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Netflix『13の理由』シーズン4第2話の私的な感想―ジャスティンの葛藤―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode2/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 学生時代の葛藤

今回の『13の理由』は、今までのサスペンスタッチと若干テイストが違い、妙に子供達の周りを取り巻く大人達の様子が、克明に描かれている気がする。

クレイとジャスティンを、懸命に分け隔てなく愛そうとするジェンセン夫妻。
アレックスの罪を僅かに察しながらも、それを何とか守り抜こうとする彼の父親。
一見クールで、他人に干渉しない生き方を教えるアニの母親でさえも、きっとその自分達の経験した挫折を、子供達に味合わせたくないからなんだろう。

 

だけど子供は、失敗をしない限り何も学ばない。

極論で言えば、他人に殴られない限りその痛みは伝わらないし、火傷をしない限りフライパンが熱いという感覚さえ、肌では覚えられない筈だ。

 

そうして、困難を自分の力だけで乗り越えた時に初めて、相手の痛みを察する事の出来る想像力が生まれる。

 

今回は、そんな大人達が意識的に忘れようとしてきた学生時代の葛藤が、いやという程てんこ盛りのエピソードだった。

シーズン4第1話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第2話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 大学見学(あらすじ)

憎しみや怒りが溢れる社会の現状に嘆く牧師の姿。。

6ヵ月前のテロップ。
夜中に大学願書を作成しているクレイ。
するとモンティーの番号からの着信が、そのラップトップに届く。。
やがて、何者かの気配を感じ彼が部屋を出ると、シンクの蛇口が開かれている。。。

 

翌朝クレイ達が登校すると、校長室に”モンゴメリーは利用された”という落書きが。。

冷静を保とうとするジャスティンは、ジェシカの元へ。
けれど、フラれた蟠りを抱える彼女は、その優しさを理解出来ない。。
自分のロッカーに落書きと同じインクの跡を見つけたクレイは、アニに相談。
しかし彼女が優しく宥めても、クレイの心に生まれた疑心暗鬼の心は膨らんでいく。。
爪に赤いペンキの残るトニーを見かけた保安官は、彼を問答無用で尋問し始める。。

大学見学へ向かうバスの中で、転がってきたスプレー缶を拾ってしまうクレイ。
トニーやアニ等の心配を他所に、彼はそれを思わず鞄の中にしまってしまう。。

サンダーソン大に着いた生徒達を迎えるのは、学部長を努めるのはクレイの父マット
やがて引率の校長の目を盗み、スプレー缶を捨てようとするクレイだったが、そのタイミングを逃したまま、サークルの部室に潜り込もうとするザックの後を追う。
そこで彼らは、促されるまま飲み比べゲームに興じていると、階段脇に泥酔した女学生の姿を見つける。

朧げな意識のまま、その彼女を連れ部屋に向かう大学生の後を追うクレイ。
すると、泥酔し意識を失っている彼女を、襲おうとするブライスの幻覚が見える。。
クレイはそれを咄嗟に止めようようとするも、ふと自分が興奮している事にも気づく。やがて、その不自然なクレイの様子を見つけた彼氏は、逃げ出そうとする彼の後を追い、クレイはザックもろとも、その場の大学生等に取り押さえられる。。

冷静を装い、紳士的に振舞おうとするジャスティンに、苛立ちを募らせるジェシカ。
アレックスに近づこうとするウィンストンは彼の自殺未遂の過去を知り、やがてその同情心から恋心が芽生えそうになるも・・

迎えにやってきたマット達の前で、ジャスティンへの嫉妬心が芽生え始めるクレイ。
彼がその執着をジャスティンに向けてぶちまけると、クレイの家族に劣等感を覚えていたジャスティンとの溝は、徐々に広がっていく。

モネにやってきたウィンストンはアニの元へ。
その真正面からの追求にも、話をはぐらかすアニの態度を見て、ウィンストンは彼女達が誰かを庇っている事を確信する。。

トニーが練習するジムで、その彼の性癖を遡るアレックス。
カウンセラーの前で、自分の行動を顧みるクレイ。
エステラを誘いカフェにやってきたアニは、彼女達がそれぞれ、純粋に真相を究明する覚悟を持っている事を悟る。。

久しぶりに再会したクロエに、泣き言を洩らすザック。
ウィンストンへの気持ちを確かめる為彼を誘い出したアレックスは、その彼の純情な本音に、少しずつ惹かれていく。

 

冒頭のシーンと同じ様に、夜中PC画面に向き合っているクレイ。
やがて、再びモンティーからのメッセージが大量に送られてくる。

困難や挫折、失敗から学んだ事というその課題文に、殺人の隠ぺいと打ち込むクレイ。次第に彼は、何かに突き動かされる様に、その文章を刻んでいく・・・

 

 

 

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・・・うーん、なんてんだろ。この奥歯に挟まったものが取れないよーな感覚。

ジャスティンが麻薬依存を自分の力だけで克服する為に、ジェシカとの距離を置けば置くほど彼女が嫉妬に狂っていく様子は、あまりにもどかしい。。

モンティーの復讐の為、アレックスやタイラーに近づこうとしているよーに見えるウィンストンなんかも、なんだか少しずつ彼らのナイーヴな処に触れるにつれ、感情移入しはじめちゃってる様に見えてるのは、自分だけでしょうか?

 

そんな中、ウィンストンからモンティーへの復讐心を探られたタイラーが、「憎しみよりも罪悪感がある」と答えたのはかなり印象的。

こんな風に立派に相手の痛みを想像できる大人に成長したタイラーを、未だに穿った目で見ちゃうクレイの方がよっぽど、子供じみて見えてきます。

 

ブライスが見える幻覚症状が、毎度おなじみのクレイだけに飽き足らず、ジェシカに迄見えてきているのは、彼女に待ち受ける悲劇の兆候でしょうか?

 

美少年キャラのアレックスには、このドラマの多くの女性ファンの為にも、もう少しだけノンケのままでいてほしいというのが、本音なトコロ。。

因みに、劇中でエアクオートを使って喋ってくる大学生は、アレックス達の印象とまったくおんなじに、ちょっと嫌みなインテリ野郎に見える時があるので、渡米や留学の際には、くれぐれもそのタイミングにご注意を。。(著者経験済W)

 

保安官から人種差別を受ける様に追い詰められていくトニーと、クロエに迄ちょっぴりやさぐれたその弱さを見せ始めたザックにだけは同情するけど、結局どんなに仲間を疑ってみても、スプレー缶を2本も持っていたクレイが、やっぱり落書きの真犯人なんじゃないかな。。

 

ファイナルシーズン第3話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

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