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Netflix『13の理由』シーズン3第5話の私的な感想―アレックスの苦しみ―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Season3 Episode5/2019~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 俳優という代弁者

アニ役のGrace Saifがネット上で集団リンチを受けてるって?

・・・あまりに情けなくて、声も出ません。。。

 

思い返せは、“ゲースロ”で怪童ジョフリーを演じたジャック・グリーソンもおんなじ憂き目にあったような気が。。

 

・・ドラマに没頭し過ぎて、役者を攻撃するヒトっていつまでいるんでしょーか?

 

当たり前過ぎる事ですが、、

キャラクターや台詞を考えているのは、俳優ではなく、監督や脚本家です。

彼らが、憎たらしかったり、ウザかったり、キモチ悪く見えるのは、全部演出側の意図。

そんな彼らのキャラを上手く活かせない製作陣にその批判が行くならまだしも、演出側の要望を踏まえて演じてくれている俳優達にその矛先が向かうのは、どうしても納得出来ません。

 

彼らのような憎まれ役がいるからこそ、ドラマの奥行きは広がってきます。

言い換えれば、悪役無しに正義は存在しないし、感動も生まれない。。

 

つまり彼らは、演出側が本当に伝えたいコトを表現する為に、犠牲にしてくれている事がいっぱいあるんです。

 

とは言え、人の心の隙間にちゃっかり迷いを投げかけてくるアニは、やっぱりなんだかどうしてもウザイ。。

 

でも、誰にもそんな一面は、ちょっぴりくらいありませんか?

ましてや転校を繰り返しながら、親友が一人も作れない淡白な青春時代を貴方が送ってきたとしたら・・?

或いは、迷いを抱えるティーンがはっきり口に出せないその心の声の代弁者として温かく見守ってあげれば、少しはそんな苛立ちも安らぐかも。。。

 

俳優という名の代弁者を通じてでしか想いを伝えられない自分達としては、彼らへの安易な中傷には、どうも我慢できずに熱くなってきちゃいましたが、ハンナ亡き後も反響を広げる『13の理由が続く理由にも、忖度を入れずに想像を膨らませてもらえると、ちょっと嬉しいな。。 

・・それでもアニのような達観女子は、自分は全く信用しませんけど・・・www

 

シーズン3第4話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン3第5話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 誰もクリーンじゃない

保安官からの連絡で、川辺からステロイドの発見と血痕が出た事を知るノラ。。

 

ジャスティンが何かを探し部屋を荒らしていると、そこへやってくるクレイ。
彼はジャスティンが未だタイラーの銃を持ち歩いている事に不安を覚えるが、ブライスの車から指紋が発見された事には、気にも留めない。。。

ノラの父親ハリソンは、顔を見せない孫のブライスに想いを馳せる。
そして、彼の起こす間違いに寛容であるようにノラに告げると、彼女はブライスの死を伝える事が出来ずに、その言葉を詰まらせる。。

警察の捜査が部室に入った事で狼狽えるモンティー。
やがて、数人の生徒の鞄から、ステロイドが発見されるが・・

・・父親の捜査の手を察知し、校内のごみ箱にステロイドを捨てるアレックス。
それを拾い上げクレイとアニに報告するジャスティン。
彼はmellow(おとなしめ)な彼らにも、ステロイド使用が蔓延している事を暴露する。

ブライスの死を野次るビラを見つけ、ケイシーに抗議するジェシカだったが、彼女のその暴走は止められず。。

外見のコンプレックスから、ステロイド使用を認めたアレックスだったが、彼はその身の潔白をクレイ達に伝えた上で、その秘密を守る様に忠告する。。

 

ジェシカへの未練を残すアレックスは、ザックからの享受を受け、スミスマシンで体を鍛えている。
そこへやってくるアメフト部のリチャードから、ステロイドを受け取ったアレックスは・・

 

モンティーの不審な動きに疑いを持ち始めるクレイとアニ。
やがてクレイ、タイラー、ジャスティンと、次々にロッカー検査を受ける中、トニーにだけあからさまに高圧的な態度をとる保安官に、彼は奥歯を噛みしめている。。

フェミニストを公言する校長からも、過激なレイプ撲滅運動への注意を受けるジェシカ。
彼女はその大義を信じるも、仲間の蒙昧な声の上げ方に、少しずつ疑問を感じ始める。

クレイは自分達を気にかけるアニの心情を、探り始めるが・・

 

ブライスの高校の生徒のフェイクIDを持っていたモンティーから、ウィンストンに辿り着くクレイとアニ。
やがて二人は彼とモンティーとの関係を知らされる。。

 

ブライス家で開かれているパーティーに呼ばれたモンティー。
・・そのブルジョアなヒルクレストの生徒達の様子に戸惑うモンティーに、ウィンストンは暗黙の了解
の内に、近づいてゆき・・

ステロイドを求めにやってきたアレックスは、モンティーが一方的に彼を激しく殴りつけている現場に遭遇。
ブライスはウィンストンに賄賂を渡し、暴行の口止めを計る。。

 

アレックスの通うジムへとやってきたクレイとアニは、彼の携帯からメロディというエスコート嬢の存在を知る。。

 

ブライスの家でコカインに興じているアレックス。
やがてジェシカにフラれた彼の身を案じたブライスは、アレックスを風俗へと連れ出していく。。
・・その溜め込んだストレスを、メロディの体にぶつけるアレックス。。

ドラッグのキマった二人はブライスの父親の家へ。。
しかし、その不法侵入した家が間違っていたにも関わらず、幼子を脅すブライスの異様な一面を垣間見たアレックスは、そんな彼との決別を告げる。。

 

自暴自棄だった頃のアレックスの告白を聞き、途方に暮れるクレイ。
やがて、同じコンプレックスを抱えている自分とを見比べ・・

ジャスティンの前で本音を漏らすクレイ。
彼は改めて、それぞれがブライスに蟠りを抱えていた事を呟く。。

 

書斎の片づけをしているアニの元へ近寄ってくるブライス。
彼は、無神経な父親や傲慢な祖父の血を受け継いでいる自分を呪い始める。。
やがて、その苛立ちを抑えきれなくなったブライスはグラスを床に叩きつけ・・
・・しかし、そんな不安定な息子を疎ましく感じるノラとは裏腹に、アニはブライスに対して、同情にも似た複雑な感情が芽生えていく。。

 

ハリソンにノラは、ブライスの死を伝える。。
動揺したハリソンは、ノラを激しくなじり、ブライスの元へ行こうとするが・・

ブライスの怒りに思いを馳せるアニは、何気なく立ち寄った彼の車庫でトニーの赤いマスタングを見つける・・・ 

 

 

 

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 ・・悩めるティーンのホンネとその親の憂鬱とが、めいいっぱい詰め込まれた忙しいエピソードでした。。

アレックスが抱える悩みは結構ストレートな男の悩みでしたが、まさかマッチョ至上主義なモンティーが、ホモフォビア食われノンケだなんて。。w

 

それでも正直、二人の本音はなんとなくわかります。

・・知識や経験が少ないあの頃の若者にとっては、やっぱりどんなに別の事を褒められても、見た目と女にどれだけモテるかが、人生の全てだから。。。

いくら綺麗事を言っても、メロディとのセックスシーンでアレックスの口を思わずつくあの侮蔑の言葉が、フラれた女子に苛立ちを覚える男のホンネ。。

 

・・ゲイ事情にちょっと詳しい自分から言わせてもらえば、、

モンティーのあの歪んだ性癖も、幼少期のトラウマからくる迷いの一つのような気がしています。。

 

更にハリソン、リチャード、メロディにウィンストンと、新キャラも続々登場する目まぐるしいエピソードでしたが、やっぱりその中でも一番目についたのは、ノラの父ハリソン。

 

あの手のレイシストな父親のメンドクサさ、、なんだかすっっっごくよくわかります。。 

 

・・まるで、自分の父親そっくり・・とまでは言いませんが、要するに、甘えっこな自分を他人に隠す為の虚勢なんですよね。。。

・・・ミョーに最近ブライスに同情できてきてしまってるのは、ひょっとしたらその家庭環境のせいなのかも・・なんて・・(^^;

 

結局ステロイドと、アレックス以外の生徒達との関係性はイマイチよくわかりませんでしたが、・・もーいーんじゃないかな・・・この手の謎かけエピソードは。。。

アニのナレーションは、そんな等身大の学生目線の子達へのサービスでしょうが、どうも話数稼ぎのミステリーにしか感じません。。。

新しいキャラクターを回想シーンに潜り込ませて新たな真実を見せるよりも、もっとモンティーやブライスが、ハンナの死やその自殺を巡る裁判を経て、いじめをどう捉え始めてきたのかみたいなのを描いていってくれないかな。。

 

因みに、次のエピソードで焦点が当たりそうなトニーのマスタングは、アンティークカー好きな90年代のアメリカの学生達の間では、女子ウケNo.1のナンパ必須アイテムでしたwww

 

シーズン3第6話の感想はコチラ

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『13の理由』Netflixで観賞できます。 

www.netflix.co

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