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ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

『ウォーキングデッド』シーズン9第10話の私的な感想―アルファ達の過去―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season9 Episode10/2019~(アメリカ)
脚本:チャニング・パウエル
出演:ノーマン・リーダス、アラナ・マスターソン、ナディア・ヒルカー、キャサディ・マクリンシー、サマンサ・モートン

 新キャラの人物像

ウォーキング・デッド』も今年でいよいよ9年目

3部作での映画化の話スピンオフシリーズ等、次々に派生していくアポカリプスな世界はまだまだ今後も途切れることなく続きそうです。

最近ではロシア版ウォーキング・デッドと呼ばれる『デイ・アフターZ』や、韓国版ウォーキング・デッドと呼ばれる『キングダム』等、その世界観を各国で表す類似作品も大分増えてきました。

正直、忖度の激しい最近の『ウォーキング・デッド』からは心が離れがちなものの、やっぱりこのシリーズを上回るゾンビドラマは中々登場しません。

それはどうしても消せない古参キャラクター達への愛着からくる感覚なのだけど、そろそろ新キャラにもしっかりクローズアップしていってほしいな。

 

リック亡き後の主役に躍り出そうなニーガンの贖罪は、ダサイダブルのライダースジャケットをシングルに変え、更には愛くるしいジュディスとのミスマッチなコンビが傑作なので、もー赦しちゃうとしても、ダリルとヘンリーには根本的に共通点が少ない為、イマイチのめり込めません。

更に唯一のお気楽キャラに育ってくれたタラまでが、ガバナーと出逢った頃そのまんまのシリアスキャラに戻ってしまっているような気がして・・

この辺の登場人物の性格を、もうちょっとブラさずに成長させていってほしいなぁ。。

出番の増えてきたヒルトップのマルコとカル、あと、いきなりゾンビ化後に登場してきたサンクチュアリのビック・リッチーなんかも、もうちょっとその人物像を計画的に膨らませていってくれたら面白かったんだけど。。

 シーズン9第9話の感想はコチラ


以下、
『ウォーキングデッド』シーズン9第10話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 操られた記憶

ボルチモアでの避難指示を受け、地下にその身を潜めている家族。
23日にも及ぶ閉鎖された空間での生活から、その父親のフランクは不安を覚え始める。
幼き日のリディアは、優しい母親アルファの胸に顔を埋め、その彼女の子守唄に耳を傾けている。。

 

その瞳を思い出しているリディア。
独房の中で捉えられているヘンリーと互いの両親の過去を語り出す。。。

森の中をルークの救出に向かい歩き回るタラ達。
やがてウォーカーの一団に遭遇するが、そこにウィスパラーズの姿はない。
タラは危険を察し一時的に撤退を決断。
ケリーはそんな彼女に不満を露わにしながらも、コニー達に促されるままヒルトップへと戻っていく。

リディアの身を案じ卵を差し出そうとするヘンリー。
しかし「空腹こそが贈り物」という父親の言葉を思い出し、彼女はそれを受取ろうとはしない。

 

救援物資が底をつき始めたフランク達は、その苛立ちを徐々に募らせていく。
ハサミを手にアルファの好みだった髭を切り出すフランク。
リディアは一抹の不安を感じつつも、優しく抱きしめてくれるアルファの腕の中で、そんな父親の様子を見守っている。

 

ヘンリーはリディアの心を開く為、キングダムに住む自分の父親代わりのエゼキエルの事を語り始める。
しかしそれを聴いていたダリルは、その会話を遮断。
ヘンリーを表に連れ出し、自分達が彼女のグループの正体を暴く為にその様子を伺っている事を告げると、彼はショックのあまりそのまま立ち去ってしまう。

やがてリディアの独房へとやってくるダリル。
ルーク達の馬が惨殺されていた事を彼女に語り、ウィスパラーズの真意を探ろうとするが、彼女は多くを語ろうとはせず、その母親の事も打ち明けない。

 

避難所の中では仲間の一人、マティアスが追い詰められ発狂寸前。
そんな彼に危険を察し、アルファは男の喉元を押さえつけいよいよ殺してしまう。
怯えるリディアを抱きしめ、子守唄を唄っているのは父親のフランク。
しかし彼もまた変化していくアルファの様子に、その不安を隠し切れない。

 

リディアの耳の怪我の薬を彼女の足元に投げつけるダリル。
彼女は怯えながらもそれを手繰り寄せ、ダリルに水を求めるが。。
ダリルの不意を突き攻撃をしようとするリディアを彼はしっかり予期していた。
しかしその捕まえた腕に虐待の痕跡を見つけると、彼は言葉を失う。

ダリルは自分の過去を思い出し、リディアの受けた暴力の相手を問いただす。
彼女は母親からの折檻を告白した上でも、その彼女を攻めようとはしない。
それは、彼女が母親から教わった通り、生き残る上で必要な体罰だったと。。

 

夜中に目覚めたリディアは、母親が殺したマティアスの元へと向かう。
しかしウォーカーと化したその彼は、ゆっくりと起き上がり彼女を襲おうとする。
やがてその叫び声を聴きつけたフランクは彼女を救い出すが、その代償に喉元を噛みちぎられ絶命する。。

 

ルークの身を案じ、マグナに救出を促すユミコ。
しかしマグナはタラの決定に反する事を危惧し、腰を上げようとはしない。
それでもコニー達の賛成に押し切られ、マグナ達は夜中にヒルトップをこっそりと抜け出していくが。。

リディアの元から戻って来たダリルを待ち伏せるヘンリー。
彼はダリルにリディアをウィスパラーズから助け出す様進言するが、ダリルは未だにその警戒心を緩めない。
やがてダリル達の会話を盗み聴いていたヘンリーは、彼女の受けた虐待の真偽を問いただす。。
そしてヘンリーは、母親代わりのキャロルが元のDV夫の暴力から逃れる為、彼女が髪を伸ばさなかった過去を語り始める。。。

森の中でウォーカーの足跡の異変を察するコニー。
マグナとユミコもその危険性を察知し、彼らは再びヒルトップに戻る事を提案する。
しかしその決定にケリーは反発。
彼女は“コールポート”からの脱出時に、独りぼっちだった自分を見つけだしてくれたルークの過去を語り出す。
やがて涙ながらにルークの救出を訴えだす彼女をコニーが宥め、マグナとユミコはその場を後にする。
・・そんな彼らの様子を、遠くから見つめているウィスパラーズの姿。

夜中、牢の鍵を開けリディアを外に連れ出すヘンリー。
彼女が長年のサバイバル生活から躊躇せずミミズを食べる姿をヘンリーは見ると、彼は怖気づきながらもそれを真似る。
リディアにヒルトップの住人の優しさを説くヘンリー。
しかしそんな彼の隙をつき、リディアは金槌を手に握る。
そして彼女がヘンリーを背後から襲おうとした瞬間、何処からか赤ん坊の泣き声が聴こえてくる。

リディアの脳裏を掠めるアルファのフラッシュバック

 

冒頭で苛立ちを募らせていたのはアルファ。
彼女は不安げに見つめるフランクたちを横目に、長い髪を剃り丸める。

 

リディアは急に怖気づき、ヘンリーに自分を牢屋に戻す様に告げる。
翌朝ダリルが牢屋へとやってくると、怯えるリディアに寄り添うヘンリーの姿が。
リディアはようやくダリル達に真実を語り始め、アルファの冷情性を打ち明ける。
そしてルーク達がもし捕まっているのだとすれば、彼女達が生かしておくわけがない事も。。

 

ウォーカーと化した仲間の姿を見て叫び声を上げるリディア。
しかしそこから助け出したのは父親のフランクではなく、別の男
やがて次々にウォーカーに襲われる仲間の様子を見て、フランクは彼らを助け出そうとする。
アルファはそんなフランクに見切りをつけ、彼の胸元にナイフを差し込む。
そんな様子を茫然と見ている事しかできないでいるリディア。
アルファはそんな彼女を横目に、自分の唇に指を押し当てる。。。

 

街を抜け出してルーク達の行方を追った事をタラに謝罪しに行くユミコ。
しかしタラは門番からの連絡により、その一部始終を察知していた。
タラは彼女達の持つその不満と不安を推し量った上で、それを受け入れる。
やがてヒルトップのガードに等に連れられ戻ってくるケリー達の背後から、突如として現れるウィスパラーズの姿。
コニーは咄嗟にトウモロコシ畑にその身を隠すが、ウィスパラーズをかき分け門の前にやってくる坊主頭のアルファは、彼女達をゲートから見下ろすダリルたちに愛娘のリディアの開放を要求した。。

 

 

 

 

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 ・・なんだかちょっと難しいエピソードでした。。

製作陣の焦りからくる端折りなのか、それぞれの新キャラにまつわるストーリーがちょっと雑に感じます。

冒頭からいきなりアルファ達の過去エピを見せてきたのにもびっくりしましたが、結局リディアの思い出はアルファによる洗脳なのか、自分を守る為に創り上げた妄想なのかイマイチはっきりとしません。

 

というより、原作を知らない人達には、アルファの名前さえピンときてない筈じゃ・・

彼女を演じるサマンサ・モートンの表情があまりに能面過ぎて、その心情の変化もイマイチよく伝わってきません。

 

・・なんだか、原作のアルファのかなり偏った倒錯具合を知っちゃってるコアなTWDファンは、ちょっと置いてきぼりな感じ・・・

 

ミショーンやキャロルたち古参メンバーのエピソードをバッサリ落して、リディアに注目を集めさせる勇気は感じますが、それでもマグナ達のエピソードとはやっぱり分けた方がよかったんじゃないでしょうか?

ケリーのルークに対する思いも、何だかちょっと中途半端。。

マグナよりも数段正義感溢れるユミコのキャラクター自体は十分伝わりましたが、その救出作戦を決行する意思も、思い留まる判断も、どちらも尺が短過ぎて安易に感じてしまうのは自分だけでしょうか?

 

それでもヘンリーを媒介にしたダリルとリディアの共通点には、少しグッときました。

互いに親から受けた虐待により深く心を閉ざしてしまった二人には、これからその結びつきをより深めていってくれる事を期待してしまいます。

・・とすると、ニーガン&ジュディスの新コンビに匹敵させようとしているのは、ヘンリーじゃなくてリディア&ダリル

幼いティーンエージャーむきだしの正義感を持つヘンリーは、やっぱり、この手のアポカリプスな世界ではどうしても生き残れないんでしょうか・・?

・・まあ、非業の死を遂げたカールの身代わりに、彼に過剰な期待を寄せている自分がバカなだけなんですがw

 

今後はアルファからの教えだった「意思を持てば死ぬ」というウィスパラーズの歪んだ掟の真意を掘り下げていくんでしょうか?
 

1人だけはぐれちゃったコニーは、その後を追ってベータあたりと結びつきが深くなっていくのでしょうか?

 

・・やっぱりマギーの突然の降板劇で、真面目キャラに急遽スイッチせざるをえなくなってしまったタラは、シーズン9序盤の頃の気の抜けたキャラのままでいてほしかったな。。。

予告を見る限り、ダリルはどうやらガチでリディアの親権をアルファと争う姿勢のようですね。

いくら倒錯した親でもリディアが簡単にダリルについていくとは思えませんが、これによって誰かが犠牲になるのもTWDの鉄則。

・・イーニッドには可哀そうだけど、マギー亡き後存在感の薄いアルデンあたりで勘弁してもらえないかな。。

ルークの音楽は、この荒んだ世界の中ではまだ必要です!

シーズン9第11話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

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