マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

上映中作品

映画『MOTHER マザー』の私的な感想―実話に基づく倒錯した聖母の祈り―(ネタバレあり)

MOTHER/2020(日本)/126分 /共感性ゼロのドラマ /大森立嗣という監督の事をもっと知りたくなった。 彼はこの映画で、どんなメッセージを伝えたかったのだろう? スクリーンの中でもんどりうつ様に試行錯誤する主演の彼女はおろか、この映画に出演してい…

映画『はちどり』の私的な感想―愛のない世界で叫ぶ少女―(ネタバレあり)

벌새/House of Hummingbird/2020(韓国)/138分 /言葉に出来ない想い /言葉に出来ない想いを表現するのが映画だ。 その上で、この作品ほど、文字に起こすのが困難な映画もめったにない。 新進気鋭の女流監督キム・ボラが、その少女期を自叙伝の様に綴っ…

映画『ナイチンゲール』の私的な感想―銃を向けた鶯達はなぜその引き金を引けなかったのか?―(ネタバレあり)

The Nightingale/2019(オーストラリア)/136分 /アボリジニの歌声 / 自分達が声と認識する“虫の音色”は、白人にとって雑音に聴こえるらしい。 これは古くから自然に畏怖の念を抱く、日本人だけが持つ特殊な感覚なのか。。 実のトコロ、この極めて左脳的…

映画『レ・ミゼラブル』の私的な感想―怒りのクラスター連鎖は何を生むのか?―

Les Misèrables/2020(フランス)/104分 /怒りのクラスター連鎖 / 新型コロナの爆発的な感染力が広がりをみせる中で、世界中に広がる不安。 テレビを付ければ、そんな対応の遅れを取った日本政府に対し、浅はかな予備知識と貧困な想像力をひけらかすメデ…

映画『ミッドサマー』の私的な感想―禁忌の異色ホラー。フォークロアに閉じ込めた凶悪な恋心―(ネタバレあり)

Midsommar/2020(アメリカ/スウェーデン)/148分 /禁じ手のホラー映画 / 傍若無人に鬱憤を映画で晴らすアリ・アスター監督がまたやってくれた。 冒頭の意味深なタペストリーから、天地逆転のカメラアングル。 ・・彼の抱える闇は、まだまだ深そうだ。。

映画『初恋』の私的な感想―三池ワールドの時代が駆け巡る。歌舞伎町ロマンスから零れ落ちる本物の純愛―

FIRST LOVE/2020(日本)/115分 /愛憎渦巻く真のエンターテインメント / 三池映画でこんなにもアドレナリンが出まくったのは久しぶりだ。 これぞ正しくザッツ・オール・エンターテイメント! 随所に遊び心もしっかり滲ませながら、ポップでクレイジーな…

映画『1917 命をかけた伝令』の私的な感想―110分間のワンカットで繋がれたもの―(ネタバレあり)

1917/2020(アメリカ/イギリス)/110分 /偏ったカタルシス / サム・メンデス監督の作品は、偏ったカタルシスが強い。 『ロード・トゥ・パーディション』では、疑似親子の確執を。 『レボリューショナリー・ロード』では、幻想夫婦の崩壊劇を。 自身の監…

映画『パラサイト 半地下の家族』の私的な感想―アジア映画初のオスカーの快挙!寿石(スソク)に込められた人の品格と染みついた貧乏の臭い―(ネタバレあり)

기생충/2019(韓国)/132分 /ジャンルに縛られない映画 / メイヤーの法則というものがある。 これは、“事態を複雑にするのは単純だが、単純にするのは複雑な作業である”という一種の哲学だ。 映画もこの法則の類に漏れず、監督の伝えたい事を単純化する…

映画『マリッジ・ストーリー』の私的な感想―冷静と情熱の間で立ち戻る女の分岐点―

Marriage Story/2019(アメリカ)/136分 /女の分岐点 / この映画を独りで見てしまった事を、後になって酷く後悔した。 “映画は誰かと一緒に見たい!”なんて世迷言は疾うに捨てたつもりだったけど、やっぱり女の分岐点を具に捉えたこの映画は、女性側の視…

映画『アイリッシュマン』の私的な感想―ギャングスターのリアルな不条理の世界―

The Irishman/2019(アメリカ)/209分 /アイロニカルなジョーク / マーベル映画を侮蔑した発言で批判を浴びた、マーティン・スコセッシの気持ちはよく分かる。 カラフルでスタイリッシュに彩られた刺激的なスクリーンの中では、彼らが映画に残したかった…

映画『ひとよ』の私的な感想―親から子へ受け継がれる因果の法則―

Hitoyo/2019(日本)/123分 /舞台から生まれた儚い親子の戯曲 / “親の因果が子に報う”なんて負の連鎖を象徴することわざがあっても、そこに希望を抱かせてくれるコトバは、どうしても思い当たらない。。 それは、元々仏教国な日本そのもののカルマ(業)…

映画『真実』の私的な感想―見えないものを撮る是枝流のもう一つの真実―

La vérité/2019(フランス/日本)/108分 /是枝裕和の海外デビュー作 ・・すっかり海外市場に目を向けだした是枝監督は、もう、邦画業界に未練はないのかもしれない。。 香港映画『十年』の日本版リメイクをプロデュースし、何かと海外志向が強くなってき…

映画『新聞記者』の私的な感想―地上波では放送できない不都合な真実―

Journalist/2019(日本)/113分 /全国公開に漕ぎつけたポリティカル映画 /日本人はとにかく政治に疎い。 そんな中、ローバジェットな皮肉めいた作品ではなく、全国公開でこの手のどストレートなポリティカル映画がようやく日本でも日の目を見れた事は、…

映画『岬の兄妹』の私的な感想―タブーの限界にまで挑戦した役者魂と映画愛―

岬の兄妹/2018(日本)/89分 /役者魂と映画愛 /変わり映えのないポリコレ感満載の『グリーン・ブック』のエンドロールが流れるや否や席を立ち、“映画の日”にどうしてももう一本観ておきたかったのがこの作品。 演技バカ松浦裕也の久しぶりの新作とあれば…

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