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ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

Netflix『13の理由』シーズン4第10話の私的な感想―ハンナに送る言葉―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode10/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 友達の絆

友達の絆ってなんだろう?

大人になると、そんな青臭いものにいちいち付き合っていられる余裕はない。

おまけに、決して友人が多い方とは言えない自分は、人に過度の期待を求めないで生きる生き方を、すっかり身に着けてきてしまった。。

 

それでもふとした瞬間に、自分を支えてくれている存在を感じる時がある。

それは何も、現実世界の中だけの話じゃなく、ネット上で繋がっているだけの人達でも同じで、彼らの一挙手一投足に一喜一憂している自分に気づくと、腹の底にふんわりと温かいものが広がる。。

 

新時代のネットツールを通じて、自分達は様々なものと繋がってきた。

その大部分は単なる情報にしか過ぎないのだけど、仮想空間に溢れる言葉は千差万別。

更に、稀にそこで垣間見る激しい憎悪や苛立ち、或いは無神経に投げかけられている言葉は、受け手側がどんな状態でも、容赦なくその心を切り刻む。。

 

言葉で相手を救う事のできる人間の叡智は、同時に、言葉だけで人を死に追い込む事もできる。

自分達は漠然とぼやけた“幸せ”を手に入れる為、この諸刃の剣を上手く使いこなす術を、友人という存在からしか体得する事が出来なかったはずだ。。

 

現代のアメリカ社会のみに留まらず、それに迎合する日本人全体にも立ち込める暗雲は、この他者の多様性を受け入れられずに、個人の殻に閉じこもったが故の末路。

結局自分達は、この悲喜こもごもの人との関わり合いをしながらでしか、生き残る事さえままならない、弱い生き物なんだろう。。。

 

ファイナルシーズンを迎えた『13の理由』には、描き切れぬ程めいいいっぱいに詰め込まれた様々な社会問題の影に、これを解決する糸口に繋がる“愛”を、こっそり散りばめる。

それは、ちょっぴり出演機会の多過ぎる幻想の仲間や、怯える友人達の姿を通じて。。

その若者のしでかす過ちに、大部分共感するのは少し難しかったけど、運命の人と信じて疑う事さえ知らなかった青臭い日々と、その瑕を笑い飛ばしてくれる数少ないあの頃の友人達の顔が、今回の最終話を見終えた瞬間に、突然頭の中にフィードバックしてきた。

シーズン4第9話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4最終話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 卒業(あらすじ)

・・病室のベッドで眠るジャスティンに寄り添うクレイ。。
やがてクレイ達は、ジャスティンの主治医から、彼がエイズを発症している事を知らされる。。
更に、ジャスティンが路上生活時において、売春せざるを得ない環境にいた事を知り、クレイは返す言葉もなく絶望感に打ちひしがれる。。

そのジャスティンに付き添い続けるジェシカ。
やがて、見舞いに訪れるチャーリーとアレックス。
勇気を奮い起こせないままのザックは、その病院にさえ入れずにいる。。

エステラとの写真をタイラーの元へ届けに来たウィンストンは、彼らの告発を決意。
しかし、ブライスの殺害の実行犯だった事をアレックス自身に自白された彼は、その困惑を更に広げてゆく。。。

 

人工呼吸器を外せなくなった事で、ようやくジャスティンの死期を悟ったクレイは、思わず病室から駆け出る。
彼は、虚しさの中闇夜を全力で走り抜き、やがて警察署迄辿り着くと・・

その脳裏を過る拳銃を手にした時のフラッシュバックは、クレイを闇に引きずり込んでいく。。

銃の所持を偽装し、警察署内で大声を張り上げ始めるクレイ。
しかし駆けつけたディアスは、威嚇する彼の怯えを鋭く察知し、その震える肩をきつく抱きしめる。。

酒に溺れているザックの元に駆けつけるチャーリーとアレックス。
アレックスはザックにキスをした夜の事を伝え、そのやさぐれる彼を説得。
やがて千鳥足のまま、ジャスティンの待つ病院へとやってくるザックは、無言のままクレイと熱く抱擁を交わす。。

 

トニーが家に戻ると、メキシコの彼の父とネット電話をしているケイレブの姿が。
・・久しぶりの親子の会話で、父が残した工場を守り抜く意思を伝えるトニー。
しかし彼の父は、何よりも大切な息子の将来を案じ、トニーに進学を強く勧める。

付き纏うブライスの幻覚に、その怒りの矛先を向けるジェシカ。。

哀悼の意を示すディーンは、戸惑うクレイに卒業式での生徒代表演説を奨励する。

やがて未来の見えない不安を、クレイは全力でカウンセラーにぶつけるも、彼はその全ての蟠りを受け入れ・・

 

ジャスティンの眠るベッドの横で、息子の心を覆いつくした数々の死を悼みながら、クレイを励ます彼の父親。

ザックの推薦状を書いていたアメフト部のコーチは、進学を挫折した彼に、自分の後を引き継ぐ職を与え・・

 

やがて衰弱していくジャスティンに、脳転移の症状が出始めた事から、クレイとその家族は呼吸器を外す決断を迫られる。。

泣きじゃくりながら懸命に寄り添うジェシカ。
朦朧とする意識の中、そんな彼女に永遠の愛を誓うジャスティン。
待合室には、そんな彼の最期を看取る為に集まった生徒達が、溢れかえってゆく。。

静まり返った午後の病室。
やがてジャスティンは、クレイ等の家族に看取られながら、そっと息を引き取る。
その細くなった掌に、別れのキスをするクレイ。。。

教会に集まってくる生徒達。
その最前列に、呆然自失のまま座るクレイにトニーは寄り添う。
動揺するジェシカの、その秘められた強さを語るのはアニ。

シーズンの冒頭に登場した牧師の、ジャスティンの葬式に手向けられたスピーチ。
恐れや恥、歪んだ倫理に押し黙る子供達が、大人が容認する事で死んでいく実態を、彼女は赤裸々に語る。
そして、その後悔や決意が、自分達の未来を切り開く事も。。

弔辞の言葉に詰まるアレックスに、付き添うその父ステンダル。
ザックはアメフト部のコーチの言葉を引用し、弱い自分達が強くなる為に模索する日々の過酷さを語る。

葬式が終わっても、動けずにいるクレイの元へ近づくジェシカは、何も言わずにその手を握り締め、二人はジャスティンの棺を見つめ続ける。。

モネに集まるザック達の姿。
ジャスティンの死に突き動かされたアレックスは、アニへの感謝と謝罪の言葉を述べる。
すると、そこへやってくるウィンストンは彼を表へ連れ出し・・

ブライスを殺した真意を、アレックスに問いただすウィンストン。
その後悔に押しつぶされそうになる彼に、ウィンストンは、計り知れないほど断ち切れないモンティーへの未練を語りながら、アレックスに残る愛情も伝え、ブライスのテープを手渡す。。

失敗や孤独を恐れるトニーは、工場を手放す契約書を手に、その不安をケイレブに爆発させる。
そんな彼に口づけを交わし、止めどない励ましの言葉を投げかけ続けるケイレブ。

 

スタンダールの元へとやってくるディアスは、自分の職務よりも大事な家族の将来の事を語り、ブライスの事件の捜査を打ち切る決断を告げる。。

 

数日が経ち、クレイの元にオリヴィアから小包が送られてくる。
その中には、彼女の娘を最も愛したクレイにその意思を委ねる手紙と共に、ハンナの残したテープが・・・

その動揺を抑えきれないクレイは、カウンセラーに詰め寄り、思いの丈をぶちまける。
ハンナの真意が分からずにいた、あの頃の自分の苛立ちを。
その無力な自分が、再び救えなかったジャスティンの事を。。
やがて、過去の経験から、他人に愛される事を恐れる彼らと、自分とが重なる事をクレイはカウンセラーに告げられ・・・

・・自分が犯してきた数々の過ちとその激動の時代の過去を、カウンセラーはクレイに語り出す。。
そして、その彼の国語の教師が、同じ憤りを抱える子供に寄り添う今の職を、自分に見つけ出してくれた事も。。

やがてクレイは、その憤りの全てが、ハンナの死から始まった事を思い返す。。。

 

卒業式に集まった全校生徒の前で、“愛”についてのスピーチをするジェシカ。
彼女は、その今まで捕らわれてきたあらゆる怒りを捨て、愛し合う事の難しさを説く。

彼女の後に壇上に上がるクレイは、生徒達に問いかける。
僕らは高校生活を生き残れたのか?”と。。。

彼は、飲酒運転で事故死した先輩のジェフ、孤独に耐えかねて自殺したハンナ、救われる価値がないと思い込んでエイズで病死したジャスティンの事を思い返すと共に、怒りに支配され殺されたブライスとモンティーにも、哀悼の意を述べる。

そして彼は、自分のうつ病を告白した上で、その世知辛い現実でも、互いに愛し合い助け合いながら生き延びる素晴らしさを、集まった生徒達に語り掛ける。

・・それはまるで、ハンナへ手向ける最後の言葉の様に。。。。

 

式典終了後、生徒達が集まる体育館では、転校したコートニーライアンの姿も。
成長した妹との再会に驚くトニー。
ハンズオフ運動のバトンを、エステラに託すジェシカとアニ。
音楽の勉強を始める決意を固めたザックは、それをクロエ達に恥ずかしそうに語る。

幻覚のジャスティンに語り掛けるクレイは、自分の妄想の中でもブライスと仲良さげに振舞う彼の様子に文句を言う。そんなクレイに、ジャスティンは告げる。
自分を傷つけた人間さえも、人は許し愛する事ができる事を。。。

やがて、クレイの目の前に現れたハンナの幻覚に、彼が近づいていこうとすると、ハイディと名乗る、彼と同じ大学に進む生徒に呼び止められるクレイ。。

クレイの呼びかけで集まった仲間達は、彼が最初にハンナのテープを聴いた場所に、それを埋める。
そこへやってくるブライスの幻覚に対峙するジェシカ。。
しかし彼女が、仲間を愛する尊さを教えられた彼の存在意義を認めると、ブライスは何も言わず、その場を立ち去ってゆく。。。

卒業証書を見詰めるクレイに、尚も語り掛けてくるジャスティン。
彼は、自分のロッカーに潜めた大学入試の小論文を、クレイに読むように促すと・・

“自分を変えたもの”と題されたその内容に、クレイへの感謝とその愛情深さが綴られていた事を知り、やがて彼は声を詰まらせる。。

 

ジェンセン夫妻とケイレブに見送られ、マスタングで街を出るトニーとクレイ。

二人は何もしゃべらずに、その長い道程に車を走らせて行く。。。。 
 

 

 

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・・・言いたいコトは山盛りだけど、、、

久しぶりに、感慨深いドラマになった事はまず間違いない!

 

シーズン冒頭から、あまりに不幸に付き纏われるジャスティンを見せられ続けてきたので、彼の死はなんとなく予想できちゃってたけど、それでも、病床に着くその哀れな姿を涙なしに見る事は、到底出来ませんでした。。

 

ファーストシーズンで、ハンナの心がゆっくり死んでゆくその様子と、自分の価値を見い出せないままでいるジャスティンは、まるでそっくり。。

死人が多過ぎるドラマにありがちな違和感があまり感じられなかったのも、この降り積もる雪の様に徐々に蓄積されていく死の影が、二人に共通してしっかりと出てたからでしょう。

・・思い返せば、ハンナを自殺に追い込むキッカケを作ってしまったのも、ジャスティンの弱さからの事。。

4シーズンに跨って伝えてきた若者の瑕は、結局、どうしてもその因果を巡らせる事でしか伝えられないのでしょうか・・・?

 

少し病的に見え過ぎちゃって、これまで言及を避けてきたけど、、

やっぱり今回のシーズンが意外にもテンポ良く感じられたのは、『CSI:ニューヨーク』や『クリミナル・マインド 国際捜査班』で主役を張ってきたゲイリー・シニーズが、独りよがりのクレイのナレーションに、カウンセラーとしての答えをしっかり添えていてくれたおかげ♪

その彼の設定も穿った目で見れば有体だけど、この彼の渋い声で『自分の前でだけなら少しくらいキレてもいい』なんてオトナな台詞を言われたら、クレイじゃなくても、大人しくしてしまいそうw

だけどどうせなら、「自分よりも人の命が大事なのは、自分を愛せていないから」くらいの事をしっかり言ってみてほしかったな。。

 

全体的に、ハンナ以外の女子キャストの演技が淡白過ぎる気もしてるけど・・

現代の現実志向女子って、皆あんな感じ?

愛するジャスティンを目の前で失っても、家父長制とか、コンドームのCMのよーな啓蒙カットとかで、その揺るぎない信念を語れちゃうジェシカは、どう見ても魅力的な女には見えなかったけど、ラストに寂しそうに現れるブライスの幻覚に、その存在意義をきちんと認めてあげたのは、ちょっとだけ嬉しかったな。

 

途中から急に軸のブレ始めたモンティーへの冤罪も、個人的にはピカ一色気のあるダークオーラを出しまくっていたウィンストンの存在感がなかったら、納得できなかったかも。。

性差別の偏見をテーマにしてる割には、レズカップルよりゲイカップルの誕生の方が圧倒的に多かったのも、女子を見る目そのままの、秋波に満ちた彼の流し目があったからこそ。。

彼が周到に進めてきたその復讐劇は、前回のエステラの言葉で気づかされた様に、アレックスと全く同じに、愛する者を傷つけられたからこその自分の怒りなワケで。。

そんな彼がジャスティンの死で、愛するアレックスが傷ついたジェシカを守ろうとした事によって、モンティーに罪を着せた事を知った時、その叶う事のない二人への愛を打ち明けるシーンは、かなり痺れました。。

この時点でもう、自分の告発が誰も救わない事に気づける彼は、あまりに大人過ぎ。。

それに便乗して、彼らが罪から逃れた様に見えてしまうのは、きっと純粋さを失った自分達の野暮な目線と言えるのでしょう。。。w

 

ふんわりとオールドクラシックなノスタルジーに浸るラストは、トニーの車の中で聴いたハンナのテープから始まったこの物語のセルフオマージュ。。

それでも、クレイ達の目の前に突然現れてくるハイディこそを、ハンナを演じたキャサリン・ラングフォードが、彼らを全く知らない一人二役で演じてくれていたら、彼らが過酷なサバイバルを生き抜いたその幻想青春グラフィティが、現実に繋がるになったんだけどな。。。

 

『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第9話の私的な感想―それぞれの最後の夜―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode9/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 青春の影

暗黙の裡の宗教観で頭を抑えられてきたアメリカ留学では、自分は色々な事を学んだ。

その大部分を過ごしたバプテストのミッションスクールの高校は、およそ想像もつかない程の閉鎖的な価値観を丸ごと植え付けられた、まるで純朴な羊の群れの様だった事を、今でもはっきり覚えている。

 

アメリカの高校に、日本人が思い描く程の、理想的な自由はない。

何故なら彼らは、絶えずスクールカーストに悩まされ、陰険ないじめよりもずっとストレートに、身近に肌の色の差別と物理的な暴力が溢れてるから。。

 

今回のエピソードでは、そんな高校生活の集大成とも言える“プラム”に焦点を当てる。

日本の高校で言えば、修学旅行?或いは学園祭?

どちらにしろ、シニアイヤーで一度きりしか経験できないこの社交場は、そのパートナーを見つけるのにも一苦労する、大人の試練の始まりだ。

その思い出に、ろくでもない失恋話しかできない自分には未だに夢の話だけど、クレイ達と全く同じ様に、青春の影を引きずる若者にとっては、その煌びやかな舞台が、生涯忘れられぬ夜にもなり得るだろう。。。

シーズン4第8話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第9話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 プロム(あらすじ)

休校が明け、ジャスティンはクスリの副作用に悩まされている。
彼はクレイの忠告にも耳を貸さず、びっしょりと汗をかいた服のまま、ベッドから出ようとはしない。。

それぞれの生徒を自室に呼び、事件の究明に乗り出す学長。
彼は、手始めに呼んだザックを停学処分にし、プロムの中止と暴動のきっかけを探るも、生徒会長のジェシカからは強い反発を受け・・

ネバタ大からのスポーツ推薦枠のオファーをケイレブは必死に説得するも、修理工場を守りたいトニーは、それに応じず。。

ジェシカの部室にやってきたディエゴは、暴動の中、彼女の身を守ろうとしたジャスティンの真意を探るも、彼女はそれに答えようとはしない。。

カウンセラーに自分のトラウマを打ち明けたクレイは、解離性障害である事を受け入れた上で、未だ自分達の秘密を打ち明けようとはせずに。。。

その夜、クレイの部屋に集まった仲間に、彼は自分の病状を告白。
彼らは一様に頭を悩ませながら、ブライスの事件の隠ぺいと、モンティーへの冤罪計画が明るみに出ない為の対策を議論する。
やがて、プラムの開催をカモフラージュにして、それぞれの抱え持つ秘密を一部だけ親に打ち明け、自分等の味方に付ける事を提案するチャーリー。。

 

翌朝クレイ達は、それぞれの親に真実を告げる。
クレイは、その解離性障害の末、引き起こしてきた事件を。
ジャスティンは、彼らの物を盗み、再度クスリに手を出してしまった事を。。

リバティ高の後援会会長を務める父親に、自分がバイセクシャルである事を告白するチャーリー。
彼の父は、おくびなくその兆候を察していた事を伝え、変わらぬ父子の愛情を誓う。

嘆願書を携えたジェシカは、校長室へ。。
彼女は、SNSで拡散された警察の過剰対応への非難の声をチラつかせながら、その暴動の全責任を自分が負う事を条件に、学長による捜査の中止と、プラムの開催を校長に詰め寄る。。

 

公にBFとして、アレックスの家族に紹介されたチャーリーは、明くる日その喜びから、彼をプロムに誘う徹底抗戦を開始。
写真を整理する側ら、何気なくハンナの写真を見つけるエステラに声をかけたタイラーは、思いがけず彼女にプロムの同伴を快諾される・・

修理工で働くトニーの元へは、ドーナツを持ってやってくるケイレブが。
従業員等が見守る中彼がその箱を開けると、プロムに誘うケイレブの愛のメッセージが・・

タキシードに着替えたクレイは、アレックスの同伴で行くプロムにジャスティンを誘うも、彼はその重い腰を上げようとはせずに。。

 

盛大に飾り付けられたプラム会場へとやってくる面々。
売春婦を連れ、トイレでクスリに興じようとするザック。
思いを断ち切れないディエゴを袖に、颯爽とアニと連れ歩くジェシカ。
満面の笑顔を浮かべるチャーリーとケイレブとは対照的に、アレックスとトニーは、はにかんだ笑顔を浮かべる。

やがて、クレイの元へやってくるアレックスの父は、ブライス事件の捜査を続ける同僚ディアスの配慮を彼に伝えるも・・

 

DJブースのレコードが鳴ると、踊り始める生徒達。
自暴自棄に振舞うザックとジェシカの横で、アレックスはふとブライスを思い出す。。
その彼への憎しみが消えないジェシカと、慙愧の念が頭を霞むザック。
やがて彼は、青春を取り戻すかの様に、連れの女の元へと向かう。。

ひとりぼっちで感傷に浸るクレイの元へは、トニーとケイレブが。
彼は、偶然の重なった高校生活を振り返り、その奇跡的に培われた友情を、感慨深げに語り始める。

ブライス殺しの犯人を、再度追求しようとアニの元へやってくるウィンストン。
けれど彼女はその言葉をはぐらかし、救いようがない程悩み抜いてきた自分達の友情を、改めて、固く信じ貫いている事を彼に伝える。。

・・チークタイムが始まると、ウィンストンの前に現れるモンティーの幻想。
ウィンストンが、何も言わずにその差し伸べられた手を固く握ると、モンティーは彼の心の中に、その怒りを捨てる言葉を投げかける。。
やがて、熱い口づけを交わした後、会場を後にするモンティーの姿をウィンストンは見つめ続ける。。

 

会場も大詰めを迎え、プロムキングに選ばれるアレックスとチャーリー。
壇上で冠を戴く二人は、集まる生徒達の熱気に押され、熱いキスを交わす。。

その様子に触発され踊り始めるトニーとケイレブ。
タイラーの腕の中で、楽しそうに回るエステラ。
やがて、アニとジェシカが腰をくねらせていると、タキシードに身を包んだジャスティンがやってくる。。

・・チークタイムのスローな音色の中、二人は強く抱きしめ合う。

その様子を見詰めるアニはクレイに寄り添い、愛し方の分からなかった自分達の過去を振り返り・・・

・・楽し気に踊る生徒達に混ざれずにいるクレイの元にやってくる、彼の母親。

その親の持つ永遠の蟠りを告白する彼女を、クレイはダンスに誘い出す・・

 

やがてその盛り上がりが最高潮に達した時、ジャスティンは床に崩れ落ちてゆく。。。
 

 

 

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・・・そんな劇的なトコロで終わらせないでくれ!!

ファーストエピソードから垣間見せてきた葬式の伏線が、ここにきてそれがジャスティンなら、もう、今更誰かを責める気にはなれないけど、正しく、全員のトラウマとなる夜になりそう。。。

本当に今回の最終章の犠牲者がジャスティンだとすると、さすがにこれ、ブライスと二人の死を背負いこむ事になるジェシカは、一体どうやって立ち直れるんでしょう・・?

 

ナードを代表して、アレックスとチャーリーのゲイカップル誕生は、全力で応援したいトコロだけど、タイラーとエステラの方は、どうも現実味がなさ過ぎてあんまりしっくりきません。

・・それが例え、ハンナによってエステラにかけられた恋の魔法だったとしても・・w

 

それに引き換え、ウィンストンとモンティーのラストダンスはあまりに切ない。。。

淡白だったアニに説教を受けたウィンストンも、元はと言えば、それもすべてモンティーへの愛情ゆえの事。。

更に、思い返せばレイプ犯のモンティーさえも、性差別に苦しむ少年だったワケで。。

これをチャーリーの父の様に寛容に受け止めてもらえる環境さえあれば、或いは、彼らの未来は今と違ったカタチになっていたのかもしれない、なんて思うと・・・

高校のクセに、校長と学長とが両方出てきて随分ややこしかったけど、学長=ディーンが、このLGBTを受け入れられない世代の代表者として、対比させる相手が必要だったのだとしたら、それも納得しましょう。。

 

相変わらずのぼっちクレイが、母親をダンスに誘うシーンはちょっと気持ち悪いけど、親の立場になってみれば、その気持ちは凄くよく伝わってきます。

 

・・当たり前だけど、、

親から見れば子供は永遠に子供。。

 

その心の距離が遠のけば遠のく程、彼女の台詞通り、不安はどんどん膨らみ続けます。

・・ましてやクレイの様に、輪をかけて情緒不安定な子なら尚更。。

 

解離性障害なんて病気の枠で括られても、彼が人の愛し方がわからなくなったその原因は、結局やっぱり、救えなかったハンナの自殺にあるのでしょう。

 

いよいよ残り後1話迄きて、クレイ達はその秘密を隠し続け大人になれるのか・・・?

その砦となる最大のキーマンが、未だに書類の内容を明かされないザックだと、やっぱり彼らの友情は、ここで途切れちゃうんでしょうか・・・?

 

『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第8話の私的な感想―トニーの決意―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode8/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 声を上げるムーブメント

泣いても笑っても残り後3話。。


正直、あまりにティーン向けの描写が多過ぎて視聴を躊躇う事も多々あったけど、その切実な怒りと訴えが滲み出るこのドラマから目を離す事が、どうしても出来なくて・・

 

とは言え、今回の『13の理由』に、ツッコミどころは大いにある。

 

子供向けの妄想シーンが多用される為、物語の中心であるはずのクレイからはどんどん現実味が薄れ、構成を短くまとめた10話編成が仇になったのか、主要人物の掘り下げ方もあまりに浅い。

極めつけは、今回のシーズンからは、サスペンス要素がからっきし無くなってしまった。。

これ迄の様な、シーズン全体を覆いつくすミステリアスな”新犯人”の存在自体が欠如してる為、スリルとサスペンスだけを求めるライトな視聴者層が、このドラマから離れてしまった事も十分に頷けてしまう。。

 

だけど、図らずも時代は、声を上げるムーブメントの真っただ中。

ミネソタでの黒人圧死事件に端を発したその渦中のアメリカでは、コロナで抑圧されてきた鬱憤も相まって、次期大統領選挙戦にまで影響を与える程の激しい怒りの声が、国中に吹き荒れている。

 

いじめや差別、それによって引き起こされる国家権力の暴走は、デモという個人の主張の場がない限り、改悛する事はない。

 

大国の主張する民主主義に寄り添って生きてきた日本人は、何時からか、この間違いに奮起する勢いをすっかり失った。

 

今回のエピソードは、そんな斜め上の角度から迷走する社会を見守る日本人に、暴徒化する若者の心理を群衆視点から、ほんの少しだけ身近に感じさせてくれるはずだ。

シーズン4第7話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第8話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 合否(あらすじ)

クレイの夢の世界。。
西暦2161年の未来で、ロボットに淘汰されかけている人類側のレジスタンスとして、クレイは必死の抵抗をみせる。
彼の相棒を努めるのは良心の芽生えたサイボーグブライスと、離反後に復帰したアニ。
やがて、次々と倒れる仲間達の手を握りながら、ふとクレイの心に疑念が生まれる。。

 

タイラーが警察のおとり捜査に協力していた事を知り、愕然となるトニーとクレイ。
やがて、それぞれの家庭に大学の合否通知が送られてくる。。

滑り止めの大学からの結果通知を待つジェシカとは対照的に、アレックスは名門大学に合格。
しかし、その蟠りを彼の父であるスタンダールに告げると、彼は息子の懸念を精一杯和らげようとするが・・

ジャスティンの合格通知の届いたジェンセン家では、その褒美としてゴードン・ライトフットのコンサートに行くという話題が。。
けれど、クレイ達が隠語に使っていたそのフォークシンガーの名前を両親が知っていた事で、二人は眉を潜め・・・

学校の暗室で見つけたブライスのテープを聴く、ディエゴ、エステラ、ウィンストン。
ジャスティンがジェシカの報復の為、ブライスを殺害したとの見解を語るウィンストンに対し、エステラはその彼の真意に、僅かな疑念を抱き始める。。

ケイレブの家に移り住んだアニの元には、9校からの合格通知が。
しかし、その全てが全額学費免除ではない事に頭を悩ますアニに、トニーはブライスの為の金を受け取る様促すも・・

ジェシカへの不信感が拭えぬまま、彼女の真意を確かめようとするディエゴ。
それを宥める様に彼にキスをする現場を、ジャスティンは窓外から切なげに見詰める。。

銃の不法所持の不起訴を条件に、警察への内密な捜査協力をしていた事を打ち明けるタイラー。
彼は、自分に疑いの目を持つその不信感を吐き出すと、クレイ達は言葉に詰まってしまう。。

サークル仲間に、校長から学校の安全対策案を求められていた事を打ち明けるジェシカ。
やがて、その行き過ぎた学校の対応に不満を漏らす仲間は、ジェシカの裏切りに落胆を示すも、アニだけはその彼女の失敗を庇おうとする。

レイシストなトニーの対戦相手の情報を知ったケイレブは彼に忠告を促すも、リングだけが唯一の公平な場だと信じ貫くトニーの決意は、揺らぐ事なく・・
・・パンチドランカーの様にマットに沈められるも、そこから何度も立ち上がる彼は、やがてようやくその相手をねじ伏せ、その雄姿に感銘を受けた大学のコーチからも、スポーツ推薦枠でのスカウトのオファーを受け取る。。

 

頻発する両親のデートに疑問を感じたクレイは、その不審な彼らの後を車で追う。。
・・夜な夜な保護者達が集まっていたのは、リバティー高の一室。
そこで彼は、親が子供の行動を把握するアプリを自分達の携帯に仕込んでいた事実を知る。。。

驚愕するクレイは、バラバラになりかけている仲間を招集しようとするも、万事休す。
やがて、唯一その呼びかけに応じたジェシカから、アニがブライスの母親と密会する現場を、アレックスが目撃した事を知らされ・・・

 

翌朝の高校では、痺れを切らしたディエゴがジャスティンに詰め寄る。
やがて、その一触即発の緊迫する空気の中、二人が喧嘩を始めようとすると、やってきた保安官は拳銃を取り出し、ドミニカ出身のディエゴだけを拘束。。

これに憤慨するジェシカとクレイは、校長と対峙。
やがて、全校生徒を連れ、彼らは学校の門を出る。

拡声器を持ち出してきたアニは、それをジェシカへ。。
彼女は集まった生徒達の前で、警察の介入する学校体制に強く反発の意を唱え出す。

それに呼応する声が広まる一方、校内に留まるザックとアレックス。
そして怯える事に嫌気のさした二人は、金属バットを片手に校内を走り回り・・

暴徒化する生徒達と対峙する学長らは、遂に校門前をバリケードで封鎖。
その立ち塞がる武装警官を前に、トニーが尻込みをしていると・・
やがてジェシカの合図で、彼らは詰め寄る警官に向かってモノを投げ始める・・・

窓ガラスを割り、校長室に立てこもろうとするザックとアレックス。
しかし、その机から自分の書類を見つけたザックは、アレックスだけを裏口から逃げ出させる。。

暴動へと発展していく現場で、次々に取り押さえられていく生徒達。
やがて、エステラやサイラス迄もが捕まった処で、追い詰められたジェシカは警官のヘルメットに唾を吐く。
すると、それに応戦する警官隊を前に尻込みするディエゴをかき分け、ジャスティンは勇敢に立ち向かって行く。。

動揺が広がる生徒達が逃げ始めると、拡声器を手にしたクレイが彼らの前へ。。
そして、その大人の欺瞞に怒りを覚える彼の声に、呼応する輪は瞬く間に広がり・・・

倒れたジャスティンに手を差し伸べるディエゴ。
タイラーを拘束しようとする警官には、躊躇しながらもトニーが応戦。
道端で気を失っているチャーリーを見かけたアレックスが彼を救い出そうとすると、その背後にあった校長の車が、突然、強烈な爆音を轟かせる。。。

 

事件の経緯をクレイに問うカウンセラー。
やがて彼が、校長から送られてきた動画をクレイに見せると・・

そこに写っているのは、彼の車を放火するクレイの姿。。
その呆然とするクレイの姿を、カウンセラーは鋭い目で見詰めている。。。

 

 

 

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・・・とうとうクレイの奇行がカメラに抑えられるハメに。。

この様子だと、他の数々の怪事件の犯人も、やっぱりクレイ?

ラストの学園紛争の様子はちょっとポップ過ぎるような気もするけど、まるで警察国家の様に、権力を行使するオトナに抵抗する子供達の躍動感を、久しぶりにドラマでたっぷり堪能出来ました♪

 

これまでの描写の中身が薄過ぎて、只の賞金稼ぎにしか見えなかったトニーのボクシングを続ける本当の理由が、人種やLGBTへの偏見からくる怒りだなんて、あまりに切な過ぎる。。

彼に、リングの上だけは「唯一の公平な戦い」だなんて台詞を言われちゃうと、数多の格闘技選手達の憤りを、そっくりそのまま代弁してるかのような気がして・・・

ケイレブに、“死を急ぎたがる子供”なんて茶化されても、彼が格闘技にのめり込む理由は、やっぱり、その虐げられたアイデンティティの確保なんだなあ。。なんて。。。

更に、その彼が暴動で逮捕される寸前の処で助け出す保安官も、きっとあれが大人の都合の中での、唯一の本音であってほしいな。。。

 

再びクスリに溺れ始めたジャスティンは、あまりに可哀そうでもう見てらんない。。

・・寂しさを紛らわす為のクスリで更に孤独になり、その孤独に耐え切れずにジェシカに告白しても、彼女は相変わらずの奔放ぶり。。。

てゆーか、ディエゴを監視する大義なんかどーでもいーから、いい加減そろそろもうちょっとジャスティンに優しくしてやろうよ。。

 

そんなビッチ女を取り合う男二人の青春ドラマが、いきなり変化するのも『13の理由』ならではの醍醐味。

黒人どころか、ドミニカ生まれのヒスパニック系ってだけで、さっそく校内で拳銃を取り出しちゃう保安官は、流石に誇張が過ぎる気もするけど、結局、武装する者がそれを最終手段に使おうとするのは当たり前の話で。。

その根底にある、自分と違う相手に対する恐怖心を克服しない限り、何時まででもこの負の連鎖が続く事を、人は何時になったら気づけるんだろう?

・・これを、気づいても直せない人の悲しい永遠の性みたいには思いたくないけど。。

おかげで、正直、どーでもいー正義感丸出しキャラだったディエゴが、肌の色だけでジャスティンと同じ土俵にも上がれない事で、彼を応援したくなる気にもなってきちゃいました。。。

 

・・因みに、進学を放棄し始めたザックが、アレックスを追い出す前に校長室で見つけ握り潰した彼の書類には、結局何が書いてあったんだろう?

 

ファイナルシーズン第9話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第7話の私的な感想―崩れるアニの仮面―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode7/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 ひとりぼっちの若者

いくら上辺を取り繕った友人達に囲まれても、十代は必ず孤独を感じる。

それは、経験の浅さからくる、彼らの世迷言なんだろうか?

 

残酷な大人の世界では、子供の純粋さがシンドイ時が結構ある。

例えば、漠然と怯えた顔で見つめられた時、貴方ならどんな言葉をかけられるだろう?

 

様々な社会の矛盾に突き当たった時、大人はどうしても、彼らの真っ直ぐな気持ちを受け止めきれない時が数多くある。

 

今回のエピソードでは、そんな俯瞰した立場で見守る大人達の常識に、若者達が率直に感じる疑問が盛り沢山。

その全ては、前回のクレイのナレーション通り、ひとりぼっちの若者が、人を救う事で自分も救われたいと願うからこその、切実でストレートなメッセージなのだけど。。。

 

シーズン4第6話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第7話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 大学の面接(あらすじ)

拘束された病室で、うわ言の様に面接試験に辿り着いた経緯を語っているクレイ。
彼は「狂っているわけじゃなく、只怖かっただけ。。」とジャスティンに零す。。

大学の担当者から面接を受けているタイラー。
面接官は、タイラーの銃の写真に感銘を受けるも、同時にその危険性をも指摘。
やがてタイラーは、その暴力性とそれに魅了される十代の儚さをも訴え・・

 

モンティーのアルバムから、ジャスティンがブライス殺しの犯人との憶測を立てたウィンストンは、ジェシカと親しくなり始めたエステラにそれを伝える。
校長と結託していると思われる事を恐れたジェシカは、彼のオフィスへ。
やがて彼女もまた、トラウマを植え付けただけの危機管理訓練に、激しく非難の声を浴びせるも・・
写真部の暗室では、その訓練の時のトニーの行動を激しく責めるタイラーの姿。
彼は、自分を信用出来なかったトニーに、その落胆と虚しさを隠し切れずに・・・

 

失禁した事を理由に拘束を外させたクレイは、そのまま自分の服に着替え病院を脱走。
シアトルから戻ってきたアニと再会を果たすも、彼女が自分の代わりに大学願書を添削して提出してくれていた事を知り、口論になってしまう。。

ジェシカとの関係が続くディエゴに痺れをきらしたジャスティンは、ザックの元へ。
彼が事件の真相の一部を洩らした事を理由に、ディエゴとの決着をつける様に促す。

自分を遠ざけるジェシカに気づいたアニは、トニーの家に引っ越す事を決意。
彼女はブライスとの関係を黙っていた事をジェシカに謝るも、無性に寂しくなる十代の女の性をそっと零す。。

 

行き場を失くしたクレイは、カウンセラーの元へ。
その落ち着かない状況の中、彼はカウンセラーに促され、自分が心の底から安心できた子供時代の頃の記憶を思い返す。。

 

ジェシカは、大学の面接官に自分が失くした友人達の事を語り始める。
そしてその一人だったハンナの死によって、自分の人生が大きく変化した事も・・

アレックスの父親に、実の母の死を知らされるジャスティン。
彼は強張った表情を必死に取り繕い、その行き場のない寂しさをどうにか堪えようとするが・・

回りが求める者に必死になろうとしてきたアニは、何気ない面接官の質問で、ふと心を搔き乱されていく・・・

やがて、そのアニのおかげで辿り着いた面接で、「他人が考えた正解や善に従いたくない」その本音を漏らすクレイ。
彼は間違いをしまくろうとも、友人を助ける為の信念だけは、決して譲ろうとはしない。

・・その夜、クレイの両親に実母の死を伝えるジャスティン。
彼は、その抑えきれない憤りを彼らにぶつけ、両親らもまた、その彼への手の差し伸べ方が分からずに・・・

ブライスの母の元へ礼を伝えにきたアニは、彼女から大学進学の資金を提供するオファーを受けるも・・

ブライスの死の真相とモンティーへの冤罪の理由を究明したいディエゴ達を、埠頭に呼び出すザック。
彼はディエゴを挑発し、その殴る彼の姿に、自分の犯した罪の残像を見る。。

タイラーに銃の密売容疑がかかっている事を悟ったトニーは、彼を尾行。
一時は自信を無くしていたクレイも駆けつけ、二人はタイラーの密会現場を抑えに入ろうとするが、そこへ急行してきた無数のパトカーに囲まれる。。。 

 

 

 

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・・・シーツを外し、剥き出しのマットレスの上で蹲るジャスティンは、あまりに衝撃的。

貧困の襲う暗い影が、胸に染みてきます。。

クスリが抜けても、自分の家族の惨めさを呪うこの心の貧しさに、また甘い誘惑が近づかない事を、唯々祈るばかり。。

てゆーか、そんな彼が究極の愛の告白をしたにも関わらず、ディエゴとの二股を止めないジェシカは、いい加減唯のSEX依存にしか見えないんだけど。。。

 

自信のないアレックスに精一杯寄り添おうとするチャーリーは、なんて健気なんだろう!

正直、アメフト部にさえ見えない優男のイメージだったけど、塞ぎがちなメインキャストの中で唯一のこのポジティブキャラは、何だか憎めなくなってきたなw

 

見せたい部分だけを回りに見せて生きてきた」なんて大学の面接官に独白しちゃうアニには、今更ながらちょっとだけ見直しました。

そんな彼女は、クレイの為に手直しして提出した願書のお礼も言ってもらえず、挙句にはジェシカにもすっかり疎まれてて。。

この辺の、自己中だけど人と関わる事で価値観を変えていきそうな、どこか日本の女子大生っぽいトコロには凄く親近感が湧いてくるけど、彼女、何時の間にブライスとの関係がジェシカにバレたんでしたっけ・・?

その唯一の救いは、彼女に手を差し伸べそうなブライスの母親だけど、そのブライスとの情事を悪事の様にジェシカに告白してる時点で、結局本人の台詞通り、人の顔色ばかりを伺い続ける呪縛からは、逃れられてない気がするんだよな。。

 

今回は、前回のエピソードのインパクトが強過ぎて、イマイチ集中できなかったけど、アレックスの父親ともしっかり繋がってるタイラーを、トニーは自己保身で何時まで疑い続けるんだろう?

ファイナルシーズン第8話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第6話の私的な感想―タイラーの流す涙―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode6/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 我慢する背中

昔の大人は、我慢する背中を見せながら子供を育ててきた。

それによって培われる向上心や忍耐力を信じて。。

 

舶来する文化によって、幾度も価値観を狂わされてきた自分達日本人の間では、それは唯一守り抜く事のできた美徳にもなった。

 

だけど、力で押さえつける文化の発達した欧米では、その事情はちょっと複雑になる。

彼らの作り出した規制や法律、或いはその哲学の中に、他者との共存理由はない。

言い換えれば、自分達の価値観と違う文化によって強いられる苦役があっては、その過酷な生存競争に打ち勝つ事ができなかったからだ。

それが、幸福の対となる資本主義の限界に繋がるとは気づかずに・・

 

ようやく中盤に差しかった今回の『13の理由』は、これまでのシーズンでもそうだった様に、ちょうどここら辺から大きな転換期を迎える。

青春グラフィティドラマから少し毛色を変え、欧米社会に渦巻く憂鬱の正体を、このエピソードを皮切りに、ゆっくりと浮き彫りにしていく。。

その最たる矛盾は銃規制の問題

数多くの悲劇を生み出してきたこの諸刃の刃は、我慢を強いられてきた反動によって鬱屈した思春期を迎える少年少女の心を、露悪的に切り刻んでいく。。。

シーズン4第5話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第6話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 木曜日(あらすじ)

救命救急の授業を受けているクレイとジャスティン。
ザックの事故現場の残像が頭にこびりついて離れないクレイをよそに、その人形の銃撃痕に、迅速な応急処置を施すタイラー。
そしてその様子を、トニーは訝し気に見詰める。。

自らの無力感に苛まれるクレイは、改めてカウンセラーの元へ。
やがて彼は、救えなかった相手に対し、自罰的な兆候のあるクレイの本質を見極める。

 

銃の売人とタイラーが密会していた現場を目撃した事を、ジャスティンに告げるトニー。
エステラに近づき始めたウィンストンは、モンティーのイヤーブックを入手。
動転して事故現場から逃走していたクレイは、ザックから絶交を告げられ・・

やがて新任の学長から、校内に非常事態を告げるアナウンスが流れる。。
動揺する生徒達を尻目に、タイラーが姿を消した事を察知したトニーは、アレックスとチャーリーにその懸念を打ち明け・・・

コーチの引率で、部室に籠るアメフト部の生徒達。
エステラはトイレへ、ジェシカはサークルの部室へ、タイラーへの疑念が晴れないクレイは、彼に無事を確認するメールを打ちながら、理科室に閉じ籠る。
やがて、クレイの元へやってくる幻覚のモンティー。。
彼は怯えるクレイに寄り添い、自分が刑務所で体験した恐怖を伝える。。

写真部の部室に閉じこもっていたザックに、その傷の痛み止めとして、強力な鎮痛剤を手渡すウィンストン。
不安に駆られたトニーは、物色したタイラーの鞄からマシンガンの写真を見つけ出す。

恐怖心が広がってゆくクレイの元には、やがてブライスの幻覚も。
クレイの自我は、その二人の言葉に惑わされる様に、徐々に崩壊を始める。。

トイレの個室に閉じ籠っていたタイラーを見つけるエステラ。
彼女は、その兄から受けたレイプの残像に怯えるタイラーに、そっと励ましの言葉を投げかける。

アニの留守電に、ふと懺悔の気持ちを吐き出すジェシカ。
ハイになったザックとウィンストンは、アレックスへの感情を本音で語り合う。。

 

やがて校内に、どこからともなく銃声が響き渡る。。。

過呼吸を起こすアレックスの両手を握り締めるチャーリー。
銃撃犯の心理を語り合うタイラーとアステラ。
シアトルにいる母親と電話で会話するジェシカは、精一杯の作り笑いで、その不安を打ち消す。

戦闘準備の体制を整えるディエゴは、銃撃犯を捕まえる事をコーチに提案。
しかし、その奮起しようとする決意をコーチにたしなめられた彼は、その怒りの矛先をやがてジャスティンに向け・・

死を覚悟したザックは、ブライスを痛めつけた事の告解をウィンストンに語る。
トニーは、学長にタイラーの銃の写真を届けるも、彼はその対応を直ぐに始めようとはせずに・・

悩みから救われなかった者の言葉を、代弁するブライスとモンティーの幻覚。
やがて、その妄想に追い詰められていくクレイは、表に出る扉の鍵を開ける。。

恐る恐る廊下を歩くクレイの前に立ち塞がるもう一人のクレイ。。
その襲撃犯の恰好をした彼の手にするマシンガンで、クレイは撃ち抜かれる。。。

妄想に戸惑うクレイを、自分の部屋に連れ戻す校長。
彼はその全てが訓練だった事を明かし、昂ったクレイのその感情を鎮めようとする。

ジェシカが閉じこもる部室へとやってきていたジャスティンは、封じ込めてきた彼女への思いを遂に告白。
やがて二人はその究極の緊張感の中、久方ぶりの口づけを交わす。。

後遺症に悩まされるアレックスに寄り添おうとするチャーリー。
そして彼らもまた、深い安堵の中、初めての熱い口づけを交わし・・

 

封鎖が解除された学校の廊下で、激しい剣幕で校長に詰め寄るクレイ。
やがて、激昂する彼を取り押さえようとした保安官から、彼が銃を取り上げ声高にその矛盾を叫び始めると・・

呆気なく取り押さえられ、混濁する意識の中を彷徨うクレイ。。
彼はストレッチャーに縛り付けられ、全校生徒が無言で見守る中、そのまま外へ運び出されていく。。。 

 

 

 

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・・・今回のシーズンで、まさにベストエピソードと言える程の衝撃でした。。

人を救う事で自分も救われたいと願う彼らの切実な願望は、やさぐれた自分の心理とまるっきりおんなじで、ちょっぴりこっ恥ずかしくなってきた。。。

 

・・コレ、本家の銃問題で苦しむアメリカの若者達の間では、どんな受け止められ方をするんだろう?


40分以上の尺を使って、学校での銃乱射事件の真相を掘り下げる内容は、シーズン1の自殺する過程を克明に描いた時と全くおんなじに、ちょっとした波紋を広げそう。。

僕らは危機の中にいる!」と声高に叫ぶクレイの台詞は、多分今回のファイナルシーズン全編を通じて、製作者達が必死に訴えたい心の叫び声にも聴こえてきました。。。

 

・・期待を裏切られる事を極度に恐れる十代の若者は、やっぱりクレイやトニーの様に、どうしても過ちを起こしかけたタイラーの事を、信じ貫く事は出来ないのかな。。

 

そんなタイラーのトイレの個室での独白は、心の痛みを止めたいあまりに、実際の銃撃犯にならざるを得なくなってしまった同じ犠牲者の悲痛な叫びそのまま・・・

 

ビッチ化してきたジェシカにはほとほと愛想が付きそうだったけど、死を間際にしても、親に助けを求めないいじらしさのせいで、あまりにも可愛く見えてきちゃうじゃないか!

・・でもこれが、本当に追い込まれた時の子供のホンネだとすると、ちょっとトラウマに感じてしまいそう。。。

 

それでも、、

幻覚というよりは、もうはっきりとクレイのソウルメイトの様に、彼のメンタルを追い込むメタファ的に登場するモンティーとブライスがお互いの顔を見つめう瞬間に、どうしても吹き出してしまいそうな衝動に駆られたのは、自分だけでしょうか・・?

ファイナルシーズン第7話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第5話の私的な感想―クレイの初めての夜―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode5/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 死が身近にある者

ファイナルシーズンを迎えた『13の理由』を見て、そのアメリカナイズされた高校生活に実感の湧く視聴者は、いったいどれくらいいるんだろう?

シニアキャンプやダンパ(死語w)の様子、或いはその日常に溢れる大麻やヘロインの実態を見せられても、ここら辺は大分パーソナルな本物の高校生の私生活の話なので、スポイルされた日本人には若干想像しづらい。

 

アメリカは自由を重んじると共に、過剰な程自己防衛本能が強い国でもある。

 

自殺者や殺人事件が後を絶たない架空のリバティー高に、金属探知機や監視カメラ、更には保安官が校内を歩き回る様子も、銃という凶器を身近に持つからこその、精一杯の自衛手段。

初心でナイーヴながら、その日を生き抜く事に精一杯の十代の心を覗き見れない大人は、そうして彼らを雁字搦めに縛ってゆく。。

このアフターコロナの世界にそっくりな日常で、学生達はどうやってその溜め込んだストレスを発散するのだろう?

今回は、そんな日本よりもずっと死が身近にあるアメリカの若者が、ちょっとハメを外し過ぎるそのリアルな現状に、ピンスポットで焦点を当てたエピソードだ。

シーズン4第4話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第5話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 ハウスパーティー(あらすじ)

一心不乱にブライスの死んだふ頭迄、ランニングをしているクレイ。
その彼の動向に不安を感じた両親は、ジャスティンも含めた二人に薬物検査を受けさせると・・
陽性反応の出たリトマス紙を見詰め、罪の擦り付けあいをするクレイとジャスティン。
やがてグラウンドを受けた二人は、その口論の途中で、親の監視の目が以前よりも鋭くなっている事に気づき始める。。

やるせない感情の込み上げるジャスティンは、アメフト部のコーチの元へ。
彼は涙ながらに、自分がクレイの家族に信用されていない事を訴える・・

ビーチャーの家で行うはずだったパーティーが親達にバレて中止になり、生徒達の情報が親に筒抜けになっている事を確信するジェシカ。
彼女は仲間を招集し、その真偽を確かめる為、クレイはサイラスの元へ。。
その夜、校内の監視カメラは、何者かの手に寄って壊される。。。

カウンセラーの前でも、身の潔白を声高に主張するクレイ。
その様子を見たカウンセラーは、クレイが薬物使用とは別の後ろめたさを抱え持っている事を察し始める・・

サイラス等の助力によって、親の目を盗んでのホームパーティーを開催させる事に成功するクレイ達。
ウィンストンは一気飲みゲームでジェシカに挑戦し、クレイはサイラス達とボングを回し合い、大麻で束の間の休息を過ごす。
その様子を見つけたジャスティンは、クレイにきつく忠告を促すものの、逆ギレする彼の心はそこに在らず。。

やがてエステラを壇上に挙げ、ディエゴがモンティーへの献杯のスピーチを始める。
ふと、クレイ達の周りに張り詰める緊張感。
険しい表情を崩せないジェシカは、そこでモンティーの幻覚を見る。。

大麻入りクッキーをつまみながら、チャーリーの身の上話に耳を傾けるアレックス。
その高揚感の中、アレックスはチャーリーの秘めた孤独を感じ取り・・

ザックから口説きの言葉を伝授されたクレイは、物陰から自分を見詰る女子の元へ。
ヴァレリーと名乗るその彼女と意気投合したクレイは、やがてとうとう念願の初体験を済ませる事に・・・

 

タイラーをセコンドに付けたトニーは、保安官に勧められたボクシングのリーグ戦へ。
劣勢の中、駆けつけたケイレブのアドバイスもあり、彼は辛くも初勝利を収める。

 

ピアノを弾き語るザックの元へは、久しぶりにクロエが顔を見せにくる。
その愛おしい表情に、思わずキスをするザック。
けれど、彼女に新しい彼氏がいる事を知ったザックは、その思いつめた気持ちをクロエに告げる間もなく、恋に破れる。。

無神経なクレイの態度に、ジャスティンは酒に溺れる。
やがてやってきたジェシカに、実母からの連絡がきている事を伝える、その彼のやりきれない表情。

タイミング悪くやってきたヴァレリーの元カレと殴り合いになるクレイは、威嚇するように周りを恫喝し始める。
やがてその彼の焦る様子を察知したウィンストンは、エステラとディエゴに自分とモンティーとの複雑な関係を打ち明ける事を決意。

 

ザックとの賭けに勝利したクレイは、彼の運転で国道を走り抜ける。
童貞を卒業した解放感から、次第にその気持ちが昂っていくクレイ。
彼は、ザックの制止する言葉も全く耳に入らずに、アウディのスピードを徐に上げて、ガードレールを飛び越える・・・

 

 

 

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・・・マジ!?サイラス。。未だに、ケータイよりemailが主流な自分はガラパコス・・・?

同ジャンルのはみ出し者だと思ってた彼に言われた台詞が強烈過ぎて、そのショックから当分立ち直れそうにありません。。。

 

ハッパとザックの力を借りて、いよいよ等々ようやく童貞を卒業できたクレイが、本当の母親の事を言い出せないジャスティンにあまりに辛く当たる様子を見て、彼を素直に応援できる視聴者ってまだいるんでしょーか?

元々、主役のクセにあまり好感度のあるキャラじゃないと言えど、そのセックスで自信をつけて傍若無人に振る舞う様子は、ジェシカをレイプした頃のブライスに全くもって瓜二つ。。

無神経にディエゴを誘って、ジャスティンの働くモネにやってくるジェシカも含め、どーしてこーも若い子って他人の気持ちがわかんないんでしょう?

まだ半分のエピソードだから、ラストのカークラッシュで誰かが死ぬ事はないにしても、そろそろサイコパス過ぎるクレイを本気で嫌いになりそうで、正直困ってます(^^;

 

そんな好き勝手に振舞うメインキャスト達はほっといて、個人的には誰あろう酒浸りのザックに、今回は一番感情移入できるエピソードだったな。。

渋く低い声でお茶らける彼は、これまでやさぐれ始めた本当の理由が、実のトコロよくわかりませんでしたが、まさか、クロエに片思いしてたなんて。。。

これまでの経緯で恋に落ちちゃうのはしょうがないにしても、クロエの元カレのブライスを死に至らしめる原因を作ったのは、やっぱりザックだもんな。。

その、複雑なキモチをグッと堪えてきた彼を思うと、もうたまらなく切なくなる!

ついでに、その気持ちを無言で伝えた瞬間にフラれるってシチュエーションも、なんだか、昔の自分の事を思い出してしまいそうな・・・w

 

傷心のアレックスは、ウィンストンよりチャーリーの方が合ってる気がするな。。

美少年キャラが二人かぶると、どうしても昔の薔薇族に見えてきちゃうしw

 

子供を信用できない親達の監視の目が、露骨に増えてきたエピソードでしたが、その息苦しさが若者を更に追い詰める事に、大人達は何時になったら気づけるんでしょう?

ファイナルシーズン第6話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第4話の私的な感想―アレックスの責苦―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode3/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 嘘つきの絆

嘘をつくと、人が信じられなくなる。

それは当たり前の話だけど、罪悪感が心を蝕んでいくから。。

だけど、全ての事に正直である必要は本当にあるんだろうか?

 

素直である事だけを教え込まれてきた人は、ここら辺のニュアンスに苦しむ。

ましてや、純粋に人を思う心を忘れない子供なら尚更。。

 

結局、嘘で身を滅ぼしかけてきた自分が言うのもおかしいけど・・

保身でなく、誰かを守る為につく嘘は、必ず必要になる時がくる。

それで自分自身が、どれだけの責苦を追うハメに陥ろうとも。。

 

今回のエピソードは、そんな人生の呪縛に初めて捕らわれた子供達が、互いのか弱い心を只管保つ為、ひっそりと絆を深め合うそんな御伽噺だった。

シーズン4第3話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第4話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 卒業前のキャンプ旅行(あらすじ)

葬式に登壇し、悲痛な面持ちでスピーチをしているチャーリー。。

 

クレイとディエゴの処分を話し合う生徒会。
とうとう仲間にもその醜態を晒したクレイは、一段と自らの殻に閉じこもってゆき・・

自分の強さが足りない事を恐れてると、カウンセラーに洩らすクレイ。
やがて、トニーを始めとした仲間全員に、クレイのアカウントから意味深なメールが送られる。。

二泊三日のシニアキャンプ当日。
モンティーに罪を着せた事の自白を求めるその内容に、クレイは気が気でない。
彼はジェシカに近づくディエゴに詰め寄るも、逆に脅迫を受け・・
ウィンストンとモンティーの関係をクレイから聴かされたアレックスは、自分に好意を抱くウィンストンにも、猜疑心が広がってゆく。

初日を終えた夜。
キャンプファイヤーを囲み、モンティーの死を嘆くディエゴ。
その様子を横目に、クレイは徐々に体を強張らせていく。。

翌朝のオリエンテーションで、積もる不安を爆発させるクレイ。
けれど、そのパートナーだったジャスティンは、不意に姿をくらまし・・

アレックスとパートナーになっていたジェシカは、ディエゴとの関係に不満を漏らす彼を一笑に付すも、宝探しに彼女が手を突っ込んだ古株からは、大量の蛆が・・・

キャンプの引率を努めていたクレイの母レイニーは、生徒達のオリエンテーションのヒントが、まるごとゴミ箱に捨てられているのを発見する。。

何者かに捕まり、洞窟の中に閉じ込められるクレイ。
混濁する意識の中、彼は妄想の世界で、モンティーと対峙する自分の姿を垣間見る。
モンティーの告解に耳を傾け、自責の念に駆られるクレイ。。
「自分の事を許せるか?」と言うクレイの問いかけに、「僕は許す必要がない」とだけ答えるモンティー。。

傷心のアレックスは、湖畔でサボっているザックの元へ。
二人は船で沖へと漕ぎ出し、募る不満をぶちまける。
すると、ふとした拍子に船から落ちてしまうアレックス。
水中をもがく彼は、そこで彼にしがみつくブライスの幻覚を見る。。

チャーリーと出くわしたジャスティンは、二人で廃屋の山小屋へ。
すると怯え切った様子のディエゴ達アメフト部の面々も、そこへやってくる。

アレックスとはぐれたジェシカは、森の中を独り彷徨っている。
やがて、どこからともなくブライスの残したテープが聴こえ始め、強張るジェシカ。
すると、彼女の目の前に現れたブライスの幻覚は、大量の虫をの口から吐き出す。。

父親に、ブライスの幻覚が伝えたその苦しみを語るアレックス。
彼は、その張り裂けそうな感覚に耐え切れなくなり、自白をする決意を固めるも・・

ジェシカが合流し、闇夜の中、何者かに小屋に閉じ込められる面々。
するとそこへやってきたザックにより、失恋したアレックスがいよいよ追い詰められている事に気づかされる。
そして更に、ブライスが死んだ夜、ウィンストンがモンティーと一緒に居た事を知らさされ、同時にクレイとアニがそれを知っていた事までもが発覚・・

 

最後のキャンプファイヤーを囲む晩。。
暗黙の了解の内に、改めて嘘を隠し通す事を誓い合うクレイ達。

その夜、クレイのテントにやってきたウィンストンは、いきなり硬化させてきたアレックスとタイラーの態度を見て、モンティー殺害の黒幕が彼らの仲間の中にいる事を確信する。。。

 

 

 

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・・・クレイやジェシカに迄見えていた幻覚症状が、等々アレックスにも。。。

ブライスを見殺しにした張本人でもある彼が、これまであまり辛そうには見えてこなかったのでいいんだけど、うーん、何て言うんだろ?この妙に冷めちゃう感覚は・・・

 

森が動く”で有名な、マクベスのバーナムの森を引用してきた辺りから、どうもきな臭いニオイがしてましたが、キモチワルイ虫が這いずり回る演出は、ちょっと見てて耐えらんない。。

そーゆー不安障害に陥る様子を、ビジュアルじゃなくてストーリーで見せるのが、このドラマの醍醐味じゃなかったっけ・・?

 

疑心暗鬼っぷりに拍車のかかるクレイの様子も、いい加減食傷気味。。

おまけに後付けの様に、ビッチ化するジェシカにディエゴ達の真意を探るなんて言い訳を付け加えてきたけど、やっぱり彼女は純粋に、セックスレスから男を漁ってる様にしか見えないんだよな。。。

 

彼女達を山小屋に閉じ込められるくだりも、まるでB級スリラーそのまんまの様な設定で、もう、なんて言ってあげたらいいか。。。

 

“幸せ”なんて概念が俺らを不幸にする」と言うザックの台詞だけは、全くもって同意するけど、どうもティーン向けドラマにありがちな設定が多過ぎて、ストーリーが中々頭に入ってきませんでした。。。

 

・・それにしても、アレックスの父親を始め、どうも彼らを取り巻く大人達の動向が、以前より大分表立ってきている様な気がしてます。

ひょっとして、ジェシカ達を山小屋に閉じ込めてビビらせてるのは、自分の子供だけを守る為に、仲間割れを画策する誰かの親の仕業にも見えてきちゃったりして・・・w

 

ファイナルシーズン第5話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第3話の私的な感想―クレイの選択―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode3/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 カタチのないものの証明

愛とか恋は、いくつになっても難しい。

年を取ればもう少し冷静に対処できる様になると思ってたけど、どうやらそんなマジックは結局ないらしい。。

昔ほど情熱的な感情は薄れても、それは多分、守るものが少しだけ増えた分、臆病になってきただけ。。

 

恋愛は、間違わないと気付けない事が山ほどある。

それは、必修科目にはないカタチのないものを証明する初めての体験だ。

 

ほろ苦い思い出は数多くても、甘酸っぱい青春の記憶が全くない自分にとっては、気恥ずかしながらも、顔も思い出せなくなった彼女達の名前だけが、今回のエピソードを見ながら、ふと頭に蘇ってきた。

シーズン4第2話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第3話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 バレンタインデー(あらすじ)

クレイの携帯に掛かってくる何者かの声。。

監視カメラ迄取り入れ、警備が強化されていくリバティー高にクレイ達は登校する。
クレイは脅迫電話に怯え、彼をバレンタインパーティーに誘うアニの言葉も耳に入らず。。
やがて、写真部の暗室に閉じ込められたクレイを、再び悪夢が襲う。

クロエからの連絡を受けたジャスティンは、ザックの元へ。
彼は悩みを打ち明けようとしないザックを、アメフト部のミーティングに誘う。
同好会仲間の女子達に、パーティーの誘いを断られたジェシカはアレックスの元へ。
彼女は取り戻した人生を楽しみたいと訴えるも、アレックスにもその誘いを拒まれ・・

疑心暗鬼のまま脅迫電話に従い、ザックに喧嘩を売るクレイ。
ジムの練習に来ないタイラーを訝しく思うトニーは、やがてその動向を追い始め、彼と保安官ステンダルとの仲に、やがて疑いの目を向ける。。

脅迫者に追い詰められていくクレイを、アニは必死に支えようとするも、彼はその優しさを信じられるまま、やがてカウンセラーの元へ。。
「相手の本性を知ると、愛も幻想も消える」と嘯くクレイを嗜める彼は、それでも人は誰かを愛してしまう自然の摂理を説くも、憑りつかれた様に思い悩むクレイの耳に、その言葉は届かない。。

 

バレンタインパーティー当日。
チャーリーを誘いパーティーに参加していたジェシカは、そこで皮肉にも、自分に好意を持つディエゴにその彼女の偏見を見透かされてしまい・・
アレックスはウィンストンへの気持ちを抑えきれずに、彼と熱いキスを交わす。。

コーチからの紹介で、バプテストの自助会に参加していたジャスティンは、チャーリーからのメッセージでパーティー会場に駆けつける。
すると、ジェシカは彼に当てつける様に、ディエゴと濃厚な口づけで絡み合い・・

アニの制止も振り切り、脅迫電話でグラウンドにおびき寄せられるクレイ。
やがて彼はそこで、死の間際のモンティーの幻覚を見る。。
動揺するクレイの周りに集まるアメフト部の面々。
モンティーの復讐に燃えるディエゴは、そんな彼をきつく戒める。

放心状態のまま彼がパーティー会場に戻ると、その血だらけの様子に一同は愕然。

アニは言葉少なげに、そんな彼を見捨て去って行く。。。
 

 

 

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・・・オトコって、なんでこんなに馬鹿なんだろ。。。

いくら愛がわかんなくても、手を差し伸べてくれる相手には、素直に甘えちゃえばいいじゃん。。

・・まあでも、こんな自分のずる賢さも、オトナになって初めて気づけたワケで・・(^^;

 

インサート映像でも差し込んでくれないと忘れちゃいそうだけど、クレイはやっぱり死ぬ程ハンナが好きだったんでしょうねえ。。。

彼が、カウンセラーにどれだけ説得されても自分の愛した経験を認められないのは、ハンナを救えなかったトラウマによるもの。。。

・・まあ、アニが淡白に逃げ出すのは何となく予想がついてたので、傷口が浅く済んだと割り切れればいいけど。。。

 

アレックスとウィンストンの恋模様は、もう少し温めてみてほしかったな。。

少し穿った目で見ちゃえば、アレックスの傾きだした恋愛観は、ジェシカに認められない事による反動なのかもしれないですし。。

トニーやウィンストンの様な根っからのゲイでもない限り、どうしても10代の揺れ動く恋心は、その根っこから、どうも危ういような気もするんだよな。。

 

ジェシカはあれだけレイプ被害者の存在感を強めてたのに、まさかモンティーの親友?のディエゴに墜ちる?

描写が全くないのでわかんないけど、彼の親友ならブライスともマブなワケで・・・

おまけに、せっかく自立したいい女キャラに育ったのに、いくら何でも、ジャスティンの目の前であんなコトする?

 

クレイの疑心暗鬼にすっかり毒されたトニーは、アレックスの父親とタイラーとの密会現場を目撃したけど、これはあまりにきな臭い。。

個人的には彼が一番好きなキャラなので、あまりデリケートなトコ嗅ぎまわると、強制送還された両親にも影響を及ぼすような気がしてきてしまって・・

そんな彼に、いつの間にか興味を持った新キャラ保安官テッドだけが、唯一の救いにならなきゃいいけど・・・

 

神出鬼没に登場するディエゴが、クレイを追い詰める黒幕の正体じゃあまりにあっけなく、そんな彼らを股にかけ、飄々と弱いオトコを見捨てる女のコワさだけが、やけにインパクトに残った、随分ほろ苦いエピソードでした。。。

 

ファイナルシーズン第4話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第2話の私的な感想―ジャスティンの葛藤―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode2/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 学生時代の葛藤

今回の『13の理由』は、今までのサスペンスタッチと若干テイストが違い、妙に子供達の周りを取り巻く大人達の様子が、克明に描かれている気がする。

クレイとジャスティンを、懸命に分け隔てなく愛そうとするジェンセン夫妻。
アレックスの罪を僅かに察しながらも、それを何とか守り抜こうとする彼の父親。
一見クールで、他人に干渉しない生き方を教えるアニの母親でさえも、きっとその自分達の経験した挫折を、子供達に味合わせたくないからなんだろう。

 

だけど子供は、失敗をしない限り何も学ばない。

極論で言えば、他人に殴られない限りその痛みは伝わらないし、火傷をしない限りフライパンが熱いという感覚さえ、肌では覚えられない筈だ。

 

そうして、困難を自分の力だけで乗り越えた時に初めて、相手の痛みを察する事の出来る想像力が生まれる。

 

今回は、そんな大人達が意識的に忘れようとしてきた学生時代の葛藤が、いやという程てんこ盛りのエピソードだった。

シーズン4第1話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第2話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 大学見学(あらすじ)

憎しみや怒りが溢れる社会の現状に嘆く牧師の姿。。

6ヵ月前のテロップ。
夜中に大学願書を作成しているクレイ。
するとモンティーの番号からの着信が、そのラップトップに届く。。
やがて、何者かの気配を感じ彼が部屋を出ると、シンクの蛇口が開かれている。。。

 

翌朝クレイ達が登校すると、校長室に”モンゴメリーは利用された”という落書きが。。

冷静を保とうとするジャスティンは、ジェシカの元へ。
けれど、フラれた蟠りを抱える彼女は、その優しさを理解出来ない。。
自分のロッカーに落書きと同じインクの跡を見つけたクレイは、アニに相談。
しかし彼女が優しく宥めても、クレイの心に生まれた疑心暗鬼の心は膨らんでいく。。
爪に赤いペンキの残るトニーを見かけた保安官は、彼を問答無用で尋問し始める。。

大学見学へ向かうバスの中で、転がってきたスプレー缶を拾ってしまうクレイ。
トニーやアニ等の心配を他所に、彼はそれを思わず鞄の中にしまってしまう。。

サンダーソン大に着いた生徒達を迎えるのは、学部長を努めるのはクレイの父マット
やがて引率の校長の目を盗み、スプレー缶を捨てようとするクレイだったが、そのタイミングを逃したまま、サークルの部室に潜り込もうとするザックの後を追う。
そこで彼らは、促されるまま飲み比べゲームに興じていると、階段脇に泥酔した女学生の姿を見つける。

朧げな意識のまま、その彼女を連れ部屋に向かう大学生の後を追うクレイ。
すると、泥酔し意識を失っている彼女を、襲おうとするブライスの幻覚が見える。。
クレイはそれを咄嗟に止めようようとするも、ふと自分が興奮している事にも気づく。やがて、その不自然なクレイの様子を見つけた彼氏は、逃げ出そうとする彼の後を追い、クレイはザックもろとも、その場の大学生等に取り押さえられる。。

冷静を装い、紳士的に振舞おうとするジャスティンに、苛立ちを募らせるジェシカ。
アレックスに近づこうとするウィンストンは彼の自殺未遂の過去を知り、やがてその同情心から恋心が芽生えそうになるも・・

迎えにやってきたマット達の前で、ジャスティンへの嫉妬心が芽生え始めるクレイ。
彼がその執着をジャスティンに向けてぶちまけると、クレイの家族に劣等感を覚えていたジャスティンとの溝は、徐々に広がっていく。

モネにやってきたウィンストンはアニの元へ。
その真正面からの追求にも、話をはぐらかすアニの態度を見て、ウィンストンは彼女達が誰かを庇っている事を確信する。。

トニーが練習するジムで、その彼の性癖を遡るアレックス。
カウンセラーの前で、自分の行動を顧みるクレイ。
エステラを誘いカフェにやってきたアニは、彼女達がそれぞれ、純粋に真相を究明する覚悟を持っている事を悟る。。

久しぶりに再会したクロエに、泣き言を洩らすザック。
ウィンストンへの気持ちを確かめる為彼を誘い出したアレックスは、その彼の純情な本音に、少しずつ惹かれていく。

 

冒頭のシーンと同じ様に、夜中PC画面に向き合っているクレイ。
やがて、再びモンティーからのメッセージが大量に送られてくる。

困難や挫折、失敗から学んだ事というその課題文に、殺人の隠ぺいと打ち込むクレイ。次第に彼は、何かに突き動かされる様に、その文章を刻んでいく・・・

 

 

 

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・・・うーん、なんてんだろ。この奥歯に挟まったものが取れないよーな感覚。

ジャスティンが麻薬依存を自分の力だけで克服する為に、ジェシカとの距離を置けば置くほど彼女が嫉妬に狂っていく様子は、あまりにもどかしい。。

モンティーの復讐の為、アレックスやタイラーに近づこうとしているよーに見えるウィンストンなんかも、なんだか少しずつ彼らのナイーヴな処に触れるにつれ、感情移入しはじめちゃってる様に見えてるのは、自分だけでしょうか?

 

そんな中、ウィンストンからモンティーへの復讐心を探られたタイラーが、「憎しみよりも罪悪感がある」と答えたのはかなり印象的。

こんな風に立派に相手の痛みを想像できる大人に成長したタイラーを、未だに穿った目で見ちゃうクレイの方がよっぽど、子供じみて見えてきます。

 

ブライスが見える幻覚症状が、毎度おなじみのクレイだけに飽き足らず、ジェシカに迄見えてきているのは、彼女に待ち受ける悲劇の兆候でしょうか?

 

美少年キャラのアレックスには、このドラマの多くの女性ファンの為にも、もう少しだけノンケのままでいてほしいというのが、本音なトコロ。。

因みに、劇中でエアクオートを使って喋ってくる大学生は、アレックス達の印象とまったくおんなじに、ちょっと嫌みなインテリ野郎に見える時があるので、渡米や留学の際には、くれぐれもそのタイミングにご注意を。。(著者経験済W)

 

保安官から人種差別を受ける様に追い詰められていくトニーと、クロエに迄ちょっぴりやさぐれたその弱さを見せ始めたザックにだけは同情するけど、結局どんなに仲間を疑ってみても、スプレー缶を2本も持っていたクレイが、やっぱり落書きの真犯人なんじゃないかな。。

 

ファイナルシーズン第3話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

Netflix『13の理由』シーズン4第1話の私的な感想―過去の亡霊―(ネタバレあり)

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13 Reasons Why Final Season Episode1/2020~(アメリカ)
製作総指揮:セレーナ・ゴメス
出演:ディラン・ミネット、ジャスティン・プレンティス、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、グレース・サイフ、ブレンダ・ストロング他

 自己完結する日本人

日本人は、いつからこんなにヒトに優しくなれなくなったんだろう?

SNSの暴力で自殺に追い込まれた某女子プロレスラーのニュースから、ふとそんな疑問が生まれた。

ネットを道具と割り切ってしまうのは簡単だけど、人の知性が生み出したツールに人の心が追いつけないのは、なんだかあまりに悲しすぎる話だ。。

 

こうして今ブログを書いている自分も含め、SNS上にごまんと散乱する宣伝広告記事の向こう側にでも、きちんと人は存在する。

その幻想にどこか惹かれながら、何気ない愚痴や不満、或いは同調を求める声をtwitterやInstagram等にうっかり洩らす自分達は、今その真横にいる誰かを差し置いてでも、表層的でもいいから、結局やっぱり誰かと繋がっていたいのだ。

 

いよいよファイナルシーズンを迎えたこの学園ドラマ『13の理由』が、当初のサスペンスから大きく逸脱して社会派ドラマに切り替わってきたのは、勿論そこに需要があるから。

つまり、一見初心で未熟な学生達の心の葛藤のように見えるこのドラマは、その根っこの一番大事なトコで、万人の持つ心の弱さを抉り出す。

そして誰かに相談するよりもずっと手軽に、悩みや疑問を即座に解決してくれる便利ツールの副産物として、自分達はいつの間にか他人と直接かかわる事が怖くなってしまったんじゃないだろうか?

 

宗教観のない日本人には、信じられるものが極端に少ない。

その夢をアニメやフィギュアの中だけで消化しようとするのは、ある意味健全であったとしても、世界一想像力があるのに自信がない日本人故の悲しい性でもあり、それは同時に何でも自己完結させてしまう悪癖を生む。

そんな自分達が、SNSを只の自己表現するだけの装置から、傾聴や深化を伴う新時代の自己開発ツールに飛躍させる為にも、若い世代は自分の学生時代の悩みと見比べて、忙しい大人はちょっとホンネを顧みる為にも、初老を迎える世代は、自分達が耐える事で純真な心を蝕んでしまったその責任を考え直す為にも、このドラマをほんの少しだけ、覗いてみてほしい。

シーズン3第13話の感想はコチラ

 

以下、『13の理由』シーズン4第1話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

 

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 冬休み(あらすじ)

棺の置かれた教会で、スピーチをしている黒人女性。
彼女は大人が子供に伝えられなかった事を、聴衆に問いただす。。

6ヵ月前のテロップ。
悪夢にうなされているクレイは、ジャスティンに連れられモンティーの待つ刑務所へ。
彼に罪を着せた自分の懺悔を何度も繰り返すクレイだったが、モンティーが次第に本性を現し始めると、クレイは彼をレイプ魔と非難する。
やがて、モンティーは咄嗟に机を超え、クレイに飛びかかる。。

 

大量の汗をかき目覚めるクレイ。
朝食の席では、成績が落ちた事を心配する彼の両親の言葉は耳に入らず。
やがて、父親がシンクで割ったグラスの破片を指に押し当て、その指から流れる血を見つめ、モンティーに罪を着せた良心の呵責に苛まれていく。

タイラーからの連絡で、彼を警察署に迄送り届けるクレイ。
怯えるタイラーに的確なアドバイスを伝え、彼はその背中を見守る。
すると、バックミラー越しに写るモンティーの幻覚がクレイをパニックに陥れる。
やがて落ち着いて戻ってきたタイラーは、アレックスの父親の協力で、川に捨てた銃の一件を穏便に誤魔化した事を伝える。
二人はその秘密を他言しない様誓い合うも、クレイは自分が見え始めた幻覚症状の事は、タイラーにも打ち明けられないまま。。

施設から戻るジャスティンの復帰祝いに、久しぶりにクレイの家に集まる仲間達。
ブライスの家からの引っ越しを決めた事を、クレイに伝えられないままでいるアニ。
ほろ酔い気分のままのザックは、ジャスティンとの再会を待ちわびるジェシカに、その様子を咎められる。
やがてクレイの親に連れられ、やってくるジャスティンと熱い抱擁を交わすジェシカ。
けれど、ようやく薬物依存を克服した彼は、ジェシカと昔の関係に戻る事を拒み、過ぎ去る彼女の背中で大粒の涙を零す。。

それぞれのクリスマスを過ごす家庭。
アレックスの父親は、タイラーが警察に呼び出された事が気がかりな息子を宥める。
クレイの両親は、ジャスティンと初めて過ごすクリスマスに、新型のスマホと家族の写真を与える。
ジャスティンと別れたショックから、自分の家に引っ越す様アニに提案するジェシカ。
残り少ない新学期を、リバティー高に転校して過ごす事を決めたウィンストンは、クレイ達の映る写真を見詰めている。。。

アニとの同居が決まったジェシカは、彼女を誘い森へやってくる。
そこで彼女は、徐にブライスの遺言が録音されたテープ取り出し、燃やし始める。
やがて立ち昇る炎の向こうに、ブライスの幻覚を見て激しく動揺し始めるジェシカ。。

年が明け、新学期が始まった高校では、その入り口に金属探知機が設置されている。
タイラーの一件から、再び疑心暗鬼に陥るクレイ。
あからさまに身体検査を拒否したジェシカには、校長からのお咎めはない・・

やがて“進路フェア”に集まる学生の中に、ウィンストンの姿を見つけるアニ。
ジェシカの主催するレイプ撲滅運動の同好会には、モンティーの妹エステラがやってくる。。
その彼女の姿を見つけるアメフト部のディエゴ
そしてその彼が、チャーリーの制止も振り切り、モンティーの追悼の為にも彼のユニホームをエステラに着せようとすると、そこにやってくるクレイ。
彼は徐に怒りを爆発させ、ディエゴ等アメフト部の仲間との大乱闘へと発展。
やがてぼろぼろにされたクレイの様子に気遣うも、彼の不審な行動にアニは眉を顰めていく。。

タイラーに接近し、写真部の部室へと潜り込むウィンストン。
不安を募らせるアレックスは、ザックと気晴らしのドライブへ。
トニーは不法滞在で国外追放された両親を呼び戻す為、大金を求めボクシングの試合に出場する事を強引に決意。

顔の痣の理由を両親に咎められたクレイは、再び妄想の世界へ。。
夢の中のアニはそんな彼に、「まず自分を救う事」と手を差し伸べるも・・

 

カウンセラーと会話を交わしているクレイ。
彼は、その制御できない感情をカウンセラーに打ち明け、幼い頃から患っていた自分のパニック発作を告白。
そしてその感情が暴走した時、意図せずとも、回りの人間を傷つけてしまう事も。。

苦悩の広がるアレックスを連れたザックは、古びた建物の屋上へ。
手すりのないそのへりを歩きながら、彼らは悩みを紛らわそうとしている。
やがてその恐怖心が解けた瞬間に、思わずザックに口づけをするアレックス。。

 

ブライスの事件の真相を追う保安官は、5時間に及ぶアニの事情聴取の録音テープがない事に疑問を持ち始める。
ブライスに銃を突きつけるクレイの防犯映像を見つめ、彼はアレックスの父親に、タイラーに何らかの協力を仰いだ事を密かに仄めかすが・・・

 

友人の誰にも頼れない事を、カウンセラーに告白するクレイ。
彼はクレイの肉体的な異常の兆候を認め、その心の悩みに自分で直視する事を伝える。

 

クレイが帰路に着くと、彼の自室からブライスのテープが再生されている。。。
そのたじろぐ様子を尻目に、闇夜に消えていく何者かの影。。
その背中に、ブライスとモンティーの幻覚を見たクレイは、自分の症状の悪化に不安を覚える。。。

 

 

 

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・・最終章の初回にしては、冒頭から不安を煽りまくる展開がてんこ盛りでした。

ファーストシーズンから3年の時が経ち、クレイ役ディラン・ミネットのだいぶ野太くなった声が、その月日の速さを物語ってきます。。

 

自殺問題から少年裁判、やがて大人を信用できない子供達の冤罪計画へとテーマが移り変わってきた今回のシーズンでは、冒頭の注意喚起にもある通り、精神障害と贖罪の意識にピンスポットを当てそうです。

 

とうとう幻覚症状がはっきりと見え始めたクレイは相変わらずでも、ゲイに目覚め始めたアレックス?と、いつの間にかちゃっかり仲間の輪に入り込んでいるアメフト部のチャーリーには、ちょっとした違和感も。。

そんな中で一番微妙に感じたのは、すっかりジェシカやクレイとの絆を深めてるアニの存在。

トニーまでもが髪型を変え、それぞれのメインキャストがだいぶイメチェンしてきても、彼女に募る前回迄の自分の不信感は、まだ簡単には拭えなさそうですw

 

そして、今回の新たなキーパーソンになりそうなのはこの3人。

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ヒルクレスト高から強引に転入してきたウィンストン。モンティーの行きずりの恋人でもある

 

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最終章で登場してきたニューカマー。モンティーの妹だが兄のレイプ事件には、今のトコロ否定的?

 

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前回のシーズンから、ブライスの事件の真相を究明しようとする保安官。名前はまだない。。

 

まずは初回の紹介エピソードといった感じで、盛り上がりはそこまで感じられませんでしたが、とりあえずこの3人にアメフト部のディエゴを加えた4人が、クレイを過去の亡霊に縛る原因といったトコロでしょうか?


年のせいか、酒に溺れ始めていきそうなザック以外には、あまり親近感が湧かなくなってきちゃいましたが、ブライスのテープの告解が、クレイの内心にピッタリ重なる演出は中々にお見事。

人を頼れずに、誰かに頼ってもらう事で怯える自分を誤魔化そうとするのは、何も10代の若者だけに限った事じゃありません。

この悪化の一途を辿るクレイの幻覚症状は、自分を偽ってきた者ならではの歪み。

 

・・大人になって思えば、この自分の挫折や失敗を隠さずにさらけだす事が、ヒトに優しくなれる一番初めのキッカケに繋がると思うんだけどな。。。

 

ともあれ、ちょっとわかりにくい冒頭の葬儀シーンで、その棺の中に入ってしまっている次の犠牲者は誰なんでしょう・・・?

ファイナルシーズン第2話の感想はコチラ

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『13の理由』は、Netflixで鑑賞できます。

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Netflix『イントゥ・ザ・ナイト』のキャスト紹介と私的な感想―ポールシフトで滅亡する人類。ベルギー産SFディザスタードラマ―

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Into the Night Season1/2020~(ベルギー)
ショーランナー:ジェイソン・ジョージ
出演:ポリーヌ・エチエンヌ、ローラン・カペリュート、マフメット・クルトゥルス、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ、ステファノ・カッセッティ他

 醜態をさらしながら団結する人類

・・コロナで死ぬか。失業で死ぬか。。

下々の労働者の生活なぞには全く興味のない政府主催のチキンレースのおかげで、零細撮影現場の仕事はすっかりなくなっちゃった。。。

そんな、ややこしい助成金申請の仕方もさっぱりわからないまま、惨めで金欠なスローライフを送る日々の中、B級ドラマを量産し続けようやくノウハウを掴みかけたNetflixが、久々に面白い海外ドラマを世に送り出してくれました♪

 

“イントゥ・ザ・ナイト”=“夜へ・・”というこの直球なタイトル通り、スピード感抜群のこのドラマの登場人物達は、只管夜を目指します

そのエポックであるシーズン1は、エピソードも全6話と全くダラけずに、退屈な夜の一晩で一気見出来てしまうコト請け合い。

・・思えば、アポカリプスドラマの先駆け的な『ウォーキング・デッド』も、この短い尺の中で繰り広げられる色濃い人間模様が、醍醐味の一つでした。。。

 

太陽光が人類を滅ぼす近未来を描いたこのドラマは、ポーランドのSF小説『The Old Axolotl』を実写化したそうですが、ハイジャックされた飛行機の中で巻き起こるユーロ民のその慌てふためく様子が、なんだか絶妙にリアル。。

 

おまけに、ベルギー発の民間旅客機がその舞台の殆どなので、アジア民はおろか、自ずとヒーローキャラに洗脳されたアメリカ人でさえ、シーズン1では一切登場してきません。

 

・・・ベルギーってドコよ?ワッフルくらいしか思いつかん。。。

てゆーか、アメリカの言うコトもよくわかんなくなったこのご時世で、ユーロ民の動静なんて興味ねえ。。。

 

なんてヒト達も、『月曜から夜更かし』を見るよーな感覚で、まずはユーロ民の皮肉とユーモアセンスが入り混じったこのドラマを、斜に構えて視聴してみて下さい!

 

・・なんて言うんだろ。。

日本に例えるなら、ディスられまくってきた埼玉県民辺りが、同じマイナー県民の生き残りをごっそり集めて、壊滅的な被害を受けた東京を捨て国外脱出する様な感じ・・?w(・・自分でも何言ってるかサッパリわかってない(^^;)

 

その過程で醜態をたっぷりさらしながらも一つの目的の為に団結していく彼らの様子は、コロナの実被害よりも、その恐怖心に憑りつかれた自分達の姿にも、ピッタリと重なってくるかも。。。 

 

 

 

 

 

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 他のアポカリプスドラマとは違う理由

ポスト・アポカリプスドラマの定番と言えば、やっぱりウィルスかゾンビ。

その強烈な見た目のビジュアルに、ドン引き、或いは毛嫌いする視聴者も少なくはないはず。。

 

このドラマは、そんなハリウッド的な外連味を一切省いて、不安と差別、更には宗教や政治背景の企みなんかをバックに添えた、人間同士のぶつかり合いに焦点を当てた一本勝負。

そんなベルギー産SFドラマ『イントゥ・ザ・ナイト』のユニークな点を、以下に簡単に3つまとめてみました。

 

①ホラーなビジュアルがない

大抵のハリウッド産アポカリプスドラマには、グロテスクな造形のクリーチャーがつきもの。
その点このドラマは、突然巻き起こる磁極の逆転現象(ポールシフト)によっての大惨事から物語が始まるので、CGやVFXで魅せる凝った造りの変死体なんかも、シーズン1迄は一切登場しません。
・・逆に言えば、ブロックバスター的な天変地異は全く見せないので、単純な刺激だけがほしー方には、物足りない演出かも。。

 

②裏付けの設定がリアルで分かりやすい

ポールシフトにより、中性子爆弾級の放射線が地球に降り注ぐなんて言われてもちょっとしっくりときませんが、この手のサイエンス的な説明も、劇中にはしっかり。
それでいて、その異常現象の問題解決よりも、ただ只管に闇夜を探し続けながら、旅客機で彷徨い続ける人間達の逃避行では、その心理描写がスピーディーな展開の中でも段階を経て、丁寧に描かれていきます。

 

③歴史、宗教、政治的な背景の見える登場人物

・・皆さん、ベルギーがEUの首都なんて言われている事をご存じでしたか?
登場するキャラも、その殆どがアメリカやイギリス以外の純正ヨーロッパ民
共産圏のロシア人や、モロッコからの移民、更にはイスラム圏のトルコ人設定のキャラ迄登場するので、文化圏の違う人種間同士のちょっとした偏見等、民族性の価値観の違いなんかも、薄っすらまるわかり。
・・因みにユーロ文化に全く疎い著者は、ドイツとそっくりな国旗のベルギーがフランス語圏文化な事を、このドラマで初めて知りました。。。
 

 

 

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 「イントゥ・ザ・ナイト」の登場人物

フランス映画界の最高峰、セザール賞の最有力候補に名前の挙がるポリーヌ・エチエンヌステファノ・カッセッティを筆頭に、2019年に北マケドニアの空港で撮影が開始されたこのドラマには、その舞台のベルギーやフランス、ドイツやイタリアからの俳優陣は勿論の事、ヨーロッパ各国の注目株俳優が目白押し。

そんな中で敢えて、EUから脱退表明したイギリス人や、先進国中最も高い失業率を誇ってしまっているスペイン系の俳優をメインキャストから外したりと、EUをけん引しようとしているフレンチ文化圏ならでは思惑や意図的なねらいが、若干見え隠れしたりして・・w

とは言え、アジア民からしたらちょっと区別のつきにくい、12名の各国主要キャスト達を、簡単なプロフを添えて紹介します。

 

f:id:lllkyokolll:20180430194830j:plain①シルヴィ(ポリーヌ・エチエンヌ)

ベルギー空軍に所属していた女性。
黒人の恋人アンリをすい臓癌で突然失い、若干メンヘラ気味に自殺旅行を仄めかすも、乗り合わせた飛行機のハイジャックにより、奇しくも人類滅亡の憂き目に生き残ってしまう。。

f:id:lllkyokolll:20180430195325j:plain②マチュー(ローラン・カペリュート)

ハイジャックされた民間機の副操縦士。
責任感が強くワンマンだが、若干気弱な一面も。。
年上の妻との間に子供が生まれず、憂さ晴らしの浮気相手のCAが、後に妊娠していた事を知る。

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain③イネス(アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ)

フランス生まれの垢抜けた現代美少女。
SNSのインフルエンサーとしての知名度もあるが、悲観的な傾向もあり、周囲の思惑に翻弄されやすい。

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain④ヤコブ(―)

航空会社の真面目なメカニック(整備士)で、妊娠中の妻をこよなく愛する、ポーランド生まれの天然ヤサ男。
注意力は鋭いが、メンタルが弱い傾向もあり、気分の浮き沈みが若干激しい。
 

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑤リック(ヤン・ベイヴート)

民間の警備会社職員。
正義感の強い敬虔なカトリック信者だが、臆病で日和見がちな一面も。。
厳格で病気がちな母と二人暮らしの、寂しい中年独身貴族。

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑥ローラ(―)

ヴォルコフに雇われていた専属看護婦。
偏見や差別が嫌いで、上から目線のオトコには強い反発をみせる。
若干口うるさくも、ホスピタリティに溢れている。
 

f:id:lllkyokolll:20180430195133j:plain⑦アヤズ(マフメット・クルトゥルス)

トルコ系のビジネスマン。
目的の為なら手段を選ばない愛国者だが、行動力は人一倍。
イスラム教だけでなく仏教にも精通し、子供好きな一面も。。

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑧ホルスト(―)

Wifiの修理から気候学まで精通する、知識豊富なITエンジニア。
無宗教の超現実主義者だが、咄嗟の思いやりも忘れない。
 

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑨オスマン(ナビル・マラット)

モロッコ系移民の空港清掃員。
無口で無骨なイスラム教徒だが、冷静沈着で頼りがいもある。

 

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑩ザラ(―)

無償の愛を息子のドミニクに捧ぐロシア人の母。
頑固で融通の利かない一面もあるが、貧困層の弱者目線からの価値観で、冷静に人の本質を見極められる。
 
 

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑪ガブリエル(アストリッド・ウェットネル)

3人の子供を持つ、気品溢れるキャビンアテンダント。
品行方正で冷静さを失わない判断力が、彼女の運命に影響を及ぼしていく。。
 

f:id:maribu1125:20180430221209j:plain⑫テレンツィオ(ステファノ・カセッティ)

NATO軍少佐で、ハイジャックをしてベルギーを脱出する。
信念の薄いネオコン気質だが、自尊心が高く若い女の誘惑に弱い。


 

 

Into the Night04

 『イントゥ・ザ・ナイト』の注目ポイント

ソーシャルディスタンス?リモートワーク?

そんな理想論が通用する職場は、ごく限られたトコロにしか存在しない。

介護、医療、飲食を始めとした大多数の現場は、街を歩けば即DQN扱いされる馬鹿げた報道の裏で、ウィルスよりもその恐怖に汚染された人々と向き合う真っ只中。

 

だけど、この知らない他人との物理的な触れ合いこそが、全人類を不安の陰に覆いつくす何かを解決するキッカケになる気がしてるのは、自分だけでしょうか? 

 

先史時代から続くウィルスの影響下で、皮肉にも、無機質なディストピアがやってきた今、そんな漠然とした恐怖の魔の手に打ち勝つ唯一の方法は、ポスト・アポカリプスドラマに見る、個ではなく集団として生き抜いてきた、その本来の人間性の回帰。

そんな中、『秘密のケンミンSHOW』さながらに、ユーロ圏それぞれの国の事情を抱えた人々が、極限状態の窮地で繰り広げる密閉空間のドラマは、それだけで見応え十分。

例えば、

一人気ままに自由を満喫しまくる垢抜けたフレンチ美女が、SNSを手放した瞬間から、不意に孤独の不安に襲われたり。。

例えば、、

歴史と宗教の対立上、未だにEUに加盟出来ないトルコ人男が、同じく何となく疎外感満載のロシアンシングルマザーと、いつの間にか分かりあえていったり。。。

 

コロナとポールシフトという、同じ目に見えない恐怖に晒された人類という設定上、その困難を乗り越える為に、対立と協力を繰り返していくその様子は、なんだかリアルタイムに胸にグッときます。

 

救助のない閉そく感の最中で、利己と利他のせめぎ合いから生まれてくる矛盾。。

ここにきっちりテーマを置きながら、カットバックで人物の回想シーンを入れ込む演出は、死生観を問う伝説の難解サスペンスドラマ『LOST』の手法にもそっくり。

 

アポカリプスドラマフリークを勝手に自称する自分にとっても、『ストレイン』よりグロくなく、『ザ・ラストシップ』より嘘くさが薄れ、『ザ・レイン』よりも難局に立ち向かう人間同士の絆が、単純な見せかけの恐怖なんかよりも、きっちりと描かれている脚本力は、最近のSFドラマの中でもダントツにアタマ一つ抜きん出ている気がしてます。(『ウォーキング・デッド』の様な安っぽいポリコレで、安易なLGBTキャラにイメチェンしたりしてこないし。。)

 

シーズン2らは、いよいよアメリカやイギリス人等、大国資本主義国家の影がチラつく絶妙なクライマックスを迎えますが、敢えて彼らの陰謀にアンチテーゼを唱えそうな臭いがプンプンする、結束したユーロ民の底力にも是非大注目です!

 

『イントゥ・ザ・ナイト』Netflixで観賞できます。 

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『ウォーキングデッド』シーズン10第15話の私的な感想―プリンセスの失敗―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season10 Episode15/2019~(アメリカ)
脚本:ケビン・デイボルト、ジュリア・ラックマン
出演:ノーマン・リーダス、メリッサ・マクブライド、ライアン・ハースト、ジェフリー・D・モーガン

 衰退する文化

・・なんだろ、この盛り上がらない感覚は。。

前回の迷走ぶりが尾を引いて、『ウォーキング・デッド』からわざと距離を置いてる自分がいます。。。

 

コロナによる医療や保育の現場、或いは飲食業の実態に比べて、映像業界も崩壊の危機に瀕している報道って、身内ネタなのであまりとり扱ってもらえません。。。(T_T)

人の心に余裕がなくなった時、最初に衰退するのは文化

と訴え続ける諸先輩方の気持ちが、改めて身に染みてきます。

 

・・そろそろ、ユージーンのように、夢を追って逃避行の旅に出ちゃおうかな。。。

 

・・・元々気づいていなかっただけかもしれませんが、、

最近、妙に物理的な距離をとって話してくる同僚に、薄っすらさみしさが込み上げてくる今日この頃です。。(^^;

 

シーズン10第14話の感想はコチラ


以下、『ウォーキングデッド』シーズン10第15話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

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 復讐の足音

久方ぶりの人との触れ合いに、興奮を隠し切れないプリンセス。
やがてその混乱のまま、自分達に近づいてくるウォーカーに向け、彼女はマシンガンを乱射。
ユージーン達の馬はその轟音に慄き、一斉に走り去っていってしまう。。
その彼女のハイテンションぶりに、不安を募らせるユミコを宥めるのはエゼキエル。
彼らは失った自分達の馬の代わりに、乗り物のある場所に連れて行くというプリンセスの後を、警戒しながらついていく。

 

廃病院に避難しているアレキサンドリア&ヒルトップの面々。
母親の死を、未だ受け入れられないでいるリディアに寄り添おうとするジュディス。
しかし、その優しさを上手く受け止められないでいるリディアの様子を、ニーガンがそっと見守っている。。

偵察に向かうダリルの後を追うジュディス。
やがて彼らが遭遇したウィスパラーズの女をあっさり殺害するダリルに、ジュディスは僅かな違和感を覚える。。

疑心暗鬼のままのユミコを余所に、地雷原の道に迷い込むプリンセス。
彼女の親切心はことごとく空回りし、ユージーン達の不安心は徐々に膨らんでいく・・

ルークからの依頼で、無線機の部品の捜索に向かうキャロル。
それに同行するのはケリーは、彼女の姉を危険に追いやったその贖罪の意識から、自暴自棄なままでいるキャロルに、僅かな理解を示す・・

無数のウォーカーの群れを引き連れ、もぬけの空となったアレキサンドリアに到着するベータ。
彼は、偵察に潜り込んでいたアーロンとアルデンに気付かないまま、残された最後の砦、オーシャンサイドに向かおうとするが・・

 

衝動が抑えきれないリディアに、手を差し伸べるニーガン。
やがてリディアは、その吐き出しどころのない怒りをニーガンにぶつけ、彼はそんな泣きじゃくるリディアを、きつく抱きしめる。

不穏な行動を繰り返すプリンセスに怒りが頂点に達したユミコは、彼女にいよいよ弓矢を向ける。
その孤独な今までの生活と、自分の不器用な性格を暴露するプリンセスに、過去の自分の姿を重ね合わせるユージーン。
やがて彼女の言葉通り、ガレージに放置された自転車屋に辿り着くユージーン達。。
苦笑いを浮かべるエゼキエルの背中越しに、無言のままでいるプリンセス。
その寂し気な様子の彼女に、ステファニーの元へ向かう旅路に誘うユミコ。
彼女は、ようやく屈託のない笑顔を取り戻し、その無邪気な喜びを露わにする。

蟠りを抱えたジュディスを気にかけるダリル。
彼は、無線でミショーンに危険を伝えた事をジュディスに知らせるも、彼女は逆に、そのミショーンの真相をダリルに語ろうとはしない。。

やがてダリルの無線機から、途切れながら聴こえてくる声。
ゲイブリエルらしきその声の主は、怯えながらウィスパラーズが自分達の避難した病院へと向かってきている事を伝える。。。

 

 

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 ・・もう、今回のエピソードをラストにして、シーズン10終わらしちゃってもいーんじゃないかな。。w

どうせ次の見せ場は、結果の見えているダリルVSベータの決着と、オトナの事情だらけのマギーの復活ぐらいだろうし。。。

リディアからジュディスへ、その人を殺す事の蟠りが連鎖していく様子は、当たり前の様に敵対する相手を殺し続けるようになった『ウォーキング・デッド』の世界で、久しぶりに人間味を感じられる瞬間でした。

特に、ジュディスがダリルに嘘をつく様子なんかは、あまりに切ない。。

彼女の気持ちを穿らずにそのまま受け止めれば、、

ミショーンがリックの捜索に向かった事を打ち明ければ、幼心に、ダリルまで去ってしまう事を危惧したジュディスのさみしさからくるものだったのしょう。。

もーこーゆー大人達の裏事情を、子供の涙で挽回するのは本当に反則w

ジュディスやリディアに泣かつかれちゃったら、ベータがアルファの声を得て廃病院に向かうなんてゆーあまりに無理のあり過ぎる展開にも、文句が言えなくなっちゃうじゃないか!!(アーロンとアルデンは、捕まりたいのかと思わせる程至近距離で偵察しちゃってるし。。)

 

わけのわからないハイテンションキャラとして登場したプリンセスも、元々嘘つきなユージーンと夢見がちなエゼキエルに絡ませると、なんだかいい塩梅に見えてきました。

つまり、この3人って、結局、、

ウォーキング・デッド』のアポカリプスな世界でこそ、自分の居場所を見つけられた同じ穴のムジナなんですねw

そこに、現実志向で正義感たっぷりなユミコが手を差し伸べてくる様子なんかも、妙にリアルでどこかホッコリすると言うか・・

このユミコと3人のこじらせキャラは、嘘っぽい設定の多過ぎるこのドラマの登場人物の中で、今後新風を巻き起こせそうな気もしています♪

その最たる苛立たせキャラの代表となったキャロルに、すんなり理解を示すケリーだけは、ちょっと強引過ぎた気もするけど・・・

 

なんとも中途半端な幕切れで配信の中断に入った『ウォーキング・デッド』ですが、逆にこれを機に、抜本的な脚本の手直しでも初めてくれないかな。。

アクションはCGを駆使したマーベルに任せて。

サスペンスは、予算のあるNetflixドラマに任せて。。

元々このドラマの放送局であるAMCは、その語源がAmerican Movie Classicsなんて言うくらい劇場公開映画を配信していた局なんだから、一度初心に戻って、もう少し映画的に凝ったドラマを流してくれる日を、切に願っています。

・・そんな僅かな希望をちょっぴりだけ残すと、また、痛い目を見る気もしてるけど・・・(^^;

 

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『ウェントワース女子刑務所』シーズン7最終話迄の紹介と私的な感想(ネタバレあり)

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Wentwoth Season7/2020~(オーストラリア)
製作総指揮:ジョー・ポーター
出演:リア・パーセル、スージー・ポーター、ケイト・ジェンキンソン、ロビー・マガシヴァ、ケイト·アトキンソン他

 “クウィーン・ビー”から受け継がれたもの

このドラマの感想を書くのは、あまりに久しぶりなので何から書いていいやら。。

とりあえず、、

シーズン7の記事の更新まるごとサボっちゃて、ゴメンナサイ。。。

・・誰目線で謝ってるのか、よくわかんないけどw

 

だって、期待してた闇の新女帝マリーが、なんだかしょぼく見えちゃって。。

それに潜入捜査官だったリタも、ただの囚人に落ちぶれちゃうし。。。

・・後、フランキーも退場しちゃったし。。。

 

こーゆー刑務所モノって、嘘でも感情移入できるキャラクターが一人でもいないと、何だかシンドくなってきませんか?

おまけにイマイチ存在感の薄いカズが、ジャックス、ビー、フランキー、ファーガソンと、代々存在感の強いキャラをおっ立ててきた“トップドック”の地位に着いちゃうし。。

・・後、フランキーを超すキャラが全然育たないし。。。

 

パーソナル海外ドラマナビゲーターのGさんも、すっかり感想記事を止めちゃってたので、まあ、自分ごときが書く必要もないだろうと、勝手に言い訳にしてきましたけど、要するに、、

 

ただのフランキーロスですw

 

男目線からすると、こーゆー頼もしくて切ないキャラが一人くらい居てくんないと、なんだか盛り上がんないんですよね。。

 

それでも、実はしっかり観てました。

毎週欠かさず観てました。

クソつまんない低俗アクションドラマに落ちぶれた『ウォーキング・デッド』より、しっかり期待して

 

結論から言うと、、シーズン7は、、、

 

スリリングさ以上に、人間ドラマとして、十分楽しめました。

 

・・まるで、ビーがクライマックスを迎えたシーズン4の頃の様に。。

 

なのでちょっと駆け足ですが、シーズン7全体を振り返っての感想と、その注目ポイントを久しぶりに振り返ってみます。

・・怒涛のクライマックスで、ビーからの歴史をしっかり受け継いで誕生したニューヒロインの誕生に、大いなる期待とエールを込めて。。

www.mariblog.jp

 

シーズン6最終話の感想記事はコチラ

 

以下、『ウェントワース女子刑務所』シーズン7最終話のネタバレを含んだ上での感想と紹介です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。


 

 

 

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 『ウェントワース』シーズン7のあらすじ

ザラの殺害から3ヵ月後。。
早期の釈放の夢がついえたマリーは、潜入捜査官としての資格をはく奪され、同じく15年の刑期が科せられたリタに、復讐心を露わにしていく。。

記憶が霞んでいくリズの面倒を見続けるブーマーは、いよいよ仮釈放が決定。
やがてカズからの提案で、リズは願望を叶える“夢リスト”を作り始める。

ヴェラの出産までの間、ウェントワースの看守長代理に任命されたジャクソンは、マリーとの関係を解消し、再びカズと手を組もうとするが・・

ジャンキーのカイリーを刺客として差し向けられたカズは、ザラの手下だったルーカスの手によって、婚約者のレイを殺されたリタと共謀し、本格的にマリーの殺害を計画。
しかし、その兆候に気付いたアリーは、元恋人のルビーの助けを借りて計画を頓挫させるも、その過程で、再びヘロインの魔力に魅せられていってしまう・・・

やがて、自分とマリーとの間で揺れ動く彼女の弱さに責任を感じたカズは、リタの助けを借りずに、単独でマリーの部屋を爆破。
しかしその事件から九死に一生を得たマリーは、カズへの警戒心と怯えから、再びジャクソンに近づいていく。。。

 

新任のカウンセラーとして赴任したグレッグに、想いを寄せ始めるブーマー。
けれど、曖昧になっていく記憶に不安を募らすリズと、ヴェラの身籠る子供の父親としての自覚が芽生え始めたジェイクだけは、そんな彼女とは対照的に、彼に戸惑いと違和感を感じる。

リタの過去を知るナレルの入所により、やむ負えず、彼女のボディーガードを引き受けるリタ。
グレッグのカウンセリングにより、徐々に心が洗われていくカズは、その抑えきれない怒りの感情の原因に気づき始め、マリーとの和解を模索するも、彼女とジャクソンの肉体関係に気付いてしまう。。
やがてカズの自白により、自分の兄を襲った犯人を知ったナレルは、リタに彼女の暗殺を命令するも・・

ヴェラへの誠意が空回りするジェイクは、グレッグに対抗意識を燃やす中、ヴェラの子供が娘である事を知る。
その不安を募らすヴェラとの確執が徐々に膨らんでいく裏で、新任の看守として赴任したショーンは、リンダの弱みをも握りながら、ヘロインの密輸を仄めかせてマリーへと近づいていく・・・

ブーマー達にあてがわれた男娼が死んだことにより、リズの病状は次第に深刻化。
そんな中で、犠牲心を膨らましマリーの悪事の証拠を掴んだカズは、突然何者かの手に寄って殺されてしまう。。。

 

カズの死によって、動揺が隠しきれないでいるジャクソン。
しかしその彼を利用したマリーは、薬物密輸で台頭し始めていたコスタをまんまと出し抜き、カズの後継者としていよいよ“トップ・ドック”の座に上り詰める。

やがて、リズの隠し持つメモの存在を知ったマリーは、その息子を殺した犯人がルビーだという事に辿り着くも、アリーの仲裁により万事休す。
それでも、ルビーの告白した息子の悪意を信じられない彼女は、その恨みを静かに募らせていく・・

一時的な外出許可を得たブーマーは、母親のメイの窃盗に巻き込まれ、二人揃ってウェントワースに収監される。
その親と子の絆を見たリズは、自分の記憶が無くなる前に、再び息子との面会を求めるも・・・

グレッグがリズに処方している薬が非認薬である事を暴露したジェイクは、逆にその秘密をショーンに握られ、停職に追い込まれる。
マリーは密かに毒を盛りルビーの暗殺を目論もうとするが、ジャクソンの決定にも背き、リタを病院に同伴させたヴェラの尽力の甲斐もあり、彼女はその一命を取り戻す。
やがてその抑えきれない母親の執念と、彼女の握る闇の情報とに気付き始めたアリーは、マリーとの別れを決意。
彼女はそれを逆手に取り、いよいよ大胆にジャクソンに近づいていくも、マリーを排除しようとする何者かの差し金によって、その命を狙われ始める。。。

 

リズは息子アーティーとの面会を前に、自分に効き始めていた非認可の薬の投与をグレッグに懇願。
自らの過ちの経験をアーティーに諭すジェイクの助けもあり、一度は反目しかけた二人は、久しぶりに親子としての絆を深めていく。

焦りの出始めたマリーは、州県知事ヘストンに脅迫の電話をし、その仲介を引き受けたショーンが二人を引き合わせる。
しかしその彼女の暗殺計画を退けたマリーは、ショーン達の手により脱獄を促され・・

博打好きのリンダを、すっかり手籠めにしたショーンの悪意に気付くジェイク。
彼は、自らがそれを肩代わりする事を提案し、ヴェラへの償いを続ける中、そのヴェラは、遂にジャクソンとマリーの関係を知ってしまう。

メイからの虐待を助けたブーマーの礼として、フランキーとの再会を果たすリズ。
しかしその朧げになっていく記憶の中、リズをフランキーを認識する事さえ出来なくなってゆき、その彼女の進行の早い認知症の現実に、ブーマーは激しく動揺する・・・

 

・・・やがて、マリーの脱獄計画当日。
ショーンは刑務所内に手引きした二人の仲間と共に、彼女を連れ出そうとするが・・

 

脱出に目前に見かけたルビーへの憎しみが、ふと沸き起こるマリー。
その様子を見ていた護送前のリタが、異変に気付く。
彼女の目配せを察知したヴェラが、彼らに近づいていくと・・

ショーンはいよいよ本性を現し、ヴェラを拘束。
動揺が激しくなるリズが、その廊下で騒ぎを起こした一瞬の隙に、ヴェラは警報器を鳴らす。。

ウェントワース中に警報音が鳴り響き、ジャクソンはすぐさま所内を封鎖。
ランドリー室にいたブーマー達を逃がそうとするも、メイの失態によってあえなく失敗し、リンダも含めた全ての女囚達が、ショーン達の人質にされてしまう。。

マリー自身の告白で、遂に黒幕が彼女自身である事を知らされるジャクソン。
封鎖が解かれない事に苛立ちを募らせたショーンは、遂にコスタを殺害してしまう。
リズの援助の元、別室にいたリタだけが脱出に成功し、ショーンの仲間に深手を負わせると・・

駆けつけた特殊部隊の脇を抜け、手傷を負ったショーンの仲間に、止血剤を届けに行くジェイク。
身重なまま、人質に捕らわれているヴェラの身代わりになる事も許されず、彼の苛立ちは高まっていく。

一方その頃ランドリー室では、マリーの隙をつきブーマーが反乱を試みる。
しかし、カズの暗殺の告白と、ショーンが母親に突きつけた銃口の前に、彼女は尻込みしてしまい・・・

・・その見せしめに、ブーマーの目の前であっけなくメイは殺される。。。
呆然自失となる彼女を抱きしめるリズ。ショーンの暴走に声を荒げるマリー。。

駆けつけたヘストンの助言の元、ショーン達の要求通りの屋上からのヘリでの脱出を、見守る事しか出来ないジェイク達。
しかしリタの証言から、ヘストンの関与を裏付ける事に成功したジャクソンは、その脱出計画を寸前の処で阻止しようとするが・・

屋上の手前で産気づいていたヴェラの傍には、緊張感を滲ませたリズとブーマーの姿。
やがて産声を上げたその娘の元へ、ジェイクが駆けつけてくる。
ヴェラは母親となった優しい目線で、それを受け入れ・・

アリーを単独人質にし、別の経路からの脱出を図っていたマリーとショーン。
しかし再びルビーの挑発に乗ったマリーは、ショーンから拳銃を奪いその後を追う。

冷静さを失ったマリーの隙を着き、リタが彼女を取り押さえると、その手から零れ落ちる拳銃。。
やがて、反射的にそれを拾い上げたアリーは、カズの遺恨を胸に、ショーンを殺害。。
けれど、次にマリーに向けられたその拳銃の引き金を、引く事は出来ず・・・

 

波乱に満ちた一夜が明け、そのショックからリズの容態は急変。
重度の脳卒中に陥り精神病棟に担ぎ込まれた彼女を、ブーマーは真剣な眼差しで見つめ・・
やがて、リズの最期の意志を悟った彼女は、大粒の涙を浮かべながらも震える手で彼女を安楽死へと導く・・・・

 

ヘストンの暗躍を暴露する警察側の配慮により、リタはいよいよウェントワースから保護施設へと移送されていく。
その護送途中の車窓からは、浮浪者達に紛れたファーガソンの姿が―――
 

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 『ウェントワース』シーズン7の感想

久しぶりのフランキーの再登場に喜んだのも束の間、そこから僅か数分で、あらゆる負の連鎖反応が巻き起こる怒涛のラスト2話は、あまりに衝撃的な展開。。

スピーディーだけど、しっかりとそれぞれの登場人物の琴線に触れていて、完全にココロをもってかれちゃいました。。。

リタの献身さ、ルビーの犠牲心、アリーの共依存、リズの不安、ブーマーのトラウマ、
更に看守側にも、絶望感を広げるジャクソンや、ジェイクに対しての葛藤を続けるヴェラ等、それぞれのキャストの見ドコロがしっかり掘り下げられていましたが、なんといっても、あれだけ小物感満載だったカズの目覚ましい成長と、その果ての非業の死の瞬間には、時間が止まってしまいました。。。

もう正しく、これぞウェントワース!と言える様々なエスプリの連続で、その息も付けない程の緊張感は、シーズン1のビーの巧妙な復讐劇を思い出させてくる!

更にそのラストで、赤ん坊の誕生を通じて生まれる、ヴェラとジェイクの一瞬の僅かな温もりなんかも、たまらくいい!!

急展開のサスペンス要素の中に、親子や姉妹の蟠りや愛情、或いは恋人同士の駆け引きなんかもバッチリ見せてくれた今回のシーズンは、今年度最高傑作の海外ドラマな気がしています♪

 

・・え?

ナレルの行方と、ショーンがカズを殺した動機がいまいちよくわからない?

あー、いーんです。そーゆー細かい事(^^;

答え合わせだけのサスペンスのディティールなんかは、次回のシーズンできっちり回収するでしょうから、それよりも女囚達の弱いココロの部分を、しっかり炙り出してくれたドラマの方が面白かったのでw(『ウォーキング・デッド』も、こーゆートコ、少しは見習え!!)

 

そして、更に、、

 

次の見せ場は、マリーとファーガソンの最恐女囚コンビが、いよいよウェントワースを本格的にかき回してくれそうなワクワク感w

 

それに対抗するのは、、、

もちろん僕らのマスコットキャラ、ブーマーでしょう。

ファーストシーズンからの女囚キャストも、最早彼女が最後の一人。。
明るいキャラなのに、等々クウィーン・ビーから脈々と流れてきたカタルシスを受け継いじゃった人気者の彼女には、満を持して、5代目“トップ・ドック”の座に着いちゃっても、もーいいんじゃないでしょーか?

その陽気キャラはまんま残したままで♪

でも彼女の右腕候補が、復縁しそうなアリーとルビーの満身創痍コンビだけじゃちょっと心もとないので、ブーマーが固い友情を誓ったマキシンあたりが復活してくれると、個人的にはかなり嬉しいんだけどな。。

 

 

 

 シーズン7から登場する4人の新キャラクター

今回のエピソードの特徴は、新たに登場したニューカマーにあまり大きな見せ場を敢えて与えず、重要な脇役キャラに徹しさせたトコロがかなり良かった気がしています。
そんな中でも、古参キャスト達に大きな衝撃を与えた4人の新キャラの紹介を。。
 

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ショーン・ブロディ(リック・ドナルド)

ジェイクの元セフレにして、ウェントワース史上初の本格的な悪徳看守として登場した彼は、途中から急にその存在感を増していきます。
そんな彼も、ある大物人物に歪みきった偏愛に依存しているトコロなんかが見えてくると、少し同情の余地もある?

 

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ナレル・スタング(モルガーナ・オライリー)

リタとルビー、そこにカズをも巻き込んだ今回のドラマの最大のアンサンブルキャストと言えば彼女。
女囚達の様々な過去を知る少々強引な設定と言えど、その彼女の私怨の消化具合で、今後更なる波乱が生まれるかも?
 

WENTWORTH07-10

グレッグ・ミラー(デヴィッド・デ・ローター)

フランキーの恋人ブリジットの後を継いで、ウェントワースにやってきたクール心理カウンセラー。
一見優男に見えて、直ぐにブーマーのお気に入りになるけど、リズの痴呆症の進行を遅らす承認許可の下りていない薬の処方が、ウェントワース中に波乱を広げます。
 

WENTWORTH07-13

メイ・ジェンキンス(アニ・フィンステラー)

ウェントワース史上初の親子囚人役で登場するのは、なんとあのブーマーの母親。
アルコール依存症な上に、実の子スーザンにもめっきり愛情が薄く、極めて単純。
けれどその醸し出す悲壮感が、ラストの衝撃的な展開の引き金にも繋がっていく?
 

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 シーズン4の3つの見所

人気キャラが次々に降板してしまった後でも、物語を盛り上げる事の出来るドラマの底意地を、今回のエピソードでは強く感じました。

そんな中でも、サスペンスとは違う目線での注目ポイントは以下の3っつ。

①人間関係の修復とその再生

今回のシーズンで最も上手かったプロットは、そのスリリングな展開の裏で、壊れた関係性を持つキャラクターの修復過程を盛り込んでいた事が、最大の注目ポイント。
自分の怒りの原因を探り出すカズを始め、父親としての責任感から、ようやく贖罪の意識が芽生えるジェイク、女と母としての葛藤に揺れるヴェラ、更にブーマーが二人の母親の間で揺れ動く幼心なんかが見えてくると、このサスペンスの奥行は大分広がっていきます。 

②マリーの気持ちはどこまでがホンモノか?(母性の比較)

シーズン6迄は、どうも煮え切らない展開の多かったマリーのホンネは、結局のトコロ、ドコにあるんでしょうか?
男女問わずに掌で転がす事の出来る彼女は、一見打算的にその行動の全てが計算し尽くされている様に見えますが、時折妙に弱い人間的な部分を垣間見せます。
その衝動の根本にある母性愛の執着心を、メイ、リズ、ヴェラと三者三葉に悩める母性を持つキャラと比較してみると、新たな気づきが生まれるかも・・?

③老いと依存心

悪意の交差しまくるウェントワースの中で、そのカンフル剤としていつも機能していたのがリズの存在
そんな彼女が、刑務所内の極度の緊張感とアルコール依存の後遺症の果てに進行してしまう老化現象は、これまでのシーズンの中でも一際悲壮感が強く漂ってきます。
間違いを犯しまくってきた彼女だからこそ響くその名言の数々は、様々な依存を抱える女囚達だけじゃなく、実生活での日々のストレスを溜め込んでいる視聴者にも、ガッツリと響いてくる?

 

他にも、ジャクソンやジェイク等の男達の脆さや弱さ(私的にはリタの婚約者レイもかなり好きなタイプだったな。。)、最終的にはちょっと可哀そうにも見えてくる、コスタを始めとしたれぞれのキャラクターの怒りの表し方等、閉鎖的な空間ならではの状況で巻き起こる鋭い人間描写が盛りだくさんだった今回のシーズンは、サスペンスとしての緊張感だけでなく、視聴者目線で自分の欠点を俯瞰で観れる、随分感慨深い印象の残るシーズンでした。

 

・・コロナの影響で、次のシーズンの開始は大分押すんだろうな。。

それでも、復活しそうなファーガソンを今までどおりの只の悪役に戻すのは、ちょっと惜しい気もしています。


とりあえず、ようやく主役的な立ち位置に躍り出そうな、ブーマー政権の誕生を祝してこの記事を書いてみたので、シーズン8でのマキシンの復活が無理なら、ジェイクの様に、数々の悪行の罪滅ぼしを始めるファーガソンの姿にも、ちょっと興味あるかも・・♪

『ウェントワース女子刑務所』
hulu(月額933円/無料期間=週間)シーズン7まで観れます。

『ウォーキングデッド』シーズン10第14話の私的な感想―迷走するニーガン、キャロル、ベータ、そして・・―(ネタバレあり)

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The Walking Dead Season10 Episode14/2019~(アメリカ)
脚本:チャニング・パウエル
出演:ノーマン・リーダス、メリッサ・マクブライド、ライアン・ハースト、ジェフリー・D・モーガン

 ヒューマンドラマの特性

連日報道されるコロナショックの影響は、いよいよ本格的にドラマ業界にも。。

ポスプロ(主に撮影した素材に特殊効果、MAカラコレ等の作業を行う事)が間に合わず、シーズン10最終話(16話)の無期限の延期決定どころか、首を長くして待っていた新スピンオフシリーズ『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』の配信まで、今年の後半期にずれ込む決定が出てしまいました。

 

・・こんな時、往年のTWDファンに出来るコトってなんだろう?

 

Twitterで応援メッセージでも送る事?

或いは売上に貢献して、『TWD』シリーズのDVDでも買ったげる事?

それとも、関連グッズ商品でも取り揃えて、首を長くして再開を待ち望む事?

 

・・なんかどれも、イマイチこのドラマの応援に繋がってない気がするんだよな。。。

逆に今後の展開が、グッズ購買意欲のある単純層を狙う安っぽいプロットになっていっちゃう気もするし。。

 

このドラマに強く昔のヒューマンドラマの特性を求める自分としては、ウィルスパンデミックの影響で世界中が孤立化している今だからこそ、それに怯えるばかりじゃなく、自分の身を犠牲にしてでも、相手を心から信頼できるような人間関係を描く展開を、今後大いに期待してます。

・・・迷走ニーガン、だいじょぶだよね・・・?

 

シーズン10第13話の感想はコチラ


以下、『ウォーキングデッド』シーズン10第14話のネタバレを含んだ上での感想です。

まだご覧になってない方はご注意下さい。

 

 

 

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 後悔の黄色い花

アレキサンドリアの牢獄にいるニーガンの元へやってくるキャロル。
彼女は強がるニーガンに、その贖罪の道を示す。。

 

ヘンリーが首を晒された杭に、ウォーカー化したアルファの首を突き刺すキャロル。
その複雑な心境の中、彼女はニーガンとの密約を守らず、どこかへ去って行こうとする。
やがて取り残されたニーガンは、そのまま途方に暮れて・・

 

崩壊したヒルトップのそれぞれは、避難した先の民家で再会。
そうして、マグナの生還に喜びを露わにするジェリー等を尻目に、ユージーンはいよいよステファニーの存在を皆に打ち明ける。
しかしその動揺が走る中、ジェリーに励まされたエゼキエルと、マグナに背中を押されたユミコは、彼の抱く希望に寄り添って、共に旅に出る決意を固めて・・・

 

晒されたアルファの首の前へとやってくるベータ。
彼はその憤りを抑えながらも、崇拝するアルファの首に、仲間の顔を喰わせる。。

リディアを拘束した小屋へと戻ってきたニーガンは、待ち構えていたダリルに、そのまま取り押さえられそうになるが・・
彼は、キャロルと交わしたアルファ暗殺指令の密約を証明する為に、ダリルをウィスパラーズとの境界線に迄連れてくる。
しかし、そこに晒されていた筈の彼女の首はなく・・

アルファの首を抱えたベータは、彷徨う様に荒廃した街へ。。
やがて、彼女の声に導かれる様にして立ち寄った店で、彼は過去の自分と対峙する。
カントリー歌手だった頃の自分のポスターを引きちぎり、その怒りを徐々に露わにしていくベータ。

森を彷徨うキャロルの元には、亡霊となったアルファの姿が。。
彼女は、キャロルの抱え持つダリルへの贖罪の意識、或いは失っていった子供達への、キャロルの無力さを痛烈に囁き続ける。。

ユージーン、ユミコ、エゼキエルの三人は、馬で旅路を急ぐ。
しかし、その道中で檻に閉じ込められたウォーカーを見た彼らは、その警戒を強め付近を探索。
やがて持病が悪化し始めたエゼキエルは、自分の馬を失い、その自信を喪失し始める。
しかし泣き言を洩らすそんな彼にも、ユミコは力強くその手を差し伸べ・・

 

ニーガンにボウガンの矢を突きつけるダリル。
やがて、彼がその弁解を述べていると、銃を構えたウィスパラーズ達がやってくる。
彼らはニーガンの前にひれ伏し、そのショットガンをニーガンへ・・
しかし、彼はあっさりとそのウィスパラーズ達を抹殺し、キャロルへの忠誠心を証明する。
そしてようやく自分の本音を語り出すニーガンに、ダリルは僅かばかりだが、信頼を示し始める。。

 

懐かしむ様に自分のレコードを見つけたベータがそれをかけると、闇夜に無数のウォーカーが集まり出す。
その様子に恍惚の表情を浮かべ、彼は自分のマスクを引きちぎっていく。。

アルファの亡霊に導かれるまま小屋へとやってくるキャロル。
やがて一夜が明け、崩壊した天井の下敷きとなった彼女に、アルファは尚も強く自殺を仄めかす。
そこへやってくるウォーカーを前に、身動きの取れなかったキャロルは何度も挫けそうになるも・・
アルファの亡霊とウォーカーを振り払い、アレキサンドリアへと帰還するキャロル。
ダリルはそんな彼女を無言で迎え入れる。。

 

荒廃した都市へと辿り着いたユージーン達を待ち構えたのは、奇妙なウォーカー達のオブジェ。
その滑稽さに笑い転げるエゼキエルの前に、突然出現する謎の女
明らかにテンションの高い彼女の声色に、三人はその動揺を隠し切れない。。

 

二つの目が一つの真実を見る」というメモを手に、アルファを見つめるベータ。
やがて彼はその首にゆっくりと止めを刺し、きつく抱きしめる。。
そして彼女の顔の皮を剥いだスキンマスクを、自分のウォーカーマスクと合体させたベータは、無数に集まり始めたウォーカーを率い、その先頭に立ちはだかる。。。

 


 

 

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 ・・予算がシンドイのも見え見えなので、あまり文句は言いたくないけど・・

なんだろ。この迷走過ぎる展開。。。

キャロルは相変わらずしがらみに囚われまくっちゃってるし、ベータはしつこい程闇落ちしてるし、それに続くダリルやエゼキエルなんかも、さっぱり、その心理描写がわかりません。。

・・それでも、わがままキャロルの身勝手さを間に挟んで、ニーガンとの仲に僅かな友情が芽生えちゃったダリルの方は、もういいとしましょう。。

でも、無邪気に昔の自分をうっかり思い出しちゃってるだけのニーガンは、

どうしても、カッコ悪過ぎます。。

子供を大切にするとか、孤独を噛みしめてきたとか、そーゆーのを皮肉と強がりで隠すキャラだからこそのニーガンじゃなかったんでしたっけ?

ココの軸がブレてくると、改心したというよりは、どうしても只のバカにしか見えなくなっちゃうんだけど。。

ついでに言えば、、

細かすぎるカットバックのおかげで、一喜一憂が激し過ぎる風に見えてしまうエゼキエルなんかは、もう一体何を考えてるのか。。

あどけない少年心が残るこの二人の設定は、執着心が強すぎる女性目線の脚本とじゃ、元々かなり相性が悪いんだよな。。

彼らのシーンのライティングや、CGの補完処理までもが圧倒的に雑なので、ひょっとしたら、彼らを演じている俳優自体も、一刻も早くこのドラマから抜け出たがってる?なんて邪推さえしてしまいそうです。(俳優側がスケジュールをくれないと、短い撮影実数で撮らざるを得なくなるので。。)

 

単独野外フェスを開催するベータの過去も、コレ、何の為にひっぱってみたんででしょーか?

強面ベータがカントリーミュージック歌手なんてオチは、ギャグ的にも、ドラマ的にも、全く意味が分かんないんだけど。。(因みに、彼の所属バンド“ハーフムーン”と聴いて、タイのパンガン島を思い出しちゃったのは、ここだけの秘密でw)

唯でさえ感情移入しにくいキャラに、わざわざ追い打ちをかけるようなこの仕打ちは、『TWD』シリーズの迷走具合をしっかり反映しちゃってる気がしてます。

大体、ベータがアルファに固執し続けてる理由も、もうすっかり忘れちゃった。。。

 

満を持して登場した”プリンセス”事ジュアニータは、あのハイテンションキャラのままで、本当に最後まで行くんでしょうか・・?

もう、シリアスなゾンビ世界のウォーキング・デッドの住人というよりは、すっかりディズニーのホーンテッドマンションを意識した、作り物感丸出しのその都市の住民は、今後より一層このドラマをアメコミワールドに連れてっちゃいそうで、不安しか感じない。。

 

簡易的なシーズンの最終話となる次回のエピソード手前で、執着していたはずのユミコに、あっさり依存しなくなっちゃったマグナの不気味さも含め、正直、全TWD出演者のキャラクター設定が崩壊の危機に晒されている様な気がしてきました。。。

シーズン10第15話の感想はコチラ

www.mariblog.jp

 

ウォーキング・デッド』シーズン10後半戦は、huluで観れます。

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