マリブのブログ

ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ

TOKIO山口達也の事件について、芸能界とオトナの責任とは

・・本来は被害者女子の心情を考慮し、内部事情を知らない外野は何も言わずそっとしておくべき問題だと思いますが・・・

今回の一連の報道を見ていてそのあまりのくぐもった街の意見に憤りを感じ、どうしても発信せずにはいられなくなってしまいました。

自分ごときが何かを言える立場ではありませんが、このブログを始めた根底にもある思いなような気もするので、批判を覚悟で言及させてもらいます。

40代の男性という大枠で見れば同じ立場の意見ですので、山口達也の弁護のように聞こえて不快感を感じてしまう方は、これを機に当ブログの観覧はご遠慮ください。
 
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同世代とは言え、正直殆ど興味のないアイドルだった。

光GENJIのような華やかさもなく、SMAPのように突出したキャラクターも居らず、男闘呼組の成功例に便乗したジャニーズのバンド枠を継承したグループくらいの認識だった。

折しも28年の活動に終止符を打ったSMAPに3年及ばず、25周年を迎えた今年でその存続自体が危ぶまれてしまった彼らの歴史はそんなに明るくはない。

 

城島と山口のふたりで立ち上げた「TOKIO BAND」をベースに作られた彼らは、当初の人気ボーカルだった小島啓がデビュー目前に急遽脱退し、まだあどけなさの残る長瀬智也をサポートメンバーから昇格させてなんとか体を繕った急造グループだった。

デビュー後もジャニーズが掲げる王道派アイドル路線から少し距離を置いたスタイルの彼らは、音楽性を追求するバンドスタイルだったにも関わらず、未だにミリオンセラーになった曲は一曲もない。

そんな中、俳優としての存在感を出し始めた長瀬智也、兄貴分的存在のコミカルなアイドル像を創り上げる松岡昌宏、コメンテーターとして広く好感度を上げ続ける国分太一、ジャニーズでは異例のドラマの脇役路線を突き進む城島茂と、メンバーはそれぞれ自分の居場所を模索し続けてきた。

 

皆さんはご存じだろうか?

 

デビュー当初のTOKIOの一番人気は山口達也だった事を。

 

甘いルックスとちょっと生意気な悪戯少年のようなイメージで、ジャニーズ的アイドルを一番踏襲していたキャラクターは彼だけだった。

しかし音楽活動は続けつつも仲間がそれぞれ独自のスタイルを築き上げていく中で、アイドルにもミュージシャンにもコメンテーターにもなれないまま置き去りにされた彼が、波に思いを馳せ、酒に溺れていく現象は想像に容易い。

 

問題はそんな当初から危うい存在だった彼に、何故、創世記のアイドルのような路線をさせ続け、身近に勘違い出来るような環境を作り上げてしまっていたのかという事。

 

今回の事件の被害者となった女子が出演する『Rの法則』をyoutubeで見ていて本当に情けなくなった。

番組は一言で言えば、何も知らないティーンエイジャー達を集め、当たり前の事を当たり前に紹介し続け、最後には進行役の山口が若者に先輩として生き方の道を示していくといった内容。

その稚拙さは、著者がどれだけ10代の頃を回想してみても思い当たらない。

彼らの素朴な疑問は、強いて言えば自分が小学生の時に母親に聞いていたレベルの内容な気がする。

 

日本の少年少女の明らかな幼稚化を目の当たりにして愕然としてしまう。

 

何時から日本の子供たちは、親から何も教わらなくなってしまったのだろうか?

あんなバラエティーをさも人気番組の様に天下のNHKが発信し続けていた事にも疑問を感じるが、更に自分の生き方そのものに一番迷っている山口に若者の指南役をやらせている事自体にも驚愕してしまう。

・・いや、一番迷っている彼だからこそ、出来る役だったのか・・・

しかし危うい山口に危うい若者たちを近づけ続ければ、今回のような事件が起きるのは必然的。

 

総括すれば、

 

親が子に大人の危険性をしっかり教え、山口が自分の弱さにちゃんと向き合えていれば回避出来た事件だったんではないだろうか?

 

被害者側への配慮と山口の甘さへの批判が集中し、何か大事なコトを見誤ってはいないだろうか?

まず芸能人のこの手のスキャンダルは、何時の時代も当たり前のように起きている。

しかし上層部の高年齢化とI女史の離脱により求心力が失われてきたジャニーズには、昔の様にもう揉み消す力は残ってはいない。

だからと言って華やかに見える芸能界の裏に魑魅魍魎が潜んでいる現実は今も昔もさして変わらず、そんな世界に子供を飛び込ませた被害者の少女の親も含め、その世間の認識の甘さと想像力の欠如にとてつもない恐怖を感じる。

報道では山口のアルコール依存の可能性や小児性愛の兆候を原因にしてみたりしているが、こんなバカな理由では決してありえない。 

 

ここで自分の意見を的確に代弁してくれていた方を見つけたので引用させてもらいます。


これを率直に言える勇気を持てない報道各局の対応にも恐ろしさを感じる。

すべては『Rの法則』に登場するような無菌状態のまま子供に思春期を迎えさせてしまった自分たち親の世代の責任なのだろうか?

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4人でのTOKIOの弁明会見を見ていて思ったのは、まずその彼らの、長年の歴史によって築かれた絆の深さ。


アイドルだが、路頭に迷う彼らの切実な思いが強く表れていた。

「自分たちの音楽活動には山口の存在そのものが必要」と吐露してしまう長瀬。

「何よりもまず弱い自分と向き合ってほしい」と懇願する国分。

リーダーは険しい表情で言葉を濁らせていたが、「山口の甘えになるTOKIOならとっとと失くしてしまった方がいい」と弾劾する松岡には彼への熱い友情と深い憤りが滲み出ていた。

 

山口達也が犯した罪の弁護ではないので、あえて最後に言及させてもらうが、

 

彼の行動は立派な性犯罪で、その思慮の浅はかさと大人として無垢な少女の意思を利用した彼の甘えには同年代としても本当に情けなさ過ぎる。

しかし自分にはハリウッドのハーヴェイ・ワインスタインのような傲慢さは彼からはどうしても感じられず、そこに見え隠れするのはただの男の弱さ。

彼の様に特殊な環境で育てられ、自立した生き方を模索しても見つけられない中年男など世間には腐るほどいる。

 

ジャニーズアイドルだろうが、ハリウッドスターだろうが、彼らも全て人間。

 

自分たちはそんな彼らに、いつの間にか仮想現実の住人の様な勝手な人間像を描いてしまっていないだろうか?

 

彼らに芸能人としての理想像を押し付ける世間の風潮そのものに問題があり、その人間の奥行に思考が至らない想像力の欠如にこそ、この一連の騒動の根深い闇が垣間見える気がする。

 

若者たちの間では、さしてTOKIOから山口がいなくなろうがあまり関心がないようだが、彼らの音楽を支え続けてきた数多の関係者の顔が彼らには想像できているのだろうか?

25周年の記念コンサートの開催や、ジャニーズとして初のロックフェスに参加してきたTOKIOの舞台裏には、数えきれないほどの音楽に情熱を注ぎこんで挫折した人間達の影が実は存在している。

更に彼らが音楽とは別のカタチで世間に受け入れられた人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画では、「DASH村」なる地方創生事業の一環を担っている。

 

その場所は、あの原発事故で風評被害に晒された福島県浪江町

 

2011年の東日本大震災当時に、JAXAの依頼で汚染されたヒマワリからセシウム137を摘出するというアイドルの仕事とは到底思えない実証実験の為にメンバーの中で唯一現場に向かったのも山口達也である。

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彼の犯罪をすべて帳消しにするわけではないが、言ってしまえば罪を憎んで人を憎まず。

居場所が分からず酒と女に甘えながらも、山口が唯一健気に情熱を注ぎこんでこれたのがこの企画だけだったのもまた事実である。

このご時世、彼を短絡的に業界から抹殺するのは容易いが、行き場のない人間達を世の中から合理的に締め出し続けても、後に残るのはただの虚しさだけなんじゃないだろうか?

 

うらぶれた人たちの心の拠り所や、その節々に滲んでいたはずの心の弱さに、想像を巡らせられる人間で自分はあり続けたい。

 

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