりと浮かび上がらせてくる。 『フォーンブース』等に代表…

映画『バーニング』の私的な感想―村上文学で「僕」が抱えていた事―(ネタバレあり)

Burning/2018(韓国)/148分 /韓国人の感情 /エンドロールが流れた瞬間、唸ってしまった作品はかなり久しぶりだ。 村上春樹の世界にどっぷりハマっていたあの頃を、懐かしく思い出す。。 低迷を続ける『ウォーキング・デッド』から、結果だいぶ上手く卒…

映画『サスペリア』の私的な感想―リメイクされた本物のモダンホラー―(ネタバレあり)

Suspiria/2018(アメリカ、イタリア)/152分 /本当の狂気 /ホラー映画のリメイク物は大抵駄作に終わる。 それは恐怖の根本を蔑ろに、進化した映像処理に依存してしまう自分達の悪癖でもある。 78年のホラーの生みの親ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』に…

映画『バハールの涙』の私的な感想―戦場の女達が託す尊厳と希望―

Les filles du soleil/Girls of the Sun/2017(スイス、フランス、ベルギー、ジョージア )/111分/120分 / 実在のモデルとIS /ドキュメントのような悲壮感がたっぷり漂う作品だった。 中東の女達の悲鳴にも似た叫び声がしっかりと聴こえてくる・・

映画『万引き家族』の私的な感想―樹木希林からの遺言。ワーキングプアの実態―

Shoplifters/2018(日本) /圧倒的にひりついた痛みを感じる作品です。 “平成”の隙間に取り残された闇と“昭和”の温もりとの狭間で、現代社会に埋没している家族の一片を覗き込んでいるような感覚。 「是枝組」というアットホームな家族が紡ぎ出した明確な…

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