マリブのブログ

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Netflix『13の理由』シーズン3第10話の私的な感想―オリヴィアの言葉―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Season3 Episode10/2019~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 ジャスティンという男

・・ジャスティン、やっぱり、ズルイよな。。。。

ジョッグだけど優男なザックよりも、ナイーブな純潔少年クレイよりも、オトコが憧れるのはやっぱり彼。。

女子達が、詮索好きな自立少女アニを嫌う感覚程ではないにしろ、あの手の母性本能をくすぐる視線を自然に出来ちゃう男には、大抵の同性は嫉妬してます。。。

 

実際、劇中ではよくわかんないけどちゃっかりジェシカと復縁してるし、ドラッグ依存者でもクレイ家まるごと味方にしてるし。。

更に、深く考えれば、本人の証言通り金満孤独少年ブライスさえも体よく利用し、保釈金からドラッグの手配、挙句には、メンドクサイ義父との和解交渉までさせちゃう始末。。。

 

いくら不幸な生い立ちだからと言って、みんな彼を甘やかし過ぎじゃないですか?

 

SNS上でもガッチリ女子の心を奪い、もっぱら人気の高い彼を見ていると、結局男はまずその見た目なんでしょうか・・?

 

ジャスティン役を演じるベビーフェイスなブランドン・フリン自体が、イギリスの人気シンガーサム・スミスとの交際を公言してるゲイである事だけが唯一の救いですが、未だ彼への嫉妬の炎が収まらないアレックスのキモチを察しながらも、結局鏡の前では、彼の子犬のような上目遣いを、日々研究してる今日この頃です。。

 

シーズン3第9話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン3第10話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 深まる疑惑

警察署にやってくるハンナの母、オリヴィア
保安官は、自宅の売却が決定した日より前に、彼女が街に戻っていた事実を追求する。
そしてその同じ時期に、ブライスの死体が河から発見された事も。。
冷笑する彼女に、ブライスが行方不明になったホームカミング当日にも、クレイへ電話をかけていた事がその通話記録に残されている旨を言及されるが、オリヴィアはハンナの強姦事件の際に、その重い腰を上げなかった警察体制を痛烈に非難する。。

事件以来、連絡のなかったオリヴィアからのメールに動揺するクレイ。
彼がオリヴィアとの接触のあった仲間を探していると、ジェシカが彼女と再会した日の事を語りだす。。。

 

他愛のない会話で川沿いを歩く二人。
オリヴィアは、ブライスのレイプ被害にあった後も、街から逃げ出そうとしなかったジェシカを称え、自分の憤りが未だに治まらない事を告げる。。

 

・・オリヴィアへの疑惑を募らせる一方で、ジェシカにジャスティンのコカイン依存の実態を告白するクレイ。
そんな二人の様子を伺っているザックは、恨みを持たれたブライスの死因についてアレックスに疑問を投げかけるが、彼は動じず。
次第にその不安を膨らませていくザックを、アレックスは冷静に宥める。。

カウンセリングルームに呼び出されているモンティー。
彼は、落第すれすれの状況に気を揉むスクールカウンセラーの的外れな気遣いに話をはぐらかすも、彼女がアメフト部のコーチから聞き及ぶモンティーの好評判には、思わずその胸を熱くする。。

 

クレイと再会したオリヴィアは、ブライスの事件の夜の日の出来事を追想。
二人は傷ついた互いの心を労わりあうも、オリヴィアはトニーの抱えていた問題をクレイに打ち明ける。。

 

オリヴィアの情報から、ブライスの親によって両親を移民局に通報された事を知ったトニーは、ブライスを激しく罵倒。
彼は一度はその事実を否定するも、父親の真実を知り、トニーの元へと謝罪に向かう。
しかし、憤りの治まらないトニーは、大元の原因がブライスの犯したレイプ事件である事を糾弾し、その責苦を味わわせようとすると・・
彼の辛辣な言葉に打たれ、贖罪を意識し始めるブライス。。

・・トニーのマスタングの中で、ハンナのテープ
に耳を傾けている二人。。
静まり返ったネオン街にハンナの肉声が響き渡り、過去の記憶が甦る。。。

その悲痛な彼女の叫びに激しく胸を痛めつけられたブライスは、やがて、トニーにオリヴィアとの面会を申し入れるが・・

 

駆けつけたクレイに、事の真相を伝えるトニー。
・・そしてオリヴィアが、ブライスの謝罪を受けつけなかった事も。。

ホテルで出発の支度をしていたオリヴィアの元へ、再び足を運ぶクレイ。。
彼は、彼女の元にブライスが現れたのかを確認すると、オリヴィアは直ぐに真実を述べ、それでも、謝罪を求めにきたブライスを決して許さなかった事も同時に伝える。。。

 

アニに、オリヴィアからの伝言メッセージを聴かせるクレイ。
・・彼女はハンナの墓前でようやくその情動を開放し、ブライスへの滾る憎悪の言葉を繰り返す。。
やがてオリヴィアへ疑惑の目を向けたアニは、それと同時にブライスの車に残されていたクレイの指紋の件にも触れようとすると・・

 

ホームカミング当日、告白を受けている女子生徒の様子を微笑ましく眺めているアニ。
クレイはそんな彼女の意外な一面に戸惑うも、乙女心を伺わせる彼女から、スワヒリ語での愛の言葉を教わる。。

その言葉の勇気と花束を手に、アニの住むブライスの家までやってくるクレイ。
しかし、門前で車に乗って現れたブライスに、彼の純情は脆くも崩される。。
やがて、
危機感と嫉妬に満ちた感情で、クレイはブライスに精一杯の挑戦をするも、至って冷静な対応を受けてしまう彼は、そのあまりの悔しさから、花束を投げ捨て立ち去ってゆく。。

 

・・オリヴィアはノラの元を訪れる。。
彼女は、ノラが息子殺しの犯人をクレイに的を絞ってきた事を仄めかした上で、その子供を失くした苦しみを、誰に向けても決して癒える事のない瑕である事も伝える。。

 

ジェシカから再度手を差し伸べられた事に、改めてクレイに礼を告げるジャスティン。

すると、捜査令状を持った保安官達が、いよいよクレイ達の家へとやってきて・・・

 

 

 

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 ・・やっぱり、まともなオトナが出てくると、ストーリーがかなり引き締まります。

・・こう、なんてゆうか、奥深さが増すというか、ツッコミどころ満載のブレまくった子供達の感情に、的確にメスを入れてくるような・・・

無能な捜査を続ける警察にオリヴィアが“危険な愚か者”とはっきり断罪してくれた台詞は、その中でも一番印象的。

つまり、シーズン2からひっくるめて、『13の理由』はただのいじめ問題に留まらず、少年犯罪における行政・司法の在り方についても、しっかりアンチテーゼを唱えたかったのでしょう。

 

彼女が意外にも、ノラの元にまで足を運んでいた事にはかなり驚きましたが、同じ子供を失った母親として、その憤りを浄化させる手段の一つとして彼女を選んだ事は、かなり効果的。

怒りや苦しみを吐き出し合う母親同士の対面には、その緊張感と共に、それを希望に変えていこうとするアグレッシブな人間の本能を感じてきます。

実際に、レイプ被害者の親が加害者の親に冷静に逢えるとは中々思えませんが、これこそがドラマならではの、ありえない現実をありえそうな夢で上書きする本来のセオリー。

更にその勇気を与えてくれたのが、

真実を暴露した自分自身の勇気から始まり、怒りを乗り越え、敵対する相手にも寄り添う事を忘れなかった移民二世のトニー、贖罪の意味をようやく理解し始めた加害者のブライス、そして今は亡きハンナのテープへと繋がっていくのであれば・・

 

もはや、大事な事を伝える為の猿回しの様になってきたクレイには、心変わりの激しいアニと同様、このままピエロのままでいてもらった方がいいのかもしれないw

 

その上、モンティーの微妙に理解されない苦しみ、オリヴィアとクレイの無言のままで通じ合える信頼関係、ついでにちょっと乙女チックなアニの複雑な女子心まで覗かせてくれた今回は、シーズン3の中でも、まさにベストエピソードと言えるでしょう。

 

・・それでも、、

その裏で、バックミュージックの様にいちゃつき続けるジャスティンとジェシカとの甘酸っぱいラブストーリーは、著者の精神衛生上大変よろしくないので、あらすじからもバッサリカットさせてもらいましたが、どうかご理解をw

・・クレイの逮捕? ダイジョウブ♪ 後3話残ってますから、あっさりデニスあたりが釈放させてくれるでしょう・・・w

シーズン3第11話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

『13の理由』Netflixで観賞できます。 

www.netflix.co

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