28 Days Later/2002(イギリス)/114分
監督:ダニー・ボイル
主演:キリアン・マーフィー /ナオミ・ハリス、 クリストファー・エクルストン
スタイリッシュなホラーロードムービー
『ウォーキングデッド』のおかげか、近年ゾンビ映画に対する垣根も随分低くなってきたように感じます。
ひと昔前だと、ゾンビ映画なんて子供か一部のマニアの為だけのモノと思われていたのに、最近では若い女子でも結構コアなゾンビ映画ファンがちらほらいるとか。。
しかしそれでもやっぱりゾンビ映画というとグロテスクでショッキングな描写を連想してしまい「私にはちょっと・・」なんていう初心者のヒトにオススメな作品がコレ。
正確に言うとこの映画に出てくるゾンビは、ゾンビではなく感染者です。
なので派手に損壊している個体は少なく、どちらかというと映像美を追及している感じ。
そしてなによりもオススメなのが、
この映画のゾンビ改め感染者は、皆走るというコト。
それまでのゾンビ映画界において、巨匠ジョージ・A・ロメロが残したゾンビ映画の三原則、
①ゾンビは汚らしくのろのろと彷徨う
②ゾンビは頭を破壊するまで動き続ける
③ゾンビに噛まれた人間もゾンビになるめ
のうち、「汚らしくのろのろと彷徨う」という原則を潔く取っ払って、正に全力疾走で追いかけて来る彼らとのアクションシーンは、もはや青春ロードムービーのような爽快感さえ感じます。
監督は『トレインスポッティング』でおなじみのダニー・ボイルですので、お化け屋敷的な脅かしやグロよりも、アポカリプス的な世界観や揺れ動く人物の心理描写等にスポットをあてた斬新でスタイリッシュなホラー映画に仕上がっています。
―――舞台はロンドン。
物語は動物愛護活動家が医療科学研究所を襲撃するところから始まります。
彼らの目的は実験用に飼われていたチンパンジー達の開放。
しかしそのチンパンジーは脳を凶暴化させてしまうウイルスにかかっており、檻を開けた途端、彼らを襲い始める。
そしてその感染はヒトからヒトへ・・
瞬く間に市内は汚染され、凶暴化した人間達で埋め尽くされてゆく・・
『ウォーキングデッド』へと継承された世紀末の死生観
貴方がもし明日、ゾンビがウヨウヨいる世界に突然投げ込まれたらどうしますか?
ゾンビから逃げ、或いは隠れ、食料を探し、安住の地を探し、生き残った仲間を探しながらなんとか皆で助け合って生きていく。
セオリー的にはそうでしょうが、文明が崩壊した後の世界でヒトは、それまでどおり本当に助け合って生きていけるのでしょうか?
警察署もなければ裁判所もない、お金よりも食料と寝床が最優先となる世界で、現世界での様に相手を思いやる余裕が貴方に残っているでしょうか?
この作品はそうした人間本来の生き方のようなモノにちゃんとスポットを当て、始めは疑心暗鬼ながらも少しずつお互い理解し合い、崩壊した世界で誰とどうやって共存していくかというテーマに沿ってきちんと描いた異色のホラーです。
冒頭でも紹介した『ウォーキングデッド』も正にその同じ理念で描かれていますが、この作品では更にもう一歩踏み込んで、破綻した社会においての男女の倫理観にまで視点を向けています。
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主役に抜擢されたキリアン・マーフィー は、2007年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『麦の穂をゆらす風』で一躍脚光を浴びましたが、この作品でもアメリカSF・ファンタジー・ホラー映画のアカデミーと呼ばれるサターン賞の最優秀ホラー映画賞を受賞しており、その独特な青い瞳はホラー映画の中でもひと際セクシー。
劇中彼が演じるジムが、そんな世界の中で男として少しずつ成長してゆく様子は、とても生々しく人間味に溢れていて、女子ならきっと「こんな世界でも彼といっしょなら・・」的にうっとり出来るコトでしょう。
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