マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第7話の私的な感想―マディソンの戸惑い―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode7/2018~(アメリカ)
製作総指揮 :ロバート・カークマン/脚本:メリッサ・スクリブナー・ラブ
出演:レニー・ジェームズ、マギー・グレイス、ギャレット・ディラハント、フランク・ディレイン、アリシア・デブナム=ケアリー、キム・ディケンズ他

 『LOST』からの俳優陣

ジョンとナオミのエピソードをこれまでたっぷり描いてきたので、そろそろアルにもクローズアップしてくれる事を密かに期待しているんですが。。


・・やっぱり、近いジャンルの職業の人間にはどうしても親近感が湧いてきます。

アルほど高尚なジャーナリズム精神は持ち合わせていませんが、ただ生きる為だけに必死にもがく人間たちの中で、この歴史の傍観者の様な立ち位置の人間ってこれまでのホラーでは殆ど見かけないキャラクターなんじゃないでしょうか?

そんな『LOST』から見事に成長したマギー・グレイスの芝居にも日々感心させられていますが、本来の主人公だったマディソンを演じるキム・ディケンズも実は同じドラマに出演していました。

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横に写るのは誰もが憧れたあの伝説のイケメン・ソーヤー

キム・ディケンズは彼が過去に結婚詐欺を働いた時の女性・キャシディとして何度か出演しています。

強烈なソーヤーのトラウマを描いたストーリーの中で、彼女の存在に酷く愛おしさを感じた視聴者も多かったんじゃないでしょうか?

 

あまりにも心が離れてしまった『フィアー』の俳優陣にも最初はそんなに落ち度はなかったはずなので、もう一度マディソンにも思い入れを込め直し、温かく見守っていきたいと思います。


 シーズン4第6話の感想はコチラ


以下、
『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第7話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 間違った認識

ジョンの脳裏にローラとの思い出が走馬灯の様に蘇る・・

 

アリシア達とハゲタカらの銃撃戦の中、ジョンを救出しようとするモーガンとナオミ。
彼女は救命道具をメルの車から取り出そうとするが、彼らは逃走を図る。
しかしその車にはアリシアが放ったロケットランチャーが命中し、万事休す。
アルは物陰に隠れそんな彼らを撮影している。

モーガンの説得で一旦手を貸す事を決めたアルは、アリシア達からジョンを救出。
モーガンはルシアナが撃つ事が出来なかったチャーリーも装甲車に乗せ、彼らは球場へと車を走らせて行く。。

 

球場の農園を耕しているニック達の元へ、独りで助けを求めにやってくるチャーリー。

 

ニックを殺害した自分を助けた真意を問うチャーリーに、「殺し合いを止めさせたい」と説くモーガン。
自分がジョンに残したスクラブルのメッセージを見つけたナオミは、「守ろうとすると、結局傷つけることになる」とモーガンに呟く。
アリシア達と敵対する事になった経緯をナオミに訪ねるアルには、チャーリーがその重い口を開く。

 

仲間割れの末事故にあっていたメルの元へ、マディソン達を連れてくるチャーリー。
ニックとアリシアは彼を救う事を訝しがるが、マディソンはメルを救護する事を決断する。

 

瀕死の重傷を負いながらも生き残っていたメルを見つけたアリシアは、そんな彼を躊躇なく殺害する。。

 

ナオミの手当てを受けているメルは、弟が球場を襲いにやって来ることを警告。
線路沿いのタンクから複数のハゲタカらのフラッグを見つけたマディソン達は、出来得る限りの警戒を強めていく。

メルの言葉に影響を受けたナオミは、球場を捨てる事をマディソンに提案。
しかし子供たちを失望させたくない彼女には、それを受け入れられない。

葛藤が生じ始めたマディソンは、不安の元凶であるメルを単独で追放する事を決意。

すると今度はそんな彼女の僅かな怯えをニックに指摘されてしまう。

チャーリーに懇願され再びメルを救いに出発したニックとアリシアは、入れ違いに彼の兄弟の一団と遭遇。
数台のトラックに無数のウォーカーを積んだ彼らはそれを球場前のゲートに解き放つ。
更に火炎瓶を使って炎を放ち、マディソンらは火のついたウォーカーに完全包囲されてしまう。

ウォーカーに取り囲まれた車内でアリシアはシーバー越しに、

「ママには悪いけど、アタシ達は正しいことをしたかったの」

とマディソンに告げる。

彼女は住民らの制止も振り切り、子供たちを助け出す為ゲートから外に出ていく。。

 

ジョンの手当の為、球場に辿り着いたアルたちの目の前に広がったのは、焼け焦げた無数のウォーカーが蔓延る死の世界だった・・・

 

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 ・・前半ラスト前で急激にストーリーを追いつかせてきましたね。。

冒頭のジョンの救出作戦が予定調和の様に見えてしまうのは、古参キャラの芝居の下手さもあるでしょうが、それでもイケメンホラースターのメルまであっさり殺しちゃうとは・・

本家のサイモンやギャビンの様に、悪役にもそれなりのバックグラウンドが見えてこないとサバイバル生活の緊張感が保てません。

 

ニックとアリシアのメルに対する気持ちの変化も、1話で説明するのはあまりに無理があり過ぎたんじゃないでしょうか?

そんな彼らの一挙手一投足に怯え、マディソンとナオミが親の在り方を模索するシーンも、本来は結構感慨深いシーンの筈なのにちょっと滑稽に見えてきてしまいます。

 

一つの場所に留まれば死ぬという彼らの原理も、説明不足の為か、流浪の民と定住者の概念の違いをただ無理矢理押し付けてきているだけのような気が・・

 

そして一番気になったのは、

「変化を拒むものは滅びる」

というメルの台詞。。

言いたいことは分かるけど、コレ、どうも政治臭が強すぎませんか?

 

頑ななまでに球場を守り抜こうとするマディソンの姿に、意図的な保守派勢力に対する批判を盛り込んできている様な気がしてきます。

この手のプロパガンダは設定の浅いキャラに言わせると、ちょっと醒めちゃうんですよね。。

「やっぱり、ニックの存在って偉大だったんだなあ・・」

なんて追想しながら、彼の退場が未だに悔やまれてなりません。。。

もう今後は、一番細かい芝居の巧みなジョンの復活に全ての希望を託すしかないかと! 

 

・・で、結局、ナオミは何でハゲタカに合流してたんでしたっけ・・?

シーズン4第8話の感想はコチラ

 

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