マリブのブログ

ニ匹ののら猫と一緒に随時三匹の飼い主を募集中の元帰国子女。。オススメの映画やドラマの感想を徒然に紹介しています。

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『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第4話の私的な感想―彼の死を振り返って―(ネタバレあり)

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Fear the Walking Dead Season4 Episode4/2018~(アメリカ)
製作総指揮 :ロバート・カークマン/脚本:アレックス・デライル
出演:レニー・ジェームズ、マギー・グレイス、ギャレット・ディラハント、フランク・ディレイン、アリシア・デブナム=ケアリー、キム・ディケンズ他

 ジャーナリスト目線からのアポカリプス

ニックの死で大分翻弄されてしまった前回までのエピソードを少し冷静に振り返ってみると・・・

今回のシーズンはミステリー色を強めてきただけでなく、なんだか社会派ドラマの様な様相を見せ始めてきましたね。

 

現在と過去をクロスカッティングさせ、それぞれに垣間見える謎に興味をそそらせる手法は、あの『LOST』以来受け継がれてきた長期ドラマの常套手段ですが、今回の『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』ではそれにもう一つ新たな試みが加わっています。

 

現実の世界では死亡してしまったニックも、今後回想シーンに登場させることにより視聴者はより感情移入を深めていき、同じ回想シーンにしか出てこないマディソン等への行方にも妄想が膨らみますが、ここで大事になってくるのは現実とのリンク。

単純な様で意外に難しいこのレトリックは、互いを繋ぐものがないと実は成立しません。

 

そこで重要になってくるのがやはりアルの存在

 

色調を変えた過去と暗い現実とのカットバックの合間に度々登場するドキュメンタリー風のアルのビデオカメラ映像は、二つの対比した心象風景をフラットな視点で視聴者に覗き込ませる報道のありかたそのもの。

 

一見無価値にも思えるこのジャーナリズム精神が、崩壊した世界の中で人間らしさを模索する過程にどこまで影響を及ばせられるのかちょっと見物です。


 シーズン4第3話の感想はコチラ 


以下、
『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』シーズン4第4話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。



 

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 埋葬

冒頭はニックの死のタイミングにアルが記録していたビデオカメラ映像から。

アリシア達の胸中を察し、彼らにカメラを向ける事を自粛していたアルに、ストランドは自らインタビューを申し入れる。
躊躇しながらもカメラを回すアルに、少しずつ過去の出来事を語り出し始めるルシアナ。

 

・・それは彼らが目の当たりにしてきた人々の醜態

野球場を取り囲むハゲタカらの様子を双眼鏡で見ているルシアナ。
困窮を極めていく野球場ではマディソンの提案から、それぞれが食料調達に出発。
ストランドはコールと、ニックはルシアナと、アリシアはナオミとそれぞれ組んで車を走らせる。

古びたビニールハウスでウォーカーに襲われるストランド達。
彼の脳裏を歪んだ思いが掠める。

図書館にやってくるニック達。
ルシアナは食料のない場所での危険に戸惑いながらも、ニックの思いに付き従う。

アルのカメラに向かい、チャーリーの為に野球場に本を集めたかったニックの理想を止められなかった自分を悔やむルシアナ。

ニックを助けられなかった後悔から、再び一人旅立つ決心を固めようとしているモーガンを諭すジョン。

場の空気を感じカメラを止めようと気遣うアルに、アリシアも尚も語り出す。


ウォータースライダーが立ち並ぶレクリエーション施設にやってきたアリシア達は、スライダーの乗り口に生存者達が作ったバリケードを見つけ、そこへ向けて上り始める。

ストランドは自分がコールを避けていた理由を語り出す。
それは弱く臆病な過去の自分。

スライダーから滑り落ちてしまうハプニングを乗り越え、アリシア達は物資を漁っている。
駐車場に停めてあった車の鍵を見つけたナオミは、アリシアの気をそらし独りで逃げ出していく。。

廃車場にやってきたストランドは、貯め込んだ食料が隠してある車までコールを連れてゆき、2人で逃げ出す計画を持ち掛ける。
彼の浅ましさ知ったコールは幻滅し、ストランドを残し一人帰路へ着く。

ガス欠で動かなかった車の前で、ナオミの虚しさを目の当たりにするアリシア。
生き様に苦しみ母の元を去った過去の自分とナオミを重ね合わせた彼女は、それを受け入れる。

・・やがてニックとの回想を再び語り出すルシアナ。

自殺した形跡のあるウォーカーから、地図を持ち出すニック。
ルシアナはその地図で最初に開いたページの場所へ逃げ出し、皆ともう一度やり直す事を彼に提案するが・・

野球場の前で対峙するマディソンとメル。
メルは自分たちもマディソン達と同じように、協力して生き抜いてきた過去を語る。
しかし、それでは生き残れなかった人々の話も・・・

彼らが野球場を出るきっかけとなった現実をアルはストランドに確認するが、それを彼は否定する。

バックミラー越しに、物資の中のウィスキーを見つめているストランド。
野球場から逃げ出すルシアナの提案を、遠距離への物資調達のアイデアとするニック。
看護士の勘から危険を察知していたナオミも、マディソンが唱える希望に託し、彼らの居場所に診療所を作る事を決める。

その決断が全ての間違いだったと悔やむ3人。

やがて彼らはアルのカメラの前で、それぞれの本音を吐き出す。

アリシアはそれでも母の夢を信じたかった事を。
ルシアナはニックと共に立ち向かいたかった事を。
ストランドはマディソンの健気さに寄り添いたかった事を。

そして彼らがそんな希望を抱いたせいで、ニックを失った事も・・・

アルはカメラを止め、無言のままそれを床に置く。。。

 

月明かりの中、アリシア達が地面を掘っている。
するとそこから出てくるのは銃器の数々。。

ニックの埋葬場所を探していたと騙されたアルたちは彼らを問いただすが、

「真実が見たいのなら、結末を自分で確かめろ」

とストランドに告げられるアル。

ジャーナリストの立場から、彼らの復讐に手を貸すつもりのなかった彼女だったが、ようやく顛末を最後まで見届ける覚悟を決める。

モーガンに諭されその場所にニックの遺体を埋葬するアリシア達。

 

彼女達が掘り起こした私物の中から、ローラに託したリボルバーをようやく見つけ出したジョンは戸惑いを隠し切れない。。

真夜中の野原でモーガンの台詞を反芻するジョン。

「あんたは正しい、みんな一人だ」

モーガンは返す言葉もなくその場に佇んでいる。。。
 

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 ・・あまりの完成度の高さに、これが『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』である事を忘れてしまいそうです。。

「誰も今日は生き物を殺さない」

なんて言い出すマディソンには相変わらず興醒めしてしまいましたが、それを覗けばこのエピソードは正にパーフェクト

秀逸なレトリックが古参メンバーが感じてきた人の心の闇を微妙に映し出し、アルのカメラ視点で展開されていくそれぞれの思い出が結末のミスリードを誘発させていく奇抜なアイデア。


棘付きウォーカープールウォーカーという新しいゾンビの提案も中々面白く、それでいて新規メンバーのバックグラウンドもきちんと説明されています。

警察官だったジョンがアポカリプスな世界になる前の過去を語り、

「どんなことがあっても人は簡単に変わらない」

なんて嘯く様子には、彼のぶっきらぼうだが心根の優しい裏のキャラクター設定が垣間見え、車に詳しい?ナオミの看護婦上がりのエピソードには、女性の強さと現実主義な側面がしっかり伺えます。

 

これ本当にあの『フィアー・ザ・ウォーキングデッド』

 

と何度も自分に問い直してしまう程に構成が素晴らしく、終盤にかけて惰性の目立った本家の方のエピソードと合わせても、中々ここまで見応えのあるストーリーは思い浮かびません。

ナオミのキャラが少々本家のキャロルに被って見えてきましたが、ジョンが相手なら文句はつけようがないでしょう。

彼女の死亡説をアリシアが唱えていましたが、信じません。
ジョン同様、二人が再会する日に希望を持ち続けます!

 

・・やっぱりアルのビデオカメラ映像は、この手の世界を描く上でかなり新鮮でより退廃感を身近に感じやすくなる工夫な気がします。

 

例えるなら『Rec』『モンスターズ』のようなあのPOV視点で視聴者と同じ目線に世界を持っていくような雰囲気。

 

マディソンの安否は最早どーでもいーですが、過去に囚われたアリシア達が新メンバー達の人間性によってそこからどうやって抜け出してゆくのか?・・或いはニックの後を追ってしまうのか・・?

もう想像しているだけで、仕事が手に付かなくなりそう!

 

・・でも、、

そろそろ誰かダニエルについて、言及してあげてもいいかなぁ・・・

シーズン4第5話の感想はコチラ


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