マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

映画『閉ざされた森』の私的な感想―トリッキーな口癖の男の正体―

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Basic/2003(アメリカ)/98分
監督:ジョン・マクティアナン
主演:ジョン・トラボルタ/コニー・ニールセン、サミュエル・L・ジャクソン

 複雑極まりないストーリー

もう10回以上は観たでしょうか、この作品は。。

最初、サスペンスなのかスリラーなのかよくわからず見てしまったんですが、正直かなりアタマが痛くなりました。。

見返す度に新たな発見があり、その練りこまれた脚本には本当に感服します。

ただ登場人物と叙述トリックの多さに、頭の悪い自分じゃついていけません。。

寝不足な方、単純に娯楽を楽しみたい時には見ない事をオススメします。 

初めて観る方は、人物関係をメモしながら観た方がいいかも。。。

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物語はパナマの米軍基地で、嵐の中特別訓練を行っていた7人のレンジャー部隊が消息を絶つトコロから始まります。

―――2名が救出され、1人は死亡。隊を率いていたウエスト軍曹以下残る4名の行方を探る為、オズボーン大尉は基地を指揮しているスタイルズ大佐の命によって派遣された元レンジャー部隊隊員トム・ハーディの力を借り2人を尋問していく。
しかし彼らの証言は食い違い、その矛盾の裏には巨大麻薬組織の影が潜んでいる事が明るみになってゆくが・・

・・正直もうこの時点で、誰が生き残ったのか、誰が死んだのか、誰が行方不明になったのかを追うだけで必死。。

しかし、嵐の夜の閉ざされた軍事基地という設定の中で、繰り広げられる彼らのマインドゲームは実に巧妙で、気が付くと画面に釘付けになっている自分がいます。

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 「ラスト5分の衝撃」に向かって全ての謎が繋がっていく・・

 監督のジョン・マクティアナンは『プレデター』『ダイハード』シリーズ等のアクション作品の名手で、森の中でのレンジャー部隊の回想シーン、軍隊生活の時のサバイバル描写等はかなりリアル

暗い映像と息詰まる展開で、オープンでの撮影なのに何処か閉塞感を漂わせ、次第に人間不信になってゆくレンジャー達の緊迫感をうまく表現しています。

そしてそんな中でも一番光ったのは、 ジョン・トラボルタの軽妙な台詞回し

『サタデー・ナイト・フィーバー』以降、どうもB級映画俳優の代名詞のようなイメージがついてしまった彼ですが、この作品ではそのシニカルでトリッキーな魅力が逆にミステリアスなストーリーの中和剤となっていて、物語をテンポよくブラッシュアップ。

中でも秀逸なのは彼のその尋問テクニック

アメリカの典型的なグッドコップ・バッドコップ戦術を巧みに引用し、相手を信用させる為あえて相方の女大尉を手玉に取りながら容疑者から真実を引き出してゆく話術テクニックには、脚本家の並々ならぬこだわりが感じられます。

主役がトリッキーだけど人間味溢れるな設定なコトで、どうしても複雑に絡み合っていくストーリーの中で彼が居心地よく感じられてしまいますが、この作品では実はそれさえも伏線・・

 

「いったい、幾つのトリックが散りばめられているんだろう・・?」

 

なんてちょっと感心させられますが、少々無理のある人間関係のつじつま合わせにさえ目をつむれば、津波の様に押し寄せるミスリードとの駆け引きを存分に楽しめる作品です。

 

『閉ざされた森』
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