マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

Netflix『13の理由』シーズン3第11話の私的な感想―追い詰められるクレイ―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Season3 Episode11/2019~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 人に伝える意識

誰も読んでないのをいい事に、最近のドラマレビューの前説で好き勝手してますが・・

 

最近の小劇団にはかなり絶望してます。。

・・え?小劇団を知らない?

ザックリ言えば、劇団四季とか大手劇団よりはこじんまりとした規模の、街場の売れてない役者達の集団です。

仕事上、そーゆーのにちょくちょく顔を出すんですが、テレビでもないのに最近は自主規制や時事ネタに対する忖度ばっかりで。。。

自由にモノを言えるはずの現場なのに、内輪ネタと妄想世界ばっかじゃ、もう見てらんなくなちゃう。。。

 

逆に我流を貫く劇団にしても、どーも人に伝えたい意識が低い気がするんですよね。。

映画オタク特有の、“分かるヒトにだけ分かればいい!”的な・・

 

芸能ってやっぱりほら、相手に伝わってなんぼじゃないですか?

それを、開き直る風潮がなんだかあからさまに強くて、ちょっと薄ら寂しく感じちゃいます。

 

昔はもっと、活気というかエネルギッシュで、ダメだしをする酒場での口論や喧嘩なんかも日常茶飯事。

酒癖も口も悪い自分なんかは、しょっちゅう座敷から追い出されてましたw

それが最近の打ち上げじゃ、背中を丸めた通夜みたいな反省会ばかりで、顔を出すコッチの方が気を使っちゃう感じで・・

まあ、つまり、自分も含めて表現する事しか出来ない奴らは、せめてもっと胸をどうどうと張って前のめりでいてほしい!・・なあ。。。

 

そんな昭和の残り香のような古臭い舞台役者を探し回りながら、日々せっせとブログを書き綴ってます(^^;

・・もう、完全にドラマのネタ切れなので、しばしお時間下さい(^^;

 

シーズン3第10話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン3第11話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 秘密

両親の前で、ブライスに送ったメールの内容を告白するクレイ。
その怒りに任せて送ってしまった内容を包み隠さずに話した彼に、母親は弁護士と相談する迄、無言を貫くように指示をする。

・・やがてそれぞれの家で、ブライスが殺された日の真実が語られる。

クレイの家に次いで、警察の捜査の手がジャスティンの働くモネにまで回った事を知ったトニーは、ホームカミングの日のアリバイが嘘だった事をケイレブに告げると・・

保安官の親に、ジェシカと一緒にいた事を証言するアレックス。
しかしジェシカは、不安を募らせる親に、自分が家に居た事を伝える。。

赤いペンキの付いたシャツを見つけたアニの母親は、をついていた彼女を激しく責め立てる。
疑心暗鬼に陥ったアニの母親は、ブライスとの関係をも隠していたアニに失望し・・

 

ブライスは酒に酔ってアニに激しく接した事を謝罪するも、母親の目が気になる彼女は、それを淡白に受け流す。。
ノラの経営するヨガスタジオにやってきたブライスは、リバティー高への復学をノラに相談するも・・

 

クレイの身を案じたタイラーは、モンティーから受けた自分のレイプ被害を公にし、それを止めようとしていたブライスへの殺害動機が、彼にもある事を明るみにしようとするも、クレイはタイラーとの友情を守ろうとそれを拒否。。

校長に呼び出されたジェシカは、ホームカミングの日の騒動の責任を負わされる。

 

運動部の廃部もホームカミング試合の中止も受け入れられなかったジェシカは、ブライスの復学の情報を知り、その焦りを募らせていく。。

 

ジェシカが自分を守る為についたアリバイの嘘に、違和感を感じるジャスティン。
アニは、クレイにかけられた嫌疑を晴らそうと、自分とブライスとの関係に嫉妬していた事を警察に告白するように忠告するも、クレイはそれもまた、頑なに受け入れない。

・・八方塞がりのまま、アレックスのステロイドまでもがクレイ達の部屋から発見され、警察の状況証拠が整いつつある事を、弁護士のデニスから知らされるクレイ。。

アレックスは、その苛立ちを制御できない程にまで膨らませ、ヘッドギアも付けずに、ジムでスパーリングをしている処を父親によって取り押さえられる。。

校長からの圧力によって、レイプ反対運動の自信を持てなくなったジェシカに、タイラーは自分が起こしかけた銃乱射事件の犯行声明動画を見せる。
・・やがて、涙を零し共感を抱くジェシカに、その同じ動画を、ブライスにも見せた事を告げると・・

 

モンティーに与えた自分の影響力に、深い自責の念に晒されるブライス。。
やがて、タイラーの力になろうと、モンティーの暴走を止める事を固く約束する。

トニーの元を訪れたザックは、クレイにかかる疑いの目に怯えるが、その無実を頑なに信じようとする友情を目の当たりにすると・・

モンティーに忠告に向かったその足で、ケイシー達の元を訪れたジェシカは、激しく非難の叫び声を上げる前に、その声さえも上げられないレイプ被害者にも、耳を傾ける事を提案する。。

 

ホームカミング試合当日の夜、ジェシカを呼び出すブライス。。
憤りを感じながらブライスの元へやってきた彼女に、ブライスは渡したいものがある事を告げ、そして、試合後の密会を求める。。。

試合前のロッカールームへとやってきたブライスは、モンティーと対峙。
そこで、彼がクレイの殺害計画を練っていた事をネタに、タイラーと完全に距離を置く事を、厳しい口調で忠告する。。

・・後半の試合開始の合図と共に、レイプ撲滅運動の横断幕を掲げて、グラウンドに雪崩れ込んでくるジェシカ達。
その下着姿の彼女の胸に手を伸ばすクレスト高の生徒。。
ジャスティンの怒りは頂点に達し、両校入り乱れての大乱闘へと発展していく。
それでも尚、激しいシュプレヒコールを上げるジェシカを尻目に、その手伝いをしていたアニは、ブライスの誘導の元、警備員の追手から逃げ出していく。。

 

ホームカミング試合後のアリバイを、お互いに確認し合うアニとジェシカ。。

 

再びセスと再会し、自らドラッグの売人になる事を名乗り出るジャスティン。。

 

行き場の無くなったクレイは、トニーの元を訪れ、街から逃亡する決意を告げる。。。 

 

 

 

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 ・・こーゆーあからさまな引っ張りばっかりやってると、視聴者逃げちゃうよ?

前回はクレイの逮捕、今回はクレイの逃亡と、演出側はどうしても、クレイ犯人説をひっぱりたいよーですが、いくら何でもソレ、無理がありませんか?

彼のキャラからして、タイラーの暴挙を止めた瞬間から、恨みや怒りを暴力で晴らさない事をモットーにしてきたタイプなので、サスペンス目線で見ると、これはあまりにありえない設定です。

 

・・・だけど、、

実は、これを社会派ドラマ目線で見てみると、その景色はだいぶ違ってきます。

 

つまりクレイは、犯人の様に見せているのではなく、犯人にされていってるという事。

 

もちろん、その大元の原因は、彼の弱さと不安定な心なんかですけど、彼が純粋であろうとすればするほど、その秘密は増えてゆき、やがて怪しまれていくという・・・

まさに現代の、中身よりも状況で人の善し悪しを判断する時勢での、その簡素化された社会秩序が産み出す、闇の副産物と言えるでしょう。

 

・・誤解されやすい自分が、なるべく誤解されない様頑張って伝えてみると、

悪には悪の理由があり、善にも善の理由があり、そのどちらかを主観で決めつける一方的な見方こそが、結果的に更なる悪意を産むみたいなレジュメを、このドラマは、毎回視聴者に突きつけてきているような・・

 

・・褒めてるのか、貶してるのかよく分からなくなってきたので、断言しておくと、、

今回のエピソードは、あまり好きじゃありません。

だって、そーゆー解説でもしないと、大抵の人にドラマの本質が全く伝わってないもの。。

 

すっかり、サスペンス好きの主婦達からも見放されてるのに、まーだ、不信感とミスリードを煽る演出を続けちゃってるし、それでようやく出てきた秘密の一つが、ジェシカの“ハンズ・オフ”デモって何・・・?

このアホ丸出しなヘイトスピーチを見せつけられちゃったら、まともなオトナはその主張を応援してあげたくても、できなくなっちゃうんじゃないでしょうか?

更に、何故かみんな下着姿で、赤ペンキベトベトだし。。。(ここでシーズンの冒頭に出てくるアニの伏線も、ひっそりと回収されちゃいました。。。)

 

レイプ被害撲滅運動の為に、自らが裸になってその注目を集めようとするその矛盾。。

 

おかげでレイプによって、心に瑕を抱えたすべての若者の心理描写さえもが、途端に安っぽくなり、ただの若気の至りに見えてきてしまいます。

 

自殺やいじめ問題といった、人間性そのものを扱ったこの物語のメイン・テーマは、そんな青春グラフィティにしてしまっていーんでしょーか?

 

せめてその青臭さを見せたいのなら、ジェシカ達がヘイトクライムの危険性をしっかり認識した現実での描写を先に持ってこないと、ハンナの自殺さえ報われない。。。

 

そんな中で唯一の救いだったのは、やっぱりタイラー。

彼が、自分の犯行声明動画を他人に見せる勇気は、どれほどのものだったでしょう?

きっとこれも現実なら、相手は直ぐに警察に駆け込むでしょうし、そこをあえて同じ傷を負ったジェシカや加害者のブライスとの交流に結び付けるのは、創作というより、この手の銃乱射事件を起こした若者達が、本当は求めていた叶わなかった永遠の願望のような気がしています。。

 

ネイビーピアーにジェシカを呼び出そうとするブライスの姿も、これとおんなじ現実では有り得ない展開だけど、その贖罪の末路もそろそろ終盤戦。

どうしても、ブライスの死因は自殺の様な気がしてしまうので、彼女もやっぱり、容疑者候補には残らなさそうですが、随分しおらしくなってきたブライスの死を、そろそろきっちり覚悟しなくちゃいけないのか。。。(因みにネイビー・ピアは、シカゴのミシガン湖岸にある実在の桟橋状の埋立地域らしいです)

 

演出側の描きたい事と、そのミステリー臭をたっぷり乗せてしまった予告編からの、視聴者の期待との乖離が随分甚だしくなってきましたが、 その問題意識と着眼点には、大いに感銘を受けてるので、この先の怒涛のエンディングでの巻き返しを、かなり切望してます!


・・アレックスの様子が日に日に悪化してるのは、なんの伏線にするつもりなんでしょうか・・?

 

シーズン3第12話の感想はコチラ

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『13の理由』Netflixで観賞できます。 

www.netflix.co

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