映画スタッフが厳選する名優達の初期の熱演
12月に入り、話題作が目白押しだった2018年の映画館にも陰りが見え始めた今日この頃。。
自分が契約しているHulu、Netflix、Amazonプライムの３つのＶＯＤサービスの中で、嬉しいセールが開催されたので思わず衝動買いしてしまいました。。。
7日からのAmazonサイバーマンデー、BD/DVD 6枚選んで3,000円の「どれ6」セール https://t.co/4iZavVmwug pic.twitter.com/6JIbAwKcMG
— AV Watch (@avwatch) 2018年12月3日
Amazon.co.jpは、12月7日18時～11日1時59分まで、80時間実施するビッグセール「サイバーマンデー」において、全600タイトルの海外映画のBlu-rayとDVDから、6枚選んで3,000円で購入できる「どれ6」セールを実施する。
プライム会員限定のサービスですが、通常1000円以上のBlu-ray＆DVDが6本まとめて3000円という手ごろ感もあってか、自分の回りの独り身の寂しいスタッフ達は細やかな自分への褒美と称し、今このバーゲンにかなり夢中ですw
そんな仲間達からの煽りを受け自分が今回厳選してみたのは、映画マニアならずとも何度も見返して観たくなるような隠れた名作。
様々な理由でイマイチ日の目を浴びれなかった作品群の中でも、近年トップスターとなった俳優陣のそれぞれの初々しい演技はかなり光ります。
映画コレクターにはお馴染みのラインナップかもしれませんが、クリスマスを間近に控えた寒い夜に、昨今の映画界でもよく感じられるようになった既視感の原点を探ってみるなんてどうでしょう？
サイバーマンデー特別企画「どれ6」対象BD、DVDを6枚組み合わせて買うと3000円
- 映画スタッフが厳選する名優達の初期の熱演
- ⑥『 バスケットボール・ダイアリーズ』
- ⑤『 プールサイド・デイズ』
- ④『メンフィス・ベル』
- ③『存在の耐えられない軽さ』
- ②『ラストキング・オブ・スコットランド』
- ①『L.A.コンフィデンシャル』
⑥『 バスケットボール・ダイアリーズ』
監督：スコット・カルヴァート
出演：レオナルド・ディカプリオ、マーク・ウォールバーグ他
史上最年少でピュリツァー賞にノミネートされたジム・キャロルの半生
ディカプリオがただの美少年ではない事を証明してくれた作品。
タイトルからするとどうしてもスポコンドラマの様に感じてしまうかもしれないが、中身はドラッグに依存した少年が男娼にまで身をやつしていくその葛藤の日々を描いている。
その凄まじいまでの彼の落ちぶれ様はハンパじゃないが、当時まだ21歳だったディカプリオの熱演は、在りし日のリバー・フェニックス、或いはニルヴァーナのヴォーカルだったカート・コバーン等のそれをも彷彿とさせてくる。
19年ぶりに『ディパーテッド』で再共演したマーク・ウォールバーグのジャンキーぶりも中々に見事だが、カトリック系の高校に通う純粋な少年の危うさはかなりのリアルな質感を保っている。
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⑤『 プールサイド・デイズ』
監督：ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ
出演：リアム・ジェームズ、トニ・コレット、サム・ロックウェル他
淡い青春の思い出をたっぷり詰め込んだ名作
中二病全開の映画と言ってしまえばそれまでだが、内気なオタク少年の一夏の夢がこの作品には全て詰まっている。
親の都合から始まり、うらぶれた夏休み、淡い恋心、少しの冒険と、オーソドックスではあるが正に王道の青春要素がたっぷり詰め込まれたこの映画の一番の見所は、何と言ってもダメなオトナを見事に演じきったサム・ロックウェル扮するオーウェンとの出逢い。
彼のユーモアセンスは多感な時期の少年が憧れるにはピッタリだが、その上で自立した大人としての哲学もナイーヴな主人公に等身大できっちり伝えてくれる。
『スリー・ビルボード』等ではレイシズムと人間愛の狭間で葛藤するバッドコップを熱演したが、彼の最たる才能の一つは嫌味のない純真さからくる毒気をオブラートに包まず曝け出せてしまうその圧巻の演技だろう。
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④『メンフィス・ベル』
監督：マイケル・ケイトン＝ジョーンズ
出演：マシュー・モディーン、エリック・ストルツ、テイト・ドノヴァン、ビリー・ゼイン、ハリー・コニック・ジュニア他
大戦期の幸運を呼ぶ爆撃機の逸話
スピルバーグの『プライベート・ライアン』や『プラトーン』から始まるオリバー・ストーンのベトナム戦争三部作の影に隠れあまり注目はされなかったが、実話をモデルにした戦争映画の中で一際記憶に残っているのがこの作品。
第二次世界大戦中、イギリスに駐留していた“メンフィス・ベル”と呼ばれるアメリカ第8空軍所属する幸運の爆撃機の逸話を描いたこの映画は、戦時下の軍人たちの儚さをつぶさに伝えてくる。
『フルメタル・ジャケット』の主人公マシュー・モディーンや『タイタニック』でディカプリオの恋敵を演じたビリー・ゼイン等、個性的な顔立ちの俳優陣が揃ったのも特徴的だが、その中でも一番印象に残っているのはハリー・コニック・ジュニアのピアノソロ。
『恋人たちの予感』ではグラミー賞を手にした多彩な才能を誇る彼が弾き語るアイルランドの民謡「Danny Boy」は、疲弊した大戦末期の厭世観をストレートに響かせ観客の心を抉ってくる。
劇中に使われたモノクロの実写映像は、『ローマの休日』でハリウッド黄金期を築き上げた監督ウィリアム・ワイラーが戦時中実際の爆撃機から撮影した映像でもある。
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③『存在の耐えられない軽さ』
監督：マイケル・ケイトン＝ジョーンズ
出演：ダニエル・デイ＝ルイス、ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン他
冷戦下のチェコを題材にした男女の群像劇
プラハの春を描いた作品の中では群を抜いた秀作。
社会主義体制下で巻き起こる民主化運動の熱気の中で、生き方を模索する主人公の少女テレーサの逡巡ぶりはたまらなく愛おしく、そして切ない。
彼女を演じたジュリエット・ビノシュは当時まだデビューしたての新人女優でありながら、体当たりの演技で真の通った糾弾者を熱演し、その後、ベルリン、カンヌ、ベネツィアの世界三大映画祭すべての女優賞を受賞する名女優にまで上り詰めている。
そしてそんな彼女の夫を演じるダニエル・デイ＝ルイスも、『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『リンカーン』等の重厚な演技でアカデミー主演男優賞を3度受賞した唯一の俳優となったが、この作品で彼がみせる存在感はそれとは180度真逆の色っぽさ。
天性のプレイボーイな彼の情事は同性から見てもあまりに艶めかしいが、何よりもその波乱に満ちたラストには、171分にも及ぶ長尺の疲れが吹き飛んでしまう程愕然としてしまうだろう。
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②『ラストキング・オブ・スコットランド』
監督：ケヴィン・マクドナルド
出演：フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイ他
アフリカの地に蠢く憎悪
ウガンダで実際に起きた惨劇の一部始終をフィクションを交えて描いた問題作。
詳しい解説はコチラの記事に掲載しています。
①『L.A.コンフィデンシャル』
監督：カーティス・ハンソン／原作：ジェイムズ・エルロイ
出演：ケヴィン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ジェームズ・クロムウェル、キム・ベイシンガー他
『タイタニック』の影に霞んだ衝撃のクライムサスペンス
LAに実在したマフィアのボス・ミッキー・コーエンの逮捕により明るみになったロス市警の腐敗の実態を描いたクライムサスペンス。
ニュージーランド生まれのラッセル・クロウがこの作品でハリウッドデビューを果たした作品としても有名だが、往年の女優ヴェロニカ・レイクを彷彿とさせる高級娼婦を演じたキム・ベイシンガー、テレビドラマのテクニカル・アドバイザーとして活躍する裏で汚職に塗れた悪徳警官をケヴィン・スペイシー、警察学校を首席で卒業したが屈折した上昇志向を持つエリート刑事をガイ・ピアース等が固め、豪華なキャスト陣の名演も光る。
物語はメキシコ系移民の容疑者を暴行した「血のクリスマス」から、元刑事を含む6人が惨殺された「ナイトアウルの虐殺」事件等、当時の世相を反映した架空の重大事件を追っていくが、徐々に難解を極めていくスリリングな展開には目が釘付けになる。
情報量が多い割には、それぞれの刑事の因果にしっかりミステリーが結びつけられているので飽きさせないが、全ての謎が明るみになる“ロロ・トマシ”の存在に注目していけば、その波乱の末のクライマックスの展開に鳥肌が立つほどの興奮を覚えられるだろう。
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