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映画『トンネル 闇に鎖された男』の私的な感想―韓国社会を皮肉る悲劇―



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Tunnel/2016(韓国)
監督: キム・ソンフン
主演:ハ・ジョンウ/ペ・ドゥナ、オ・ダルス

 人間愛に溢れたシチュエーションスリラー

韓国映画らしい人間味に溢れたスリラー映画です。

閉じ込められる系のシチュエーションスリラーは、棺桶に閉じ込められた男のスペイン映画『リミット』(2010)や、実際に起きたチリの鉱山落盤事故を描いた『チリ33人 希望の軌跡』(2015)等が有名ですが、この韓国映画にはその緊迫感だけでなく、閉じ込められた男を取り巻く人間関係や社会風刺までもが盛り込まれています。

 

実際に起きた系の映画ではありませんが、インフラ整備途中の慌ただしい過程やそれを取り巻く政権の対応などの描写を見ていると、近年その後の事故への対応と大統領の判断が大きな問題となったセウォル号沈没事故をどうしてもイメージしてしまいます。

 

急激な発展を遂げていく韓国経済の裏側で、あたかも起こり得そうな悲劇。

 

突然トンネル内に閉じ込められた男ジョンスの圧倒的な絶望感もさることながら、そんな彼の妻を演じるペ・ドゥナのシリアスな迫真の演技は、物語全体に漂う悲壮感をより一層際立たせています。

・・彼女、 山下敦弘監督の日本の青春映画『リンダ・リンダ・リンダ』(2005)に出演していた頃からずっと注目していたんですが、その線が細いながらも芯の通った真っ直ぐな芝居は中々の見応え。

ワンシチュエーションスリラー特有の閉塞感の中、その状況を取り巻く人々の温もりと苦悩がプラスされた奥行きのある映画です。

  

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―――幼い娘の誕生日に帰路を急いでいたハ・ジョンウ演じるジョンスは、車でトンネルにさしかかる。
すると突然の轟音と共に崩れ落ちるトンネル。
彼は車ごと土砂の中に埋もれてしまうが、運よく無傷のままでいた。
携帯から自分の生存を救助隊に知らせ一旦は安心するジョンスだったが、彼を待ち受けるその後の運命はあまりに過酷なものだった。

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 リアルな映像の質感と緊迫していくストーリー

この映画の最大の特徴は、ジョンスの孤独なサバイバルとその回りの人間模様

冒頭は救助隊による捜索を冷静に待っていた彼も、ジリジリと忍び寄る死の恐怖の中で、次第に平静を保てなくなっていきます。

そして食料や水が尽きた後の彼の究極の孤独は、想像するだけで正に鳥肌モノ。。

救助隊の隊長を演じるキム・デギョンとの間に生まれる深い絆、政府の見解に翻弄されながらも夫を想う妻の心境も実にリアルで切なく、自分の身に彼のその状況を置き換えてみると、ちょっとその精神力にはとても敵いそうにありません。

そしてこの映画が一風変わっている点は、ジョンスを追いつめていくその闇がワンシチュエーションスリラーの王道である閉塞感だけではなくその回りの人間たちの状況にもある点です。

無神経に加熱していくマスコミの報道や、平然と非情な決定を下していく政府の判断。

更に追い打ちをかけるような欠陥工事による致命的な救助の遅れに、ジョンスは次第に絶望に打ちひしがれてゆき・・

絶妙に現状の韓国社会を皮肉っている描写が数多く登場しますが、コレは国柄なんでしょうか?

先進国では考えられないようなミスや余りの人命軽視に不快感を感じながらも、韓国国民特有の逞しさと無骨な精神力が随所に垣間見える本格派スリラー映画でした。

 

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